2025年10月24日から24日にかけて、セパン・インターナショナル・サーキットにてMotoGP第20戦マレーシアGPが行われた。

古里太陽がレースを引っ張りMoto3クラスで初のトップチェッカー

今大会はレース前に重大なアクシデントが発生するという波乱の幕開けとなった。サイティングラップ中に今年のチャンピオンを決めているホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)がノア・デットウィラー(CIP Green Power)に追突してしまうというアクシデントが発生。

このクラッシュにより、ルエダとデットウィラーはヘリコプターで病院に運ばれた。ヘリコプターはサーキットに常駐していなければレースを行うことができないため、2名を運んだヘリコプターが戻るまで、レースは赤旗中断となった。

レース後、ルエダが所属しているRed Bull KTM Ajo、そしてデットウィラーが所属しているCIP Green Powerがそれぞれ声明を発表。ルエダは意識がはっきりしており、容態は良好であるものの、手の骨折、さらには重い脳震盪を起こしていたという。

そして追突された側のデットウィラーについては、現時点で(10月27日現在)複数回の手術を受ける必要があるという情報だけが発表されている。

レース再開には長い時間を要したことから、Moto3クラスの周回数は10周に減算されて行われることに。

動揺が広がる中、10周のレースが行われた。自己最高位となる2番グリッドからスタートした古里太陽(Honda Team Asia)が好スタートを決め、ホールショットを奪う。ポールポジションスタートのダビド・アルマンサ(Leopard Racing)、マキシモ・キレス(CFMOTO Power Electronics Aspar Team)、アンヘル・ピケラス(FRINSA - MT Helmets - MSI)が続き、11番グリッドスタートの山中琉聖(FRINSA - MT Helmets - MSI)はオープニングラップで7番手までポジションを上げた。

初日から2日目にかけて他のライダーよりペースが優れていた古里だったが、序盤は逃げることができず、先頭集団は10台以上の大集団に。

一時ポジションを奪われる場面もあった古里だったが、先頭の座を明け渡すことなく周回。そんななか、2番手争いが激しくなったことで、古里と2位以下のギャップが広がっていく。

画像: 初日から速さを見せていた古里が決勝でも速さを見せた。

初日から速さを見せていた古里が決勝でも速さを見せた。

運にも恵まれた古里だったが、レース中盤にはファステストラップを刻む走りを披露し、1秒以上の差をつけた。ストレートでスリップストリームを使われない状況を作り出した古里。2番手に上がったグイド・ピニ(LIQUI MOLY Dynavolt Intact GP)がペースを上げるも、古里も同じペースで周回したことでギャップは縮まらなかった。

そして残り2周の最終コーナーで2番手のピニが転倒。これにより1.8秒差のマージンを築いた古里がトップチェッカーを受け、フル参戦4年目にしてGP初優勝を達成した。

2番手を争うバトルは最後まで続いたが、最終的にはピケラスが2位、アドリアン・フェルナンデス(Leopard Racing)が3位に入った。

スタートでポジションを上げた山中は先頭集団でレースを行い、最終的に5位でフィニッシュ。日本人ライダーが2名揃って上位入賞を果たしている。

2025 Moto3第20戦マレーシアGP決勝結果

画像: ピケラス、フェルナンデスとランキング上位勢を抑えての初優勝。

ピケラス、フェルナンデスとランキング上位勢を抑えての初優勝。

画像: resources.motogp.com
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レポート:河村大志

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