ツインリンクもてぎでのMotoGP「MOTUL」日本グランプリ、おわりました。現地観戦された方、ずーーっと雨でタイヘンでしたね、お疲れ様でした! TVやネット観戦の方、面白かったでしょー! 現地で見るともっと面白いよぉ、いつか現地に足を運んでね^^
MotoGPはすぐに今週末、今度はオーストラリアGPを迎えますが、中の人は木曜から4日間ももてぎにいたわけで、たくさん取材させていただいて、スペースの都合で誌面に載らないネタだってあるわけで、そういった「小ネタ」をばんばん公開していきますね。

まずひとつ目は、日本人ライダーの奮闘です。
現在、MotoGPへは、5人の日本人レギュラーライダーが参戦しています。moto2クラスに中上貴晶と長島哲太、moto3クラスに鈴木竜生、佐々木歩夢、鳥羽海渡。さらに、この日本グランプリには、ワイルドカード(地元1戦のみの参戦)として、MotoGPクラスに中須賀克行、そしてレギュラーライダーの代役参戦として青山博一と野左根航汰が、moto2クラスにはどちらもワイルドカードで水野涼、榎戸育寛が参戦しました。水野は全日本J-GP2タイトルを決めてからの参戦です。
ワイルドカードは、いつもは乗っていないマシン、タイヤで出場する、本当に難しいレースです。JSB1000クラスチャンピオン、日本代表としてMotoGPクラスに参戦した中須賀に関しても、普段テストでヤマハYZR-M1に乗りまくっているといっても、そこはテストコースや、いくつかの海外サーキットでだけ。しかも、レースごとにかわるといっていい本番用タイヤなんてテストチームには届きませんから、エンジン、車体、電子制御やサスペンションといった基本的なことの素性を確認するだけ、ってことになります。これは、ホンダRC213Vのテストライダーである青山博一や高橋巧にも同じことが言えるでしょうね。
「テストのときは、レギュラーライダーであるバレンティーノやマーベリックの乗り方のクセとかライディングフォームをまねしてまで乗ることだってあるんですよ。そうやって初めてわかる、ライダーのコメントとかがあるから」と中須賀。その中須賀は、6年連続の日本GPワイルドカード参戦ですが、毎回のように、次世代の、次シーズン用のMotoGPマシンの実戦テストをメインに出場しています。
「今年の中須賀のマシンには、いろいろアイディアを詰めこんでいます。それがうまく効果を上げるようだったら、今シーズンの残りのレースに投入していくかもしれない」とは、ヤマハのモータースポーツ部の辻部長。言うなれば、上手くいくこともあるし、行かないこともある、どう転ぶかわからないマシンを託されているわけです。

画像: 年々、ワイルドカードの重要性が増している中須賀 今回は、シーズン終盤に投入するかもしれない仕様で!

年々、ワイルドカードの重要性が増している中須賀 今回は、シーズン終盤に投入するかもしれない仕様で!

青山と野左根に関しては、これはもう「代役」っていうだけに、もともとは人のマシンに乗っての出場。青山はジャック・ミラーの、野左根はヨナス・フォルガーのマシンに急きょ乗るわけですから、これはもう、ジャックやヨナスの体格に合わせたポジション、好みに合わせた車体やエンジンのまんま、いわば「乗せられる」わけです。だって野左根なんか、念願のMotoGPデビューが決まったの、フリー走行開始の2日前ですからね。「もっと早く言ってよ、準備だってあるんだからさぁ」ってのが正直なところなんでしょうが、それは言わない約束だよね。MotoGPのレースに出るってだけで名誉なことなんだから。そういえば、2016年にはダニ・ペドロサの代役で、急きょ青山が代役参戦したんでした。代役参戦を引き受けるのも、ものすごく勇気のいる決断だと思います。だって自分のマシンじゃないからね。

画像: 2年連続、急きょ出場した青山。そんなことを想定して、ヒロは今でもトレーニングを続けています

2年連続、急きょ出場した青山。そんなことを想定して、ヒロは今でもトレーニングを続けています

「1年ぶりのレースだから、慎重に焦らずに走らないと。代役って、本当はすごく難しい仕事なんですが、チームには知り合いも多いし、代役に呼んでもらえたことを感謝して努力していきます。久しぶりに日本のファンの皆さんの前で走ることを楽しみにしてます!」とは青山。これは野左根だって同じでしょう。むしろ、野左根はこれがGPデビュー。青山の期待と緊張とはまた違った次元で震えそうです。

画像: 全日本、世界耐久、そして急きょMotoGPにも出場した野左根。その走り出しに、ロッシも注目していました

全日本、世界耐久、そして急きょMotoGPにも出場した野左根。その走り出しに、ロッシも注目していました

Moto2クラスに関しては、また事情が違います。moto2は、全日本選手権でいうとJ-GP2クラス。けれど、エンジンもフレームもタイヤも、いつもとはまったく違う。榎戸は、このワイルドカードに向けて今シーズンからカレックスフレームを使用して、いつも使っているダンロップタイヤも、全日本のレースにはマッチしないし、データだってないことをあえて知りながら、moto2用タイヤに近い仕様のものを履いて全日本に出ていました。水野に関しては、普段はハルクプロオリジナルのJ-GP2マシン+ブリヂストンタイヤなのに、このレースに向けてカレックス(しかも旧型)にダンロップタイヤという、まったく知らない仕様。

画像: 16年の全日本ST600チャンピオン、榎戸 このレースを目標に、この1年走ってきました

16年の全日本ST600チャンピオン、榎戸 このレースを目標に、この1年走ってきました

「事前にカレックス+ダンロップで走る機会はありました。知らない仕様ではあっても、臆することはないです」とは水野。大チャンスを前に、ビビってるわけにはいかないぜ、ってところなんでしょう。

画像: 圧倒的強さで全日本J-GP2チャンピオンを決めてから参戦を決めた水野 まさに日本代表!

圧倒的強さで全日本J-GP2チャンピオンを決めてから参戦を決めた水野 まさに日本代表!

<思いのほか長くなっちゃったので つづく・笑>

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