ライフスタイルまで変える魅力を持ったカスタム
ボバーは、アメリカで1940年代から始まったカスタムスタイルを徹底的に再現したモダンクラシックシリーズの最新作。バイクを抑え込みやすいようにムダを省き、スリムに低く造られた往年のマシンをイメージしている。このボバー、他のボンネビルシリーズとは違い、短い前後サスで車高を落とし、リジット風に見えるスイングアームを採用して、サドル型のシングルシートでリア回りを強調している。
このフォルムから受けるインパクトは強烈のひと言! 一見すると、ホンモノの古いバイクに見えるほどだ。しかも、走り出すと、タイヤにぴったりとフィットしたフェンダーが、テールランプやウィンカーと一緒にストロークに連動して動く。ライダーと一体になった時のフォルムも個性的で、そのルックスも人目を引いていた。
トライアンフがこのバイクに求めたのは、この姿であり、それが醸し出す雰囲気だ。だから、ファンバイクだと思うし、強力なファッションアイテムでもあるのだろう。
そんなことからも、このバイクに乗るときは、ライディングギアにもこだわりたくなると思う。当時のバイクたちが現役だった時代の姿をまねてもいいし、別のものをアレンジするのもいいだろう。ただし、その中心はボバーだ。もしこのバイクに魅せられたら、ボバーが持つテイストを中心に、そのライダーのバイクライフは回り始めることだろう。ある意味、覚悟のいるバイクだと言える。
エンジンは低中回転域のトルク、パワーを重視したセッティングが施されたT120系の水冷ユニット。T120シリーズと比べると、トップギアで60㎞/hから再加速できる豊かなトルクは同じだが、100㎞/hでの回転数は2500〜3000回転の間にある。同じツインエンジンながらハーレーのスポーツスター1200のVツインとはまた異なった、味わい深い鼓動感を発しつつ、ムダな振動もなく、クリアに回る。Vツインよりバイクの雰囲気にマッチした、いい演出をしてくれるバーチカルツインだ。
さらに印象的なのが、この独特なライディングポジションだ。腹筋を鍛えたり、腰を鍛えても、高速道路のクルージングスピードは法定速度付近プラスアルファぐらいがお勧めだ。このスタイルを実現するため、短くされたサスのストロークはとても少ない。リアはまだいいが、フロントは急制動するとほぼフルボトムしそうで、路面からの強い衝撃は苦手だ。だが、それで苦言を言うのはお門違い。そうならないように乗りこなすのがこのバイクの楽しみ方だからだ。
上手に乗りこなせば、峠道で元気に走ることもできるし、取り回しも容易。そのルックスからは想像できないほどの扱いやすさも備えているので、このテイストを心置きなく楽しむのが正解。強烈な個性をウリにした、愉快なバイクだ。
主要諸元
全長×全幅×全高 NA×800×1025㎜
ホイールベース 1510㎜
シート高 690㎜
車両重量 228㎏(乾燥)
エンジン形式 水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 1200㏄
ボア×ストローク 97.6×80㎜
圧縮比 10.0
最高出力 77PS/6100rpm
最大トルク 10.8㎏-m/4000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 9.1ℓ
キャスター角/トレール 25.8度/87.9㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ310㎜ディスク・φ255㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 100/90-19・150/80R16
■価格:151万5000円〜155万3880円
個性際立つ美しさと存在感!
注目ポイント
ライディングポジション(身長:176㎝ 体重:68㎏)
シートはある程度前後に動かせる。撮影時は中間位置なので前に出せば上体をもっと直立させたようなホースバックライディングスタイルで乗る事もできる。そんな乗り方もこのバイクに似合う。シートは低く、足着きに不満を言うライダーは少ないだろう。
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トライアンフジャパン
☎.03-6809-5233(トライアンフコール)