1924年に“時速100マイルの走行性能保証”を掲げ、世界最速級の市販車として名を馳せたブラフシューペリア S.S.100。その伝説を受け継いだ現代版は、クラシカルな造形と最新技術を高次元で融合させ、ハンドメイドで仕立てられる特別感や圧倒的な存在感は、まさに“走る芸術品”。車両価格が1300万円を超える“逸品”の真価を試乗で探る。
文:小川 勤 写真:長谷川 徹
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ブラフシューペリア「S.S.100」インプレ(小川 勤)

画像: Brough Superior S.S.100 総排気量:997cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 シート高:820mm 車両重量:186kg(乾燥) 税込価格:1392万6000円 世界300台限定 問い合わせ:ブラフシューペリア モーターサイクルス ジャパン

Brough Superior
S.S.100

総排気量:997cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:820mm
車両重量:186kg(乾燥)

税込価格:1392万6000円
世界300台限定
問い合わせ:ブラフシューペリア モーターサイクルス ジャパン

時代を超えて蘇るブラフシューペリア

100年以上前に『スーパースポーツ』を名乗るバイクがあった。
それがブラフシューペリアのS.S.100だ。1919年にイギリスで創業したブラフシューペリアは、当時からバイク界のロールスロイスと呼ばれた存在。

特に1924年に登場したS.S.100は、納車前に実際に時速100マイルの性能を達成した個体だけが販売され、選ばれた一部の顧客の要望に合わせたオーダーメイドスタイルで生産されていた。

しかし、ブランドは1940年に幕を閉じる。そして2013年、南フランスのトゥールズを拠点とするチームと共に再出発を果たしたのだ。それはよくある商標権だけを手に入れた復刻にとどまらない。『今、創業者であるジョージ・ブラフが存在したら何を作るのか?』それを真剣に考え、形にしている。

制作されるバイクは同じものは2つとなく、全てが顧客の要望に応じたオーダーメイド。今、日本でブラフシューペリアに触れられる価値は大きい。すでにブランド復興から10年以上が経過し、それが一過性でないことは証明されているからだ。100年前の思想が、現代において完成した形で上陸したと言ってもいいだろう。

工業製品の多くは合理性や効率を追求する時代。しかし、ブラフシューペリアはその真逆を行く。今回も撮影中に多くの方が「凄い」と足をとめた。バイクに乗る、乗らないにかかわらず、その存在感をアピールした。

画像1: ブラフシューペリア「S.S.100」インプレ(小川 勤)

跨るとかなり腰高。ハンドルは低く、遠く、車体は大柄だ。決して優しくはなく、むしろ少し身構える。セルを押すと997ccの挟み角88度Vツインエンジンは、硬質なパルス感を伴いながらは一瞬で目覚める。

力を必要としないクラッチを握り、ギヤを1速へ。走り出した瞬間、ただのクラシックテイストでないことがわかる。レスポンスは軽く、それでいて神経質さはない。回転をあげれば、鼓動と音が調律し、速さも披露する。

画像2: ブラフシューペリア「S.S.100」インプレ(小川 勤)

ポジション同様、乗り味も優しくはない。ハンドリングはシャープで、特に低中速域ではS.S.100が積極的にバンクしていこうとするため、どうしてもライダーはその動きを止めようと力んでしまうのだ。

しかし、速度域が上がると前輪がステアする動きとライダーの荷重移動が噛み合い、S.S.100の存在が一気に輪郭を持ち始める。その動きは車名通り。スーパースポーツそのものなのだ。

フィオール式のフロントまわりは、サスペンションと操舵系を切り離し、ブレーキング時でも姿勢変化が少なく、テレスコピックにはない安定感を持ったまま旋回に入ることが可能。見た目ほど違和感はない。

画像3: ブラフシューペリア「S.S.100」インプレ(小川 勤)

試乗を終え、眺める。何時間でも見ていられるディテールに惚れ惚れする。ディテールのフィニッシュは、オーナーに委ねられており、その体験は他メーカーではなし得ないものだ。

この思想やディテールに宿る仕上げに触れると、1392万6000円という価格は、自然と意味を持ち始める。

ブラフシューペリア「S.S.100」ライディングポジション・足つき性

シート高:820mm
ライダーの身長・体重:166cm・68kg

見た目よりも長いタンクと低いハンドルにより、ポジションは前傾。上半身はハンドルを押さえがちになるため、意識してリラックスするのが大事。シートも高く、サスペンションも硬いため、両足をつくのは困難。片足をしっかりつきたい。

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