今回は、去年のこのイベントや、日本GP前のイベントのように販売店やヤマハ製品/ワイズギア製品の購入対象者向けの招待イベント、つまりおカネ出してもチケットは買えないイベントだったんですが、この動員!8耐人気もなかなか捨てたもんじゃないね。
イベント出席は、ヤマハトップチーム勢3チームの9人。ヤマハファクトリーレーシングから中須賀克行/アレックス・ロウズ/マイケル・ファン・デル・マークと、YARTヤマハオフィシャルEWCレーシングの野左根航汰/ブロック・パークス/マービン・フリッツ、さらにGMT94のダビド・チェカ/ニッコロ・カネパ/マイク・ディ・メリオ。
外国人ライダーたちは、きょう成田着ですかね。日本に着いてすぐに東京に寄って、イベントやってから鈴鹿入りと、ハードスケジュールですね。お疲れ様です^^
まずはヤマハファクトリーレーシングの中須賀克行と吉川和多留監督、それにヤマハモータースポーツ技術部長の辻さんの「インサイドレポート」。ここでは、まず昨年の振り返り映像を見ながら、3連覇を狙うふたりのライダーの今の心境を。イベント司会は、鈴鹿サーキットのレースアナウンスでおなじみの辻野ヒロシさん。
――去年の大会では1回目のスティントからトップに出るレースでしたね。
中須賀「まずその前に…こうやって去年の映像見てると、僕がポール獲りたかったなぁ、って(笑)。今年は僕が獲りたいです。予選からしっかりヤマハをアピールしてね」
去年、おととしと、ヤマハファクトリーがポールポジションを獲得しましたが、2年連続でポル・エスパルガロに持っていかれてますからね(笑)。レースやってる最中は、もちろんポールより優勝することの方がだんぜん重要ですが、終わってみたら悔しいな、ってそんなとこなんでしょう。
中須賀「1スティント目ってすごい重要で、スプリント的な側面もあって、もう少し早くトップに出られたんですが、チームの戦略的にこれだけの周回数をまわって欲しい、っていうのがあったんで、燃費も切り詰めてますからね。他チームより1周でも多く走ってプレッシャーかけていきたい、と。その作戦を実行するのが重要だったんです」
――今年も1スティント目から期待してます。
中須賀「僕がスタートライダーとは限らないですからね(笑)。ポールが僕が獲りますけど(笑)」
――ピットワークの速さも注目でした。
吉川「余裕があったっていうより、まず2015年の新型1年目は、タイヤ交換や給油で準備が整っていない年だったんです。まわりのチームからも『ピットワーク遅いね』って(笑)。16年は速いチームと同等か、その近くまでスピードアップできました。じっくり、確実にね。ピットワークは、遅いって感じられるくらいの方が早いんですよ。あとはライダーがピットストップで、マシンの挙動なく正確な位置で停めてくれたのもあったしね。本番のピットワークは、ピットインのマシンの止め方とか、作業の精度にかかわってくるんですよ」
――鈴鹿サーキットに2輪専用シケインが設定されて以来の、最多周回新記録218周でした。
辻「ご存じのように、昨年は雨も降らなかったし、セーフティカーも入りませんでしたから、すべてが想定の範囲内で進みました。15年のように、ポルが黄旗無視でライドスルーペナルティをもらったりすると(笑)作戦を組み直さなきゃならないんだけどね。いずれにしろ218周をターゲットにしていましたから、ライダーは『遅く走る』というか、遅く速く走ってくれた。普通に走ると、2分08秒とかで走っちゃいますから、それを燃費も含め、10秒くらいで遅く走らせる、って負担を掛けちゃいましたね。うまく自分の分担をしっかりクリアしてくれたと。考えていた通りに物事が運んでくれました。チームの戦術的に、上手くいきました」
――事前テストの状況はいかがでしたか?決してトップタイム、という結果ではありませんでした。
中須賀「今シーズンから全日本用のマシンが17インチタイヤを装着して、8耐は従来の16.5インチも使っていいんです。でも僕らは、実績ある16.5インチで行こうかと。データもあるし、ライバルもフルモデルチェンジで、マシン差はないと思うんですが、去年が218周していますから、まずはそこを目標に。自分の力を100%出して、まわりに振り回されないように、やるべきことをしっかり。どこがライバルではない、去年の僕たちを超えるように、そうすれば優勝できると思います」
吉川「バイクもタイヤも実績あるものだし、昨年は予定通りノントラブルで、もう少し無理すれば219周も行けたかもしれないんですが、そこはピット作業も時間をかけて確実性優先でね。今年は、昨年以上に信頼性が上がっていると思います。今年はマイケルが加わったんですが、彼も優勝経験があるので、ライダー3人、ぜんぶ8耐優勝者という安定感ある布陣ですから、自分たちのレースをやれば、しっかり結果はついてくるかな、と。走らせる側は心配ゼロなんてことないですからね。調子が良ければ、どこでペースを抑えさせるか、調子が良ければどこかトラブル出るんじゃないかな、って不安はなくなりませんから」
――今年の見どころ、展望はいかがですか?
中須賀「今年はまず、3連覇するために219周しなきゃ。それだけの準備はしてきたし、チームと信頼関係もあって、それでこそチームとライダー、お互いプレッシャーを掛け合って、緊張感をもってレースに臨みたいです」
吉川「去年は、優勝直後のインタビューで『ヤマハの黄金時代はまだまだ続く』なんて言っちゃいましたが、あれはあの場のノリでね、テンション上がった状態のコメントですから(笑)。言った以上は、それが達成できるように努力していきます。まずは219周を基準に考えています」
辻「我々は、勝つための準備はすべてしてきました。テストも、最後の1時間にシミュレーションをやって、目標とするペースが達成できています。満足できる記録も出してくれましたしね。YZF-R1も3年目、耐久では信頼性を含めて、問題も出尽くしたいい時期だと思っています。ライダーの3人、吉川監督の下、ヤマハの3連覇をやってくれると思います」
文句なく優勝候補の筆頭に挙げられるヤマハファクトリーレーシング。実績に応じて、高い目標を設定し、そこを予定通りにきちんとこなせば、おのずと結果はついてくる、って自信にあふれているチームのムードが感じられました。
そしてイベントは、参加してくれたファンを交えての、ライダーたちによるPS4「RIDE2」ゲーム大会(GMT94、YARTヤマハ、参加したファンのチームを破ってファクトリーレーシングが優勝)、プレゼント抽選会、そしてライダーたちとの記念撮影会もあり、にぎやかに和やかに終了しました。
このイベントには、ヤマハさんにペア参加権を本誌読者向けに用意いただいていて、それを本誌8月号と、ここWebオートバイで募集をかけていたんですが、そのプレゼントに当選したのが、神奈川県の柑本里香さん&蒼馬くん(8歳)親子。蒼馬くんは小学3年生で、もちろんレースファン! GPもテレビでよく見ているし、先日もツインリンクもてぎで、キッズ用バイク「モトレーサー」に乗りまくってきたそう。残念ながら、鈴鹿8耐には行けないけれど、レース現場に連れて行ってあげたい、というのがお母さんの応募理由でした。
「はじめて本物のライダーのひとたちがいて、楽しかったです」と蒼馬くん。実はヤマハの関係者の方から、YARTヤマハの野佐根選手のサイン入り「ヤマハピットシャツ」をプレゼントされ、テンション上がりまくりでした!
「ヤマハのバイクもカッコいい。すごくヤマハのことが好きになりました」と感想をいただきました。よーしよし、これで将来のヤマハファンをひとり、作り上げましたね、ふふふ。
そんなこんなで、いよいよ今週末は鈴鹿8時間耐久の決勝レースです。本番直前まで、もう少しここにニュースをアップしてみますね!