まとめ:松本正雅
ヤマハ「GT150 FAZER」の概要

YAMAHA
GT150 FAZER
販売国:中国
総排気量:149cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:800mm
車両重量:126kg
現地価格:1万3390元
※約27万7230円

XSRとはちょっと違う。どこか懐かしい、前後18インチのスクランブラー
前回はホンダのクラシックシングル、CGX150をご紹介しましたが、今回ご紹介する、ヤマハのGT150フェーザーも同じくレトロスタイルのモデル。こちらも150ccクラスのバイクで、発売国はCGXと同じく中国であります。
中国ヤマハの製品紹介ページを見ると、このフェーザーのページであちこちに目立つのは「越野感」の文字。直訳すると「クロスカントリー感」とでも言いましょうか…。要するにこのバイクはクロスカントリーイメージ、すなわちスクランブラースタイルだ、ということなワケです。

YAMAHA
FAZER FZ15
ではなぜ「フェーザー」なのか?
その答えはこのバイクが知っています。同じヤマハのフェーザーFZ15。いわゆるスポーツネイキッドで、ブラジルで販売されています。このフェーザーFZ15のと同系統の空冷シングルを、このGT150フェーザーも搭載しているわけです。

ちなみにこの空冷シングルエンジン、ブラジルだけでなくインドでも大活躍。同じくスポーツネイキッドの「FZ」シリーズに採用され、幅広いラインアップを誇ります。パワーは約12.4PS。ライバルのCGXよりちょっと高回転型のユニットです。
そのうちご紹介しますが、インドではFZシリーズは実に8機種を展開! しかもみんなベースエンジンが一緒で8機種中6機種がデザインそっくり! という「おそ松くん」みたいなモデルです。つまりこのエンジンは世界中で大活躍しているわけですね。



2023年のデビュー当初は4色あったボディカラーも、いまでは「夢幻黒」という名のブラック1色のみ。ただ、前後18インチのホイールがゴールド仕上げで、スポークデザインもクラシカルなので、なんとなく往年の「ミッドナイトスペシャル」っぽい配色でなかなか精悍。ちなみにブレーキはこのクラスとしては豪華な部類になる前後ペータルディスクです。




テールランプやモノクロ液晶メーターのデザインやレイアウトはXSRシリーズによく似ています。しかし、ワイドでフラットなハンドルバーや、サイドカバーのゼッケンプレート風デザインはスクランブラーらしいデザインで、ワイルドな演出にひと役買っています。

YAMAHA
GT50(1972)
かつてヤマハには「ミニトレ」と呼ばれ愛されたトレールモデルがありました。それがGT50/80。どことなくですが、GT150フェーザーのタンク形状あたりには、そんな「GT」の面影が見え隠れもしています。
GT150フェーザーのお値段は現地価格で27万7230円と、CGXよりちょっとお高めですが、XSRとはひと味違う、ネオレトロ・スクランブラーというのも魅力的。XSR125がある日本での正規発売はハードル高そうですが、並行輸入で日本にも少数入ってきているようなので、気になる人は探してみるのもいいかもしれません。
ヤマハ「GT150 FAZER」の主なスペック・製造国・価格
全長×全幅×全高 | 2015×795×105014mm |
ホイールベース | 1330mm |
最低地上高 | 175mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 126kg |
エンジン形式 | 空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 149cc |
ボア×ストローク | 57.3×57.9mm |
圧縮比 | 9.6 |
最高出力 | 9.1kW(12.4PS)/7500rpm |
最大トルク | 12.4Nm(1.26kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 12.5L |
変速機形式 | 5速リターン |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 90/90-18 51P・100/80-18 59P |
乗車定員 | 2名 |
製造国 | 中国 |
現地価格 | 1万3390元(※約27万7230円) |