カワサキがミラノのEICMAにて、四足歩行ロボットビークル「CORLEO」の実物大モックアップを公開する。単なるコンセプトにとどまらず、2035年頃の本格市販化を目指して開発が進められる前代未聞の新カテゴリーモビリティだ。川崎重工の最新技術が詰まった注目のメカニズムに迫る。

まとめ:吉岡直矢
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2035年の市販化を目指す衝撃の四足歩行モビリティ

カワサキモータースヨーロッパは、イタリア・ミラノで開催されたEICMAのホール11・ブースN46にて、ロボティック・マルチレッグド・ビークル(RMV)である「コルレオ」の実物大モックアップを出展する。日本では昨年4月に公開されていたもので、このマシンは将来的な市販と一般販売を前提に開発が行われているのが最大の特徴だ。川崎重工業社長の直轄組織であるSAFE ADVENTURE事業開発チームがプロジェクトを牽引し、2035年頃のフル商業化をターゲットに掲げている。

画像: KAWASAKI CORLEO 実物大モックアップ/フルサイズ模型

KAWASAKI
CORLEO
実物大モックアップ/フルサイズ模型

会場には挑戦と魅力を説明するために日本のカワサキスタッフも立ち会い、近未来のパーソナルモビリティを提示する。また、カワサキブースではヴェルシス900やKLE650の世界初公開、インジェクション採用の2ストロークエンジンを搭載したKX327など2027年型最新モデル、新型ニンジャ650、新型ニンジャH2カーボンなどが勢揃いし、大盛り上がりは確実だ。

ターボ付き150cc 2スト水素エンジンとスイングアーム脚部

コルレオのパワートレインには、発電用として150ccの水素エンジンが搭載されており、車体後部に設置されたキャニスターから水素が供給される仕組みだ。さらに詳細な仕様として、前脚部にターボチャージャー付きの2ストローク150cc水素エンジンを配置する設計が明らかになっている。高効率な2ストロークと水素燃料を組み合わせることで、二酸化炭素をほとんど排出せず、主に水のみを排出する高い環境性能と軽量コンパクトさを両立する。

脚部にはモーターサイクルで培われたスイングアーム技術が応用された。後脚部が前脚部とは独立して縦方向にスイングすることで走行時の衝撃を吸収し、段差登坂時でもライダーが進行方向の地形を確認しやすい姿勢を維持する。

乗馬感覚で操る「あぶみ」と荷重移動ライディング

今回はモックアップの展示だというが、実際の操作体系は従来のアクセルやステアリングではなく、馬に乗るかのような感覚でライダーの荷重移動を検知してマシンを動かす直感的なスタイルを採用した。ステップに相当する「あぶみ」とハンドルで体重移動を認識し、走り、曲がり、止まる動作を行う。

乗車ポジションはコンフォートモードとスポーツモードで変形し、スポーツモードでは「あぶみ」の位置が高くなって競馬の騎手のようなポジションに変化する。デザインはZX-9Rやザンザスを手掛けた福本圭志氏が担当し、神戸大学馬術部の協力を得て乗馬視点を取り入れつつ、カワサキらしいシャープな表情と力強さを融合させた。車体は2人乗りも想定したサイズ感に仕上がっている。

ナビゲーションとSAFE ADVENTUREが描く走りの未来

安全に自然を楽しむ「SAFE ADVENTURE」コンセプトのもと、専用のナビゲーションシステムも開発されている。気象や気温、路面状況、さらには野生動物の存在まで感知し、ユーザーを安全なルートへ誘導する機能を備える。ハンドル前部の縦長モニターやスマートデバイスを通じて情報が確認でき、夜間には前方の路面に進路マーカーを照射して最適な走りをサポートする。

半世紀以上にわたるモーターサイクルの製造技術と四足歩行ロボティクスを融合させたコルレオは、道なき大自然を駆け抜ける新しいカテゴリーのモビリティとして、カワサキが誇る技術力の深さとカーボンニュートラルな未来像を力強く示している。

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