タイトルコンテンダー2名とバトルを展開した古里
前日に行われた予選ではダビド・アルマンサ(Leopard Racing)が初のポールポジションを獲得。2番手にジョエル・ケルソ(LEVELUP-MTA)、3番手にはランキング2位のアンヘル・ピケラス(FRINSA - MT Helmets - MS)がつけた。
山中は予選で5番グリッドを獲得。しかし、Q1におけるスロー走行が審議対象となり、グリッド降格ペナルティの裁定が下る。2列目を獲得したはずの山中だったが、決勝は最後尾26番手からのスタートとなった。
ランキング首位のホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)は7番グリッド、古里は11番手グリッドからスタートする。
18周の決勝レースはポールシッターのアルマンサがホールショットを奪うが、ケルソ、ダビド・ムニョス(LIQUI MOLY Dynavolt Intact GP)らと激しいバトルを演じていく。
ルーキーながらアルマンサはバトルを制して先頭を引っ張っていく。後方では古里が上位勢に喰らいつき、4周目には早くも6番手につける。

強烈なブレーキングを武器に序盤から先頭集団に喰らいつく古里。
集団から抜け出すことはできないが、アルマンサはトップをキープしたまま周回を重ねていく。その後ろではアルマンサと同じくルーキーのマキシモ・キレス(CFMOTO Gaviota Aspar Team)そしてピケラスが背後に迫る。
先頭集団でポジションを上げていく古里はブレーキングが強く、8周目にはついに表彰台圏内となる3番手に浮上。そして最後尾からスタートした山中も先頭集団の最後尾に追いついてみせた。
ランキングトップのルエダは山中同様に予選中のスロー走行によりレース中のロングラップペナルティが科され、一時15番手にまで後退。しかし着実に追い上げていき、11周目にはアルマンサをパスしトップに浮上した。
ルエダ、ピケラス、古里の順でファイナルラップに入っていく。タイトル争いでルエダの前に出たいピケラスはターン1でブレーキング勝負を仕掛けトップに浮上。さらに古里も続き2番手に上がった。
ピケラス、古里、ルエダの順で最終コーナーに突入。3番手のルエダは最終コーナーで鋭い飛び込みをみせ古里をオーバーテイクし土壇場で2番手に浮上した。
しかしピケラスはトップを死守しトップチェッカー。ルエダの前でチェッカーを受けることに成功した。ルエダはファイナルラップでトップの座を奪われるも、最終コーナーでみせたオーバーテイクにより2位を獲得、3位には古里が入り今季2度目の表彰台を獲得した。
山中も6番手を走行も、最後尾からの追い上げによりタイヤの摩耗が厳しくなったのか最終的には9位でフィニッシュ。しかし、ポジションを12も上げた激走は今後につながるに違いない。
次戦は9月12日から14日にかけて行われるサンマリノGP。そして9月26日から28日にはいよいよ日本GPがモビリティリゾートもてぎで開催される。今大会を含め、古里と山中は着実に速さをみせている。特に今回の古里はブレーキングでの勝負強さが際立っており、この強みはストップアンドゴーであるもてぎで有利に働くに違いない。
カタールGPでみた日本人2名による表彰台登壇。日本でも同じ光景がみられるかもしれない。
2025 Moto3 第15戦カタルニアGP 決勝結果

今季2度目の表彰台を獲得した古里。

レポート:河村大志