【LTDの名前が華麗に復活！】カワサキ「W175 LTD」はLTDの“文法”にのっとった由緒正しきアメリカン【世界でがんばる!! 日本メーカーの珍車大図鑑 Vol.25】

カワサキ「W175 LTD」の概要

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歴史あるアメリカンモデルの「伝統」にのっとった造り

カワサキのネオクラシックラインアップの柱であるWシリーズ。日本でもW800、W230が販売されていますが、海外でも根強い人気を誇っています。前モデルにあたる250ccのエストレヤはタイで「W250」として販売されていましたし、2013年からフィリピンで販売された、三輪タクシー向けのバイク「BarakoII」をベースに誕生した「W175」も東南アジアや南米を中心にヒット、バリエーションモデルを展開しながら現地のライダーに愛されています。

そして今回登場したのがこのW175 LTD。W175ファミリーではSE、ストリート、カフェ、トラッカー風のTR、インド向けFI仕様のLに次ぐ、シリーズ6番目となるニューモデルになります。

車名についている「LTD」ですが、これは既存モデルをベースにしたアメリカンスタイルの派生モデルのことを指します。そのルーツは、1976年に登場したKZ900 LTD。Z1の販売にテコ入れをすべく、北米のカワサキがリンカーン工場でZ1をベースに生産した、2000台の限定モデルです。

リアを16インチ化してホイールは前後モーリス製のキャストを採用。段付きシートとプルバックハンドルを装備し、マフラーはジャーディン製のトランペットタイプ、タイヤはグッドイヤー製のイーグルを装着。ブレーキはカワサキ初となる前後トリプルディスクが奢られ、非常に豪華な内容を誇りました。

「LTD」はその後バルカンシリーズなどのクルーザーモデルにとって代わられ、1980年代には姿を消すのですが、今回登場したW175はそれ以来の「LTD」ネーミングの復活モデル、しかもWシリーズ史上初の「LTD」モデルという、歴史の大きな節目になりそうな1台なのです。

マルチリフレクターを採用したヘッドライトや丸形ウインカー、四角いテールランプなどは基本的にベースモデルであるW175と共通。サイドカバーの形状も同じですが、車名下には「LTD」のロゴが赤文字で堂々と入り、存在感をアピール。美しいティアドロップ型のタンクは12.1L容量です。

「LTD」の伝統にのっとり、ハンドルはプルバックタイプを採用。シートも「キング＆クイーン」風の段付きタイプのもの。リラックスしたポジションで走りを楽しめるのはクルーザーならではの魅力です。メーターはオフセットレイアウトのアナログ式で、下部にはツイントリップ、時計、燃料計を表示する液晶モニターが備わっています。

エンジンはW175シリーズ共通の空冷SOHCシングル・177cc。マフラーはブラックアウトされていますがキャブトンタイプのサイレンサーを装備。パワーは13HPと公表されていて、他のW175シリーズとは微妙に違っていますが、おそらくはほぼ同等のパワー感と思われます。もともとフィリピンで三輪タクシーを曳くために生まれたバイクがルーツだけに、粘りは一級品です。

前後ホイールは、かつてのモーリス製を思わせるスポークデザインのキャストホイール。フロントのディスクはΦ245mmのディスク、リアはΦ110mmのドラムで、ちょっと小ぶりではありますが、車重が135kgとそこそこ軽いので、制動力に不満はなし。ちなみにミッションは5速です。

今回のW175 LTDはカワサキ・ラテンアメリカで発表され、いまのところメキシコやニカラグアなど、南米地域で2026年モデルとしてスタンバイしています。あいにく価格はまだ出ていない模様ですが、W175シリーズは比較的日本にも並行輸入されているので、このLTDがやって来る可能性もありそう。伝統ある名前を持った「新世代LTD」を日本の道で楽しめる日も近いかも？

カワサキ「W175 LTD」のカラー・人気投票

カワサキ「W175 LTD」の主なスペック

カワサキ「W175 LTD」の写真

【写真29枚】カワサキ「W175 LTD」29

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