まとめ:webオートバイ編集部
80年代の熱狂、バイク文化を未来へと継承するための『バリ伝』起用
バイク愛と 買取 篇
www.youtube.com「そう来たか、と思いました。鳥肌が立ちました」
『バリバリ伝説』を起用した今回のCM企画案を初めて目にした時の心境を、株式会社バイク王&カンパニーの代表取締役CEO、澤 篤史氏は振り返る 。

株式会社バイク王&カンパニー 代表取締役CEO 澤 篤史氏
昨今のバイク王は芸能人を起用した親しみやすいCMが印象的だったが、今回は「バイク業界そのものを盛り上げたい」という強い想いがあったという 。
数ある提案の中で、澤氏の心を射抜いたのが『バリバリ伝説』だった。ドンピシャの世代ではないものの、自身も愛読していた作品。
しかし、懸念がなかったわけではない。「今の若い世代に『バリバリ伝説』は通じるのか?」という不安だ 。それでも澤氏が決断に至ったのは、クリエイティブチームからの熱い想いもあったようだ。クリエイティブディレクターの松井一紘氏が語る。

株式会社FIELD MANAGEMENT EXPAND クリエイティブディレクター 松井一紘氏
「バイク王さんが大切にしている想いに(バリバリ伝説を起用したプランが)一番合致しているんじゃないか、ド真ん中なんじゃないかと考えて、提案させていただきました」
バイク王といえば「買取」のイメージが強い。しかし、澤氏が目指しているのは単なる売買ではない。
「お客様からお譲りいただいたオートバイを、次のライダーに繋げていく。これは『文化の継承』なんです」と澤氏は語る 。80年代のあの熱狂、あの文化を、現代、そして未来のライダーへと繋いでいく。その象徴として『バリバリ伝説』という作品、そして巨摩 郡というキャラクターに白羽の矢が立ったのだ。
ちなみに、これは社外へのメッセージであると同時に、バイク王社員へのメッセージでもある。「お客様の想いを受け止め、次のライダーに繋ぐ仕事だ」という誇りを、社員にも再認識してほしかったと澤氏は明かす 。
ライダーそれぞれが想いを馳せるための「余白」



今回のCMで特に印象的なのが、そのキャッチコピーだ。
「便利とはほど遠い」「愛がなければ走れない」
利便性やコスパが重視される現代において、あえて「不便」を突きつけるこの言葉。効率だけを求めるなら車に乗ればいい。それでもバイクを選ぶのはなぜか? それはそこに「愛」があるからだ。「便利とはほど遠い」という言葉は、否定ではなく、ライダーへの肯定であり、共感のメッセージなのだ 。
「バイク愛と」というメインのキャッチコピーも印象的だ。あえて「と」で終えて、その先を余白にした理由について、松井氏はこう語ってくれた。
「バイク王がない世界を想像したとき、バイク文化そのものがなくなってしまうのではないか、という想いがありました。バイク王は単に売り買いをしているのではなく、バイクという文化をつないでいる。そこから『バイク愛と』というキーワードに辿り着いたんです」
「バイクに対する想いは人それぞれ、多種多様なもので、一方的に限定するものではありません。キャッチコピーをあえて『と』で止めたのは、皆さんがそれぞれ、そこから先を想像してもらえたら、という『余白』なんです」

株式会社T&T TOKYO アートディレクター トミタ タカシ氏
背景を白く飛ばした「余白」のあるデザインも、見る者に大きなインパクトを与えるもの。これにより、それぞれが「自分がどこにいるのか」「どんな景色の中を走っているのか」を想像できる 。
アートディレクターのトミタ氏は、ビジュアル面での「余白」の重要性を強調する。「今のCMはコンバージョン(成果)を求めるあまり、情報過多になりがちです。しかし今回は、あえて情報を削ぎ落とし、ブランドの人格をシンプルに伝えることに注力しました」

元レーシングライダー 宮城 光氏
この手法には、元レーシングライダー、MotoGP解説などでおなじみの宮城 光氏も驚いていた。
「実在する車両と、実在しない(漫画の)キャラクター。そしてこの余白。見る側が自分の居場所を想像できる、非常にクリエイティブな作品です」

