自転車用品の流用で、毎日のお買い物がハッピーに!
二輪の免許を取ってから20年くらいは、自分のモノとしてスポーツモデルじゃないオートバイを持ったことが無かった。大体ロードスポーツ、ちょっとオフ車。荷物はリュックとか小さなカバンを身につけて何とかしてて、よほど大きな荷物でないとシートに括りつけたりもしなかった。だいたいスポーツモデルはゴテゴテと荷物を積むようにできてないし、積むとどうにもカッコ悪いし、そもそも面倒くさいよなぁと思ってた。
しかし3年前、その時乗ってたXR100モタードが壊れたんで、仕事で何回か試乗して、意外なほど軽快な走りと燃費の良さで気に入ってたスーパーカブ110に乗り換えた。しかも普通のカブじゃなくスーパーカブ110プロの方。これ、大雑把にいうと郵便配達仕様カブの民生バージョン。ホイールの小径化やサスの強化、普通のカブと違う前後キャリアなど、郵便配達仕様とほぼ同じ装備を持つ「ザ・実用車」。要するに私、オートバイの「機能」に惹かれてるんですな。スポーティさ、積載性、どちらの機能を選ぶかってだけで、私の中では本質的にはどちらも等価ってことで。いざ乗りはじめると、独特なスタイルと使い勝手の良さもツボにハマり、趣味的実用車として楽しんでおったのです。
さて、ここからが本題。カブプロが気に入ったけど、だんだん不満も出てくる。ま、単にカスタムしたくなっただけなんですが、丸めた新聞の束を横倒しにして積める、標準装備の大きな前カゴがどうも気に入らない。カブプロに乗って初めて、物の出し入れが楽な前カゴがスゴく便利なことはよく分かったんだけど、別に新聞配達するワケでなし、こんなに大きくて頑丈な必要はないな? と。外すと見た目もスッキリ、重たいカゴが無くなって軽快さもアップ。とはいえ前カゴ無いと困っちゃうから代わりがいるけど、適当なのがなかなか見つからなくてね。オプションであった小さいカゴは代わり映えしない。郵便配達用のカバンはカブプロにはぴったりだけど入手は不可能。何かないかな~、と考えててふと頭に浮かんできたのが、スーパーカブ110(プロじゃない方)に乗ってる友人に「コレ便利だよ~」と何回も聞かされてた「クリックフィックス」だったのでした。
ちょっとした工夫は必要です
これはドイツの自転車用品メーカー・リクセンカウルの製品で、アタッチメントをベースにカバンやカゴをボタンひとつで脱着できるクイックリリースシステム。ちょっとした自転車ショップなら扱ってるんで入手も簡単。カゴやカバンが色々用意されてる中で、私が選んだのは布製で取手が付いてて、取り外すとカバンのように使える手提げ買い物カゴ「ショッパーコンフォートミニ」。コレの何がいいって買い物に行く時で、店についたらパカっと外して持って行き、買ったものをガンガン詰められるから今時は有料のレジ袋も不要。そして再びポンと車体に装着してそのまま走って帰れるという、ただの前カゴを超える抜群の使い勝手の良さ! デザインもカブプロの実用車感に違和感なくマッチするし、もう個人的には文句なし。コレ無しでは生きていけない体になったかも(大げさか)。
ただまあ自転車用なんで、オートバイに取り付けて使うにはひと工夫が必要。私は溶接でT字型のアダプターを造ってフロントキャリアにネジ止めし、そこに自転車ハンドル用のクリックフィックス・アタッチメントを取り付けとります。あと布地カゴの弱点として、空荷とか非常に軽い物を入れた状態で、自転車では想定されていない速度を出すと風圧で底が持ち上がってくるね、あんまり気にしてないけど。まあ、ちょっとした工夫を厭わず、欠点も分かった上で、車体の前面側に取り付けスペースが確保できる車種(カブと一部のスクーターくらいだな)に乗っている人ならクリックフィックスは本当にオススメ! しかし、そんな条件に該当する物好きなんて日本に何人いるのかなぁ?
※記事はオートバイ2015年9月号・別冊付録「殿堂用品」より
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