まとめ:松本正雅
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イタルジェット「Roadster400」の概要

ITALJET
Roadster400
EICMA2025参考出品車
ユニークなメカニズムで注目を集めるイタルジェットが今回EICMAで初公開したモデルが「Roadster400」。代表作の「ドラッグスター」シリーズが持つ近未来的なイメージではなく、どことなく懐かしさを感じさせる、流線形の優美なフォルムを持つボディカウルが特徴的な1台だ。

ただ、クラシカルなのは外装イメージだけで、メカニズムはこれまで以上にユニークだ。ドラッグスターにも採用されている、片持ち式のスイングアームを備えたフロントセンターハブステアリングシステムは今回進化してDLAS (Dynamic Linkage Articulated Steering)となっている。フロントのブレーキキャリパーはニッシン製のラジアルマウントで、フロントホイールキャリアに直付けという大胆な構成を採用。ブレーキディスクはペータルタイプで、ホイール径ギリギリまで大型化されている。

メインフレームはドラッグスター同様のスチールトレリス。フロントスイングアームからリンクを介してマウントされるフロントサスペンションはオーリンズのフルアジャスタブルショック。トラスセクションの中には燃料タンクがむき出しのままマウントされる。

エンジンは394ccの水冷シングル。ドラッグスターシリーズでは300がトップモデルだったが、今回はさらに大きなエンジンを搭載する。最高出力は41.5HP/7500rpm、最大トルクは30.3lb-ft(約4.19kg-m)/7500rpmと発表されており、パワーは申し分なさそうだ。


クラシカルな造形の大型テールカウルの入り口にはエアインテークが大きく口を開けており、その内聞委はラジエターが収まっている。この「Roadster400」はサイドラジエター方式を採用しており、ラジエターはボディ左右にマウントされている。LEDのテールランプはテールカウルエンドに沿って細身のものをマウントする。

マフラーはアクラポヴィッチ製のツインエキゾーストで、サイレンサーはなんとシート下を通ってアップマウントされる。リアショックはリンクを介してマウントされるオーリンズ製のピギーバック式ユニットで。リアビューは一度見たら忘れられないルックスとなっている。

懐古的なスタイリングながら中身はアバンギャルド。イタルジェットらしい新機軸を打ち出した新型「Roadster400」は、一見ショーのために造られたコンセプトモデルのように見えるが、イタルジェットではこれをそのまま市販化する考えで、2026年の9月以降の発売を目論んでいる。欧州のメディアによると、想定価格はおよそ7500ユーロ(約132万7113円)。細かい諸元はまだ未発表、日本に導入されるかも不明だが、今後の情報に注目したい。
イタルジェット「Roadster400」の写真
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