利便性を考えれば価格も安い。1個持っていて損のないアイテムだ。
80年代以降のスポーツモデルは軽量化とバンク角の確保、コスト削減を理由にメインスタンドを省くことが普通になった。その是非はともかく、ドライブチェーンのメンテナンスやホイールの掃除がやりにくくなったのは事実。スイングアームを押し上げるリアスタンドを使えばいいのだが、リアスタンドは場所を取るので置き場に困ることがあるし、比較的高価なのでメンテナンスの頻度が高いユーザー以外は手を出しにくい。
そこでテストしたのが車体側のサイドスタンドと併用することでリアホイールを浮かせることができる簡易スタンド。リアスタンドやメインスタンドに比べれば安定性に欠けるので本格的整備向きとはいえないが、上記したチェーン、ホイールのメンテナンス程度なら充分だ。
リフトスタンド先端にあるL字型の受け部分をサイドスタンドの反対側(通常は右側)スイングアーム下側にあてがってレバーを下方向に押し下げると、テコの原理でスイングアームが押し上げられてタイヤが浮く。リフトスタンドの長さはスイングアームの高さに合わせて調整でき、耐荷重も250㎏なので大型クルーザー以外のほとんどの車種に使える。テストは車重195㎏のXSR900で行ったが、女性一人でリフトアップできた。
加えて便利なのがコンパクトに収納できること。力点と作用点を受けるアームのボルトを抜けば小さく折り畳め、自重も767gなのでツーリング先などでの不測のトラブルに備えて持ち運ぶことも苦にならない。使い勝手に慣れればホイールを外してのパンク修理も可能だし、利便性を考えれば価格も安い。1個持っていて損のないアイテムだ。
ユニット スイングアームリフトスタンド C5025
価格:3672円
[本体サイズ]高さ220㎜×幅95㎜×奥行き70㎜(折りたたみ時)
テスター太田安治の欲張りリクエスト
単にリアを浮かせるだけなら「つっかえ棒」的なもので代用できるが、この製品はテコの原理で一人でもリフトアップできるところがポイント。個人的には収納袋が欲しいけど、この価格だから贅沢は言いません。
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