ブレガがレース1を制しタイトル争いは日曜日まで持ち越し
今季最後となったスーパーポールでは、逆転を狙うニッコロ・ブレガ(Aruba.it Racing - Ducati)がオールタイムレコードを更新する圧巻の走りでポールポジションを獲得。ラズガットリオグルは2番グリッド、サム・ロウズ(ELF Marc VDS Racing Team)が3番グリッドに並んだ。
気温29度、路面温度30度のドライコンディションのなか、20周のレース1がスタート。ポールシッターのブレガが好スタートを切ると、早くもリードを築いていく。ラズガットリオグルは2番手につけるも、オープニングラップのバックストレートエンドのヘアピンで走行ラインがワイドになってしまい3番手に後退してしまった。

圧倒的な速さを見せたブレガ。
すぐに挽回してトップのブレガを追いたいラズガットリオグルだったが、2番手に上がったアンドレア・イアンノーネ(Team Pata Go Eleven)のブロックにあってしまい、2周目にしてブレガとのギャップは2秒にまで広がってしまった。
2周目のバックストレートでイアンノーネをパスしたラズガットリオグルだったが、ブレガのペースが非常によくギャップは広がる一方に。ポイントで優位に立っているラズガットリオグルはリスクを犯すことはせず、以降は2位キープに努めることになった。
4秒以上の差をつけたブレガがトップチェッカーを受けポールトゥウィンを達成。ラズガットリオグルが2位に終わり、両者の差は34ポイントに。この結果、タイトル決定は日曜日に持ち越されることになった。
3番手争いはイアンノーネを先頭に、アレックス・ロウズ(bimota by Kawasaki Racing Team)、シャビ・ビエルへ(Honda HRC)がバトルを繰り広げていた。しかし、後方からポジションをあげてきたアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing - Ducati)がイアンノーネらをオーバーテイクし3位に浮上。3位集団を振り切って3位表彰台を獲得している。
2025 スーパーバイク世界選手権第12戦 レース1 結果


レース2までもつれ込んだタイトル争いはラズガットリオグルが制し連覇達成!
運命の日曜日を迎えた20205年シーズン。気温23度、路面温度21度のドライコンディションのなか行われた10周のスーパーポール・レースでは、まさかの事態が起こった。
このレースでタイトルが決まる可能性が高かったラズガットリオグル。しかし、オープニングラップのターン5で、イン側からライバルのブレガに当てられ転倒を喫してしまったのだ。
この接触によりブレガにはロングラップペナルティが科されたが、すでに十分なマージンを稼いでいたブレガはトップのまま復帰し、そのまま優勝。タイトルコンテンダー同士の接触というショッキングなアクシデントが発生した結果、両者のポイント差は22ポイントに縮まり、タイトル決定は正真正銘最後のレースとなるレース2にまでもつれることになった。
2位にバウティスタ、3位にはイアンノーネが入り表彰台を獲得している。
そして、今大会でスーパーバイクから引退となるジョナサン・レイは、1周目の3コーナーでレミー・ガードナー(GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team)とともに転倒。このアクシデントで右ヒザを負傷したレイにドクターストップがかかってしまい、ラストレースとなるレース2を走ることができなくなってしまった。
すべてが決まるレース2は、気温27度、路面温度30度のドライコンディション。ラストレースに出走することが叶わなかったレイだったが、数々の功績を称えるべく、レース前にセレモニーが行われた。
20周のレース2がスタートすると、2番グリッドスタートのバウティスタが好スタートを切りトップでターン1に侵入。しかし、好調のブレガが2周目にトップを奪い返し、ファステストラップを刻み独走体制に入った。
一方、スーパーポール・レースの結果により10番グリッドからのスタートとなったラズガットリオグルはポジションを上げていき、3番手争いを行っていたビエルへやアンドレア・ロカテッリ(Pata Maxus Yamaha)、アレックス・ロウズらを攻略。9周目に3番手に浮上すると、タイトルを決めるべく順位をキープする走りに切り替えた。
中盤までにチームメイトを寄せ付けない走りを披露したブレガは、終盤ペースを落としトップチェッカー。ハットトリックを達成し、シーズンを締めくくった。
2位にはバウティスタ、そして3位にはラズガットリオグルが入り、連覇達成。スーパーバイクでは3度目となる世界王者に輝いた。マニュファクチャラーズタイトルはドゥカティが獲得している。

SBK最終年を3度目のチャンピオン獲得で締め括ったラズガットリオグル。
絶対王者が去り、新たな時代に突入するスーパーバイク世界選手権。移籍が活発に行われ、予測不能なシーズンといえる2026年はいったいどんなドラマが待っているのだろうか。オフシーズンもスーパーバイクから目が離せない
2025 スーパーバイク世界選手権第12戦 スーパーポール・レース 結果


2025 スーパーバイク世界選手権第12戦 レース2 結果


レポート:河村大志