BMC(ブルー・モンスター・クロージング)は、この冬「電熱MA-1」と「防風ジーンズ・ボア」という歴代最強の防寒性能を誇るアウターとパンツをリリースした。その実力はいかほどか? BMC代表・ローリー青野氏とともに、この時期にあえて北へ向かった。最終的に三陸海岸まで行ってみたぞ!
文:西野鉄兵/写真:井上 演、西野鉄兵/ゲスト:ローリー青野
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画像: BLUE MONSTER CLOTHING 電熱MA-1 カラー:ネイビー、オリーブ サイズ:M、L、XL、3L 発売日:2025年11月14日 税込価格:3万4980円 販売店: BMC公式オンラインストア 、 2りんかん(45店舗)

BLUE MONSTER CLOTHING
電熱MA-1

カラー:ネイビー、オリーブ
サイズ:M、L、XL、3L

発売日:2025年11月14日
税込価格:3万4980円
販売店:BMC公式オンラインストア2りんかん(45店舗)

BMCの防寒コーデで北を目指す

BMCにとって2025年は飛躍の年となった。

2024年、バイク用品店の2りんかんにおいて、ジーンズ製品の販売点数がブランド別ナンバーワンに輝いたのだ。すでにバイク用ジーンズブランドとして確固たる地位を築いていたが、2025年は定番を進化させた「シン・ライダーデニム」を発売した。さらにグローブやレインスーツといった、これまで扱ってこなかったアイテムの展開も開始した。

季節ごとの製品展開にも注力しており、夏に大ヒットした「空冷式」シリーズに続き、この冬は「電熱MA-1」と「防風ジーンズ・ボア」をリリース。今回はこの2製品を実走テストする。

画像1: ▲身長175cm・体重75kg。電熱MA-1、防風ジーンズ・ボアともにLサイズを着用。

▲身長175cm・体重75kg。電熱MA-1、防風ジーンズ・ボアともにLサイズを着用。

上下を組み合わせるだけでコーディネートがバシッと決まるのも、BMCアイテムの魅力だ。私はオリーブの「電熱MA-1」とブラックの「防風ジーンズ・ボア」を選んだ。あとは手持ちのブーツとグローブを合わせればいい。

11月下旬の平日早朝。日中は気温が上昇する予報だが、まだ暗い時間帯はそれなりに寒い。昨晩から窓の外に置いていた温度計は9℃を示していた。

関東近郊の冬のツーリングといえば房総や伊豆が定番だが、今回はあえて北へ向かう。BMC代表・ローリー青野さんとは、常磐道・東海PAで待ち合わせをしている。

画像1: BMCの防寒コーデで北を目指す

夜明け前に出発し、首都高から常磐道へ。道は北東へ延び続ける。もっとも寒さが際立つ時間の北進だ。

防風ジーンズ・ボアは穿いた瞬間から温もりを感じられる。自宅で着替える際、脚を通すと自然と笑みがこぼれた。電熱MA-1は、袖を通した瞬間の軽さが嬉しい。「冬用のライディングジャケットは重い」という固定観念がある人は驚くはずだ。

80kmほど走り、茨城県かすみがうら市の千代田PAに入った。吐く息が白い。東京都心とは異なる空気の冷たさを感じるが、まだ電熱機能は作動させていない。

画像2: BMCの防寒コーデで北を目指す

ネイキッドのZ900SEは全身で風を浴びるが、2製品とも防風フィルムが生地内に挟みこまれているため、見た目のカジュアルさからは想像できないほど風に強い。

さらに50kmほど走り東海PAに到着した。ベンチでの休憩中に、初めて電熱MA-1のスイッチを入れた。車載バッテリーだけでなく、市販のモバイルバッテリーでも作動するのが大きな魅力だ。

画像: ▲電熱MA-1はモバイルバッテリーでも稼働する。推奨規格は5V/10000mAh。ケーブルに接続したら、内ポケットに入れるといい。

▲電熱MA-1はモバイルバッテリーでも稼働する。推奨規格は5V/10000mAh。ケーブルに接続したら、内ポケットに入れるといい。

青野さんが愛車のレブル1100T DCTで現れた。私と同じくアウターは電熱MA-1、パンツは防風ジーンズ・ボアを着用している。すっかり陽が高くなり、暖かくなってきた。

画像: BMC代表・ローリー青野 氏 profile|1978年愛媛県西条市生まれ。筑波大学を卒業後、株式会社エドウインに入社。パタンナー部門で洋服づくりの基礎を学んだ後、企画生産部へ移って数々のヒット製品を手掛ける。2015年に独立し、株式会社ブリッツワークスを創業。ほどなく自社ブランドBMC(ブルー・モンスター・クロージング)を立ち上げた。バイク用ジーンズの展開は2020年に開始。現在ではデニム製品に限らず、アウター、シューズ、グローブ、レインウエア、バッグなど多種多様なアイテムを展開中。愛車はホンダ「レブル1100T DCT」・ヤマハ「YZF-R25」・ホンダ「モンキー125」。

BMC代表・ローリー青野

profile|1978年愛媛県西条市生まれ。筑波大学を卒業後、株式会社エドウインに入社。パタンナー部門で洋服づくりの基礎を学んだ後、企画生産部へ移って数々のヒット製品を手掛ける。2015年に独立し、株式会社ブリッツワークスを創業。ほどなく自社ブランドBMC(ブルー・モンスター・クロージング)を立ち上げた。バイク用ジーンズの展開は2020年に開始。現在ではデニム製品に限らず、アウター、シューズ、グローブ、レインウエア、バッグなど多種多様なアイテムを展開中。愛車はホンダ「レブル1100T DCT」・ヤマハ「YZF-R25」・ホンダ「モンキー125」。

「西野さん、中に着こんでませんか? フリースはいらないですよ。テストにならないでしょ」

私の装いを見て青野さんは笑う。私は少々不安になりながらもミドラーを脱ぎ、Tシャツの上に電熱MA-1だけを着た。

画像3: BMCの防寒コーデで北を目指す

そこから常磐道をさらに北上する。青野さんの走る姿を見て、バイクに乗りだした頃の気持ちを思い出した。「バイク乗りはかっこいい」。そんなシンプルな憧れから、私はバイクを選んだのだ。

画像4: BMCの防寒コーデで北を目指す

かつて、ファッションと安全性はトレードオフの関係にあった。私がバイクに乗り始めた20年ほど前、街着で乗れば安全性が犠牲になり、安全性を取ればゴツゴツとしたプロテクター入りのウエアを着るしかなかった。

BMC製品は現代の考え方にしっかりと対応している。電熱MA-1は肩・肘・背中・胸部にプロテクターを標準装備。防風ジーンズ・ボアも膝に位置調整可能なプロテクターを備え、生地自体も3層構造で防護性が高い。ファッションの延長線上で、安心してバイクを楽しめる。

画像: ▲電熱MA-1はアウターの裏地にプロテクターが備わる。

▲電熱MA-1はアウターの裏地にプロテクターが備わる。

画像: ▲防風ジーンズ・ボアの膝プロテクターは外側から出し入れできる。

▲防風ジーンズ・ボアの膝プロテクターは外側から出し入れできる。

海が見えた。柔らかな日差しを受け、北茨城の海はセルリアンブルーに輝いている。気温は上がり、今日の装いでは暑すぎるほどだ。しかし温度計はまだ14℃を指していた。

画像5: BMCの防寒コーデで北を目指す

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電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

ここからは2製品の特徴について触れていこう。

まずは「電熱MA-1」。2025年11月14日に2りんかん限定で店頭販売が開始された。カラーはオリーブとネイビーの2色。どちらもMA-1の定番カラーだ。

最大の特徴は、電熱機構を備えた着脱可能なインナージャケットだ。背中と両胸にインサートされた最新式の電熱パネルは超薄型設計で、着心地への影響は皆無。電源は車載、モバイルバッテリーの双方に対応する。

このインナーは単体でも着用可能だ。そのため、アウターはセットのMA-1だけでなく、手持ちのものと組み合わせることもできる。専用品による“囲い込み”を行なわず、青野さんは「自由に活用してほしい」と話す。

画像: ▲電熱パネルを作動させるスイッチはインナーに備わっているが、アウターの外に出した状態にすることも可能。

▲電熱パネルを作動させるスイッチはインナーに備わっているが、アウターの外に出した状態にすることも可能。

もちろん、アウターのMA-1単体でも価値は高い。中綿と防風フィルムを備え、防寒性は充分。BMCは紳士服メーカーの老舗「ワキタ」に協力を仰ぎ、オーダースーツも手掛けるプロと共同開発した。その仕立ての良さと高級感は、実物を見れば一目瞭然だ。

画像1: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

カッティングはライダー専用設計で、丈を長く設定し、前傾姿勢でも背中が出ないよう配慮されている。リブはウインターグローブとの干渉を避ける仕様。ファスナーは操作性に優れるYKK製を採用した。

肩口にはアイコニックなユーティリティポケットを配備。シガレットポケットとも呼ばれ、実際にタバコが入るサイズになっている。

画像2: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

フロントポケットの容量の大きさも特長だ。片方に500mlのペットボトルが2本入るほど。深底でボタン付きのため、スマートフォンも安心して入れられる。

画像3: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

続いて「防風ジーンズ・ボア」。BMCの「防風ジーンズ」シリーズ3作目となる2025年モデルは、名称通り“ボア”が加わった。

画像4: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

裏地全面に配されたボアは、前年モデルより厚みを大幅に増し、保温性を向上させた。その上に防風フィルム、デニムを重ねた3層構造だ。一般的なデニムの3倍近い厚みがあるが、特筆すべきは「動きやすさ」である。

すべての素材がストレッチ性を備えているため、開脚も膝曲げもストレスがない。この運動性の高さには驚かされた。

青野さんは「素材も進化しています。ひと昔前のバイク用防寒パンツは硬くて辛いものが多かったですが、そういった経験がある人ほど感動していただけるはずです」と語る。

画像5: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

膝にはプロテクターポケットに加え、使い捨てカイロ用のスペースも設けた。貼るタイプ貼らないタイプを問わずフルサイズのカイロも入り、膝を重点的に温められる。

BMC製バイク用ジーンズのアイコン「スマホポケット」はもちろん装備。

ヒップポケットは深底で外側に配されているため、ロングウォレットも安心して入れられる。このヒップポケットの裏地にもボアは備わる。常時お尻の保温性を高めつつ、手を入れたときに温もりが感じられる。

画像6: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

腰まわりのベルトが浮かない設計もBMCならでは。冬はシャツがめくれるのも防いでくれるため、とくに嬉しい。

さらに、防寒パンツには珍しく、膝裏に通気孔(ベンチレーションホール)が設けられた。

画像7: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアの特徴をチェック

「サンプル段階ではこの通気孔はありませんでした。そうすると本当に寒い日以外、暑すぎちゃうんですよ」と青野さんは笑った。このホールこそ、今作の防寒性における自信の表れといえる。

実際にバイクを下りて暖房の効いた室内を歩くと、すぐに暑さを感じる。しかし同時に通気孔から熱気が膝を曲げるたびに排出されるのも体感できた。バイクで走っている際は、孔があることで寒風が入り込んでくる感覚はない。孔の配置箇所や大きさが絶妙なのだ。

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電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアを使ったコーディネート例

私はオリーブの電熱MA-1に、ブラックの防風ジーンズ・ボア、革のエンジニアブーツを合わせた。

「王道の組み合わせですよね。シンプルですが、おしゃれに見えますよ」と青野さんはおだててくれる。簡単に様になり、街歩きも違和感がないが、バイク乗りらしさもしっかり香る。

一方の青野さんは、ネイビーの電熱MA-1に「濃色USED」カラーの防風ジーンズ・ボア、足元はシルバーのスニーカータイプという上級者コーデ。インナーのシャンブレーシャツや、MA-1の裏地のオレンジがネイビーによく映える。ともすればミリタリー感が強くなるMA-1を、上品に着こなしていた。

「正直言って、ネイビーのMA-1はオリーブに比べると難しいアイテムです。だけどおしゃれを楽しむ方には人気があります。上手く遊んでほしいですね」と青野さんは話す。

開発にあたって苦労したことを尋ねてみた。

「電熱MA-1は、インナーとアウターを組み合わせた状態でも、それぞれ単体でも成立させることにとにかく苦労しました。サンプルはいくつも作りましたよ。合体させる方法もそうですけど、サイズ感の調整に頭を悩ませました」

ただでさえ丈を長めにして、スタイリングのよさを維持しなければならないバイク用のMA-1。それに電熱機構を備えたインナーを組み合わせている。しかも、それぞれ単体で着てもかっこよく見えるということは譲れなかった。

「防風ジーンズ・ボアは、ボア生地の厚みの設定が最後までこだわったポイントです。抜群の暖かさと綺麗なシルエットの両立、さらにサイズ感をBMCの他製品と統一させること、これらを突き詰めました」

BMCは製品ラインナップの総数が多いブランドではない。すべての製品に青野さんのこだわりや哲学があり、開発とテスト期間が長く取られているからだ。

それゆえにコアなファンは多い。新製品が発売されるたびに当たり前のように購入するヘビーユーザーと、その人たちの生の声によりブランドが支えられているともいう。

画像: 電熱MA-1&防風ジーンズ・ボアを使ったコーディネート例

「だから、サイズ感の統一は絶対条件なんです。たとえば空冷式ジーンズのLサイズを買ってくれた人は、この防風ジーンズ・ボアもLサイズがちょうどいい。そうなっていないとダメじゃないですか」一度サイズが分かれば、その後の製品も安心して購入できる。2りんかんでは試着も可能だ。自身に適したBMCのジーンズとアウターのサイズは把握しておいて損はない。

「防風ジーンズ・ボアは本当にサンプルが山のようにできました。誰にも合わないサイズのものもできちゃって、困りましたよ(笑)。けど自信をもって、冬も楽しむライダーに送り出せるものが完成しました」

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冬は鍋! ツーリングの続き

北茨城を目指したのは、単に北へ向かいたいという理由とともに、ご褒美が欲しかったからでもある。

このあたりの冬の名物は、常磐沖で獲れるアンコウだ。食事処「大浜丸 魚力」に向かった。

画像1: 冬は鍋! ツーリングの続き

青野さんは「食べたことあると思うけど、あんまり記憶にない」とのこと。私は以前ここで初めて食した「どぶ汁風あんこう鍋」に感動した。

この鍋とは、およそ8年ぶりの再会。あん肝を溶かしたスープは、独特の風味は何とも形容しがたい。口の中いっぱいに濃厚な旨味エキスが充満する。これこれ! と思いながら、いったいアンコウのどの部分なのかも分からないかたまりを口へ運ぶ。

冬は寒いけれど、食が楽しみになる季節。寒風にさらされ続けるライダーは、温かい汁物をより美味しくいただける特権を持つ。

画像2: 冬は鍋! ツーリングの続き

その後さらに少しだけ北上し、県境を跨いだ。福島県に入り、無事東北地方に到達した。

ウエアの防寒性能しだいで、バイク乗りの冬の選択肢は大きく変わる。

「何だか楽勝でしたね」と青野さん。時期にしては暖かい日だったが、それでも11月下旬、ウエアの勝利といえるだろう。

青野さんは走行中、テストのために電熱スイッチを入れていたが、私は使わずじまいとなってしまった。青野さんとはここで解散する。私はもう少しツーリングを続けたいと思った。ひとりでさらに北を目指した。

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延長戦! 真冬の寒さで真価を体感|正直レビュー

青野さんと別れた後、国道6号線を北上した。日没とともに気温は急降下し、翌日は寒波到来の予報。日中とは別世界の過酷なテストとなった。

夜の国道、とくに仙台周辺の寒さは厳しかったが、支えてくれたのは電熱MA-1の電熱パネルと、防風ジーンズ・ボアの膝ポケットに入れた使い捨てカイロだった。

画像: ▲電熱MA-1のスイッチは+60℃で赤・+50℃で橙・+40℃で白といった具合に、光で設定温度を示す。夜間の走行でも設定温度がひと目で分かるのが嬉しい。

▲電熱MA-1のスイッチは+60℃で赤・+50℃で橙・+40℃で白といった具合に、光で設定温度を示す。夜間の走行でも設定温度がひと目で分かるのが嬉しい。

Z900SEから電源を取った電熱MA-1は、バッテリー残量を気にせずフルパワー(最大+60℃)で使用可能。「着るコタツ」というキャッチコピー通り、上半身を熱で包み込んでくれる。発熱位置が的確で、カイロのようにズレたり硬くなったりすることもない。

翌朝、宮城県石巻市のホテルで目覚め、窓を開けると鋭い冷気が入り込んできた。最低気温2℃、最高気温9℃と地元局のテレビが伝えている。私にとって今季一番の寒さだ。

画像: ▲宮城県石巻市の漁港にて。

▲宮城県石巻市の漁港にて。

5℃前後の環境下、牡鹿半島のコバルトラインへ向かう。さすがにインナーがTシャツ一枚では厳しいため、フリースのミドラーを追加し、首元にはマフラーを巻いた。青野さんが「MA-1というスタイルの特性上、首元は弱点です」と認めていた点をカバーするためだ。

画像: ▲牡鹿半島のコバルトライン。日影でも日中は問題なく耐えられた。

▲牡鹿半島のコバルトライン。日影でも日中は問題なく耐えられた。

このレイヤリングは効果てきめんで、電熱パネルの熱を逃さず、日中の9℃前後では暑いと感じるほどだった。

ジーンズのスマホポケットをはじめとする各ポケットには、前夜に使って硬くなってしまったが、まだ発熱を続ける使い捨てカイロを入れた。これも効果が大きく、各所を強力に温めてくれる。

画像: ▲牡鹿半島の十八成浜ビーチパークにて。午後はよく晴れた。

▲牡鹿半島の十八成浜ビーチパークにて。午後はよく晴れた。

もっとも過酷だったのは帰路の常磐道だ。陽が沈んでから、はじめに耐えられなくなったのは手の指先、次に足先。グローブと靴下を使い捨てカイロで補強すると、いよいよ脚全体に寒さを感じた。上半身は電熱効果もあって震えるほどではないが、ほのかに肌寒い。

朝から何時間もネイキッドで走り続けているのだから無理もない。経験上、どんなに装具を整えても 5℃以下の環境での走行はつらい。問題はどのくらいの時間を連続走行できるかだ。

福島県から茨城県北部の区間は、完全に凍えるのを避けるため、小一時間ごとにSA・PAで身体を温めた。

今回はテストのため高機能アンダーウエアは着用していなかった。下半身は下着のパンツの上に、防風ジーンズ・ボアだけ。上半身は電熱MA-1の下にはTシャツと防風性能のないフリースを着用し、マフラーを巻いたのみ。上下のレイヤードを工夫すれば、一度の走行時間をかなり伸ばせるはずだ。

画像: ▲写真は行きに青野さんと走ったヒトコマ。

▲写真は行きに青野さんと走ったヒトコマ。

水戸を過ぎて空気が緩むと、まるで寒さを感じなくなった。常識的なツーリングや通勤・通学なら、真冬でも「電熱MA-1×防風ジーンズ・ボア」の組み合わせで充分すぎる性能を発揮するだろう。

2日間で900kmほど走って気づいたのは、確かな防寒性能に加え、ウエア由来の疲れがまるでないことだ。軽くて動きやすいこのセットアップなら、冬でも縮こまることなく、アクティブにバイクライフを楽しめる。

総合的に見て、電熱MA-1も防風ジーンズ・ボアも極めてコストパフォーマンスは高いと断言できる。すでにサイズやカラーによって、欠品も出始めているという。おしゃれで暖かく動きやすい、この2製品を入手するなら、すぐに行動を。

文:西野鉄兵/写真:井上 演、西野鉄兵/ゲスト:ローリー青野

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