まとめ:松本正雅
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CF MOTO「V4 SR-RR PROTOTYPE」の概要

CF MOTO
V4 SR-RR PROTOTYPE
EICMA2025(ミラノショー)参考出品車
CF MOTOの「本気」が詰まった最高峰スーパースポーツ

EICMA2025会場で話題をさらっているマシンのひとつが、このCF MOTOの「V4 SR-RR PROTOTYPE」。見ればひと目でその戦闘力の高さが分かる、本格リッタースーパースポーツだ。
CF MOTOと言えばMoto2やMoto3にも参戦しており、いずれMotoGPにも挑戦するのでは…と言われているメーカー。このプロトタイプはそんなCF MOTOのレーシングマインドが凝縮したかのような1台だ。しかも、驚くべきことに、このマシンはヘッドライトを備えた、公道も視野にいれたマシンなのだ。






スタイリングは見るからに戦闘的。CF MOTOの新しい哲学「Dynamic Precision(動的精度)」を体現し、空力効率を徹底的に追求。大きなウイングレットを備えたフロントカウルは高速域での安定性を確保しつつ、CF MOTO独自のレーシングイメージを際立たせている。

しかも、このウイングレットは「アクティブエアロ」仕様で、なんとウイング部分が電動で可変するのだ。走行中に最適なダウンフォースとエアロダイナミクスを得られるよう、航空機のフラップのようにウイングが作動する構造で、ショー会場ではデモンストレーションも行われていた。

搭載されているエンジンは完全自社開発・新設計のV4ユニット。CF MOTOがこれまで培ってきたKTMとの提携技術をベースにしつつも、今回のV4ユニットは完全自社開発。逆回転クランクを採用し、排気量は997cc。最高出力は210HPオーバーと予告されている。高回転域での伸びと中速域のトルクを両立し、公道からサーキットまで幅広く対応できる設計思想だという。
これを搭載する車体も非常にコンパクトで軽量。フレームやスイングアーム、ホイールなど一部にカーボンコンポジット素材を使用し、軽量化と剛性バランスを最適化。乾燥重量は200kgを大きく下回ると見られる。これによりパワーウェイトレシオは1馬力あたり1kgを切っており、最高速は余裕で300km/hを超えると発表されている。

装備も最新のスーパースポーツたちに引けを取らない内容だ。ライディングモード、コーナリングABS、トラクションコントロール、クイックシフターなどを統合制御するプラットフォームを採用。サスペンションはオーリンズ製のフルアジャスタブル、ブレーキはブレンボ製キャリパーを装備、エキゾーストはアクラポヴィッチ製を採用している。

今回のプロトタイプは、Moto2やMoto3などのレース活動と直結する技術的進化の象徴と言え、近い将来このマシンをベースにした量産スーパースポーツが登場する可能性は極めて高い。すでに「675SR-R」など、スーパースポーツも投入しているCF MOTOは、欧州ではすでに高い評価を得ているメーカーだけに、世界のスポーツバイク市場に本格参入する日も近そうだ。
CF MOTO「V4 SR-RR PROTOTYPE」の動画・写真
CFMOTO V4 SR-RR PROTOTYPE | The next-generation Supersport | Engineered for perfection
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