温かい日が続くようになるも、春の風は花粉を舞い上がらせ
ツーリングが辛い時期ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今年から綴り始めたこの「東北一周日記」はやっと、最終回を迎えようとしております。
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。

最終回は、本州最北端から山形まで南下するところから綴らせて頂きます。

またもや目的地まで500kmの道のりをゆく

東北一周をすると決め、本州最北端を成し遂げ、あとは山形だけです。
日にち的にも余裕が無かったので、途中下車は諦めましたが、体力は大丈夫だ。と思い、下道で一気に山形県、天童市まで南下。約500km走ります。
最短ルートの道を選びましたが、流石自然の都・東北。山を抜ける道しかありません。
そのため、夏とは思えない程の寒さで震え、霧で前が見えず、かと思えば山の天気独特のしとしと雨が身体に張り付くので、カッパを脱ぐことはありませんでした。

そして、あの頭痛が再度やってきました。死に至る頭痛では無いとわかったので、あとは気の持ちようだ。と思い込むと和らいだ気がする事に成功。そのまま進みました。
山を抜け、トンネルを幾度も潜り、霧が張り付くシールドを何度も拭き、やっとの事で山形県と秋田県の県境の町へ。
この時、腕時計を確認するも恐ろしいことに時間も、今日と明日の境目でした。
何時間も山を通っていたので、市街道がフラットだ!なんて素晴らしいんだ。と錯覚すら覚えた所で、空を見上げると

画像: 町あかりがあるにも関わらず、肉眼ではっきり星々が見えました。

町あかりがあるにも関わらず、肉眼ではっきり星々が見えました。

東北一周ブログ6通めまで来ましたが、お気づきの方はどれくらい、いらっしゃるでしょうか。
この旅で私は一度も星を見ることは出来ずにいました。
しかし、この町で、初めて星を眺める事ができ、さらに生まれて初めて天の川を見ることができました。
夜空はこんなにも星で明るいのだと、本当はこんなにも沢山星が輝いているのだと、いつも見ていた空を全て塗り替えるような衝撃と美しさで、ただただ立ち尽くし、感情が詰め込まれた涙が伝っていました。同時にあまりの嬉しさで笑っているのか泣いているのかわかりませんでした。

画像: 素人が頑張って撮った星空

素人が頑張って撮った星空

この後、コンビニで休憩し、「さて、目的地まであと少し」とバイクを起こしバックで下がったその時、信じられないくらい、まるで生卵を静かにテーブルに置くくらいにスローモーションでバイクが倒れました。さっき感情を含めた涙が流れ直後だったので、まだ感情が戻ってこないのか
「おう、おふっ…マズイ。いや、エンジンガードできっと被害は最小限、そして私はクイーンちゃんを起こすコツを知っている。」とかなり冷静。

よし、起こすぞ。と意気込んだものの、キャンプ道具を詰め込んだ事もあって、なんと持ち上がりません。何度も挑戦するも、あと少し!の所で、身体が「へにょ」ってなります。
ぐぬぬぬ…もしや体力を使い切ったのか…と諦め、携帯で写真を撮ろうとした所で、新聞配達さんのお兄さんに助けてもらいました。
(しゃ、写真なんか撮ろうとしてなかったんだからねっ!!!)
そうして、天童市に到着したのは夜中の2時。
翌日雨予報だったので漫画喫茶に泊まりました。室内泊の快適さは恐ろしい。
なぜなら、翌日起床時間15時だったのです。
うわあああやらかした!!観光する時間が消えました。さっさとチェックアウトを済ませ、外に出ると、快晴です。豪雨って言ったの誰よ!!!
悔しさを滲ませつつ、山形は温泉が安いとの事で、温泉へ。夕方だったのもあってか、結構賑わっておりました。

温泉に浸かり、癒され、後は帰宅するだけ。と、駐車場で荷物を積んでいると
「バイクだ!!! バイクだああああ!!!」と、12才の女の子、9才の男の子という兄弟2人が、お母さんと一緒に駆け寄ってきてくれました。
こんなにも興奮して見に来てくれた子たちは初めてで、嬉しくて堪りません。
跨ってみる?と聞くと男の子は「うん!」と目を輝かせてくれました。けれど、まだ小さい身体ゆえ、自分で跨ることが出来なかったようで、抱っこして載せてあげると、ハンドルに目一杯手を伸ばし「持てた!つかめた!!運転できる!!」と嬉しそうに言ってくれました。
お姉ちゃんの方も同じように尋ねると「の、乗りたっ…いや、ううん…」と断られましたが、目は乗りたいと語っていました。なので「乗るなら今のうちだ!!お姉ちゃん乗ったら絶対カッコイイよ!」と煽りました。
もじもじとして乗った所で笑顔が止まらないお姉ちゃん。降りた瞬間飛び跳ねて「将来絶対乗るんだ!!!バイク乗るんだ!!!免許取れるまであと6ねん、あっと6ねっん!!!」と興奮してくれたので、コチラまで興奮して一緒に飛び跳ねました。
未来のバイカーに会える程嬉しい事はありません。名前も聞けなかったけれど、将来2人が無事、免許が取れますように。と、時々こっそり願うのです。

画像: 最低スペックのスマホで撮ったから画像が酷いが、未来のバイカーである!

最低スペックのスマホで撮ったから画像が酷いが、未来のバイカーである!

心がいっぱい満たされた最後の日、400kmの帰り道、
ずっと、永遠と、豪雨でした。休憩を含め約10時間の道のり。
靴の中が水たまりになったのは初めてです。

画像: 水没しているじゃないか!!!!

水没しているじゃないか!!!!

じつは、この旅を始めようと思ったきっかけは、愛犬が亡くなって、何も手に着かなくて、ひたすらバイクを点検するしか体が動かず、ここまで見たら長距離大丈夫だろう。という考えと、将来私が大きくなったら一緒に遠くへ出掛けようね。と言っていたのに、約束を果たせないままだったので
愛犬の灰を持って、とにかく遠くへ。と、本州最北端へ一緒に旅に出たのです。今まで見た事の無い景色、感情、人の優しさ、亡くなっても尚教えてくれた愛犬に感謝です。

画像: この数日後には立てなくなった愛犬。けれど、バイクを弄っている時は、私の側に来てくれてたのです。

この数日後には立てなくなった愛犬。けれど、バイクを弄っている時は、私の側に来てくれてたのです。

今時「道を尋ねるくらいなら手元の携帯で、自分で調べろ」と言われる世の中ですが、携帯嫌いな私ゆえ、迷子になるたび、沢山の人たちの優しさを知る事ができ、その町の、その町に住んでる人だからこそ知っている場所や景色を教えて頂き、見て、感じる事が出来ました。
携帯は時に重宝する物ですが、出掛ける際は、携帯をポケットに閉まってみてはいかがでしょうか。
きっと、楽しいと思いますよ。

因に帰宅後、やっぱりあの頭痛が気になり、病院へ行くと「緊張性頭痛」と言う事が分かりました。長時間同じ姿勢だったり、筋肉を変に使ったりすると、体が緊張し、頭痛になるのだそうです。皆様もどうかお気をつけてください。

ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。
そして、帰宅後、これを筆頭に旅に魅せられ2ヶ月で7000km走りキャンプをしていました...

画像: 2ヶ月で回った場所!7000㎞!

2ヶ月で回った場所!7000㎞!

そのブログも是非待っていて下さいね。

では、皆様素敵なバイクライフを!

This article is a sponsored article by
''.