初めての電熱ウエアを試すなら、バッテリー型のベストタイプがお勧め
寒い時期のライディングウエア選びは難しい。気温15℃までなら3シーズンジャケットで耐えられるが、15℃を下回ると保温機能を備えたアンダーウエアが、10℃以下ならカイロも欲しくなる。加えて悩ましいのが気温差で、朝の気温に合わせれば日中は汗ばみ、昼に合わせれば夕方以降は震える。
こうした問題を一気に解決するのが温度を調整できる電熱アイテム。正直、一度使うと手放せない。寒がりの僕は、冬の間は電熱の助けなしでは、バイクに乗りたくないほどの必須アイテム。
電熱ウエアは充電池を使うバッテリー型と車体側から電源を取る12v型があり、それぞれに長所短所があるが、とりあえず電熱ウエアを試してみたいという人にはバッテリー型のベストタイプがお勧め。煩わしい配線が不要だし、手持ちのウエアとも組み合わせやすい。既存の製品は専用リチウム電池が付属していることが多いが、昨年あたりからスマホの充電などに使う汎用モバイルバッテリーの使用を前提とした製品が急増中で、大容量バッテリーと組み合わせれば運用時間を大幅に延ばせる。例えば容量2万mAh程度のバッテリーを組み合わせれば最も暖かいフルパワー設定でも12時間以上使えるので、冬場のツーリングだってOKだ。
また、簡易型ベストといったデザインの新製品も登場している。かさばらないのでフィット性がタイトな革ジャンやスポーツライディング用ジャケットとの相性問題が起きず、カジュアルウエアとも組み合わせやすい。
気温10℃以下で丸一日走るというライダーには加温性能が高く、バッテリー切れの心配がない12v型が強い味方になる。12v型はジャケットやベストのほかにパンツやグローブ、ブランドによってはソックスまで揃っていて、配線接続にひと手間掛かるものの、頭以外はすべて加温できるので氷点下でも寒さ知らず。
ヒーターや電源の進歩により、電熱ウエアは「使わないと損」な時代になってきている。
Henly Begins テラヒート電熱ベスト HBH-004
『ヘンリービギンズHBH-004』は、ヒーターが発する熱をテラヘルツの超遠赤外線に変換して身体の芯からじんわり暖める仕様。カジュアルなデザインで街着にもなる。
コミネ ELECTRIC HEAT SERIES
『コミネK-101ライニングベストUSB』は簡易型ベストといったデザインで、両胸と背中側にヒーターが内蔵されている。モバイルバッテリーは上に着るジャケットの内ポケットなどに入れる仕様だ。