空冷エンジンの味方、ユニルオパールの10W-60 RACING
自分の場合だけど、CT125・ハンターカブ(JA55)って普通に舗装路を走行してる分には、そこまで油温上昇することはないんだけど、林道走行してるとかなり油温が上がりがちなんですよ。110度を越えそうになってエンジン冷やしつつだましだまし走ったことも。
ハンターカブ(JA55)って社外オイルクーラーの選択肢もほとんどないし、オーバーヒート対策が難しいんですよ。正確には、オイルクーラーは存在するけど、オイルライン取り出しのハードルが高いのよね。JA65ならキタコのオイルクーラーがあるんだけど。
そうなるとオイルのチョイスで何とかするしかないわけで。
で、ちょうどレースイベントでユニルオパールさんがブースを出してたので相談してみたところ、勧められたのがユニルオパール10W-60 RACING。
オイルの粘度って、前側の数字が低温時性能で、後の数字が高温性能。
なので10W-60ということは、低温時は割と一般的な柔らかさで高温時に強いって感じ。
とはいえ、やっぱり10W-60というと、今まで使ってきた10W-40とか10W-50よりも硬い印象があるんですよね。詳しく聞いてみると空冷系のエンジンでは定番のグレードらしい。特にヨーロッパではドゥカティの定番グレードオイルだとか。
ちなみにユニルオパールって、ヨーロッパのメーカー指定オイルとしての歴史があるのよ。日本だとまだ知る人ぞ知るオイルって感じだけど、カブレースとかでも実績あり。あと、オイルのスペックを公表してるのも自信の表れって感じ。オイルのスペックを公表してるメーカーって意外と少ないのよね。
高性能オイルとしてはリーズナブルな部類だし、だめだったら10W-50あたりに戻せば良いし。とりあえず今回はユニルオパール10W-60 RACINGでJA55のオーバーヒート対策をしていくよ。

ハンターカブ(JA55)のエンジンオイル交換
まずはエンジンオイルを交換していくよ。
必要なもの
エンジンオイル交換に必要なものは、オイルパン(オイル受け)、オイルジョッキ、あとオイルを測るための計量カップ。
計量用のカップは、ホームセンターで購入した塗装用のものを愛用してるよ。

塗装用のカップ、たぶん使い捨てのものかな。ぺらぺら。
オイルジョッキは、カブシリーズの場合は1リットルとかの小さいサイズが使いやすいよ。ただ、結構オイル注ぎ口が小さくて、ジョッキの先端が入らないことがあるんですよね。
そこで最近購入したのがこれ、オイルファンネル。いわゆるジョウゴ。先端が細いので塩梅が良さそうなのよ。

オイルを受けるためのオイルパン。自分はキタコのを愛用してる。コンパクトで良い感じ。
キタコ(KITACO) オイルドレンパン プラスチック製 2リットル 674-0200200
amzn.toあとは、ドレンボルトを外すために17mmのメガネレンチとトルクレンチ、オイル処理用の袋、ドレンワッシャーも新品を用意しておこう。
純正ドレンワッシャーの品番は90407-259-000ね。
ホンダ純正 ドレンコックパッキン 90407-259-000
amzn.toオイル交換をしてみる
まずはエンジンをかけてオイルを柔らかくしておくよ。

ざっとエンジンがあったまったら、エンジンを切ってドレンボルト下にオイルパンをセット。

そしたらドレンボルトを外すよ。自分の場合はドレンボルトに油温計センサーがあるのでちょっと面倒だけど、センサーがなければメガネレンチで外すだけ。

コツとしてはある程度緩めたら、手で押し付けるようにボルトを緩めていって、ボルトが外れたギリギリのところでひょいって抜く感じ。
そしたらジャーっと出てくるよ。MOTUL 300Vを入れてたので、緑色。

オイルフィラーキャップを開けてオイルの出を良くしたり、さらに車体を左右にゆすってオイルをできるだけ出しきっておくよ。

オイルが出るのを待つ間に、ドレンボルトを掃除したり、新しいドレンワッシャーを準備していこう。
オイルを出し切ったらドレンボルトを元に戻しておくよ。トルク値は24.0Nm。
ハンターカブ(JA55)のオイル交換は通常交換で700ml。なので、軽量カップに700ml出しておこう。

オイルファンネルをセットするよ。

そしたら、オイルファンネルが外れたり、あふれだしたりしないよう、丁寧に注ごう。

規定量注いだら、オイルレベルゲージで量をチェック。JA55はオイル注ぎ口とオイルレベルゲージが別のところにあるのよね。ここね。

オイルレベルゲージをぬぐって、差し込んでチェック。差し込むときはねじ込まずに差し込むだけね。

格子縞の範囲内にオイルが付着してればOK。足りなければ注ぎ足し。

オイル量が適正になったら、一度エンジンをかけてみたり、再度オイル量チェックしたり。
くれぐれもドレンの締め忘れは気を付けてね。
ユニルオパール 10W-60 RACINGを入れた感想
10W-60ともなると結構硬いと思うので、まずはシフトチェック。硬いオイルを入れるとシフトが入りずらくなったりするのよね。
しかも自分はZETAのリボルバーシフトにしてるので、純正シフトペダルよりもオイル粘度の影響を受けやすいのよ。
で、かなり意地悪に色々試してみたけど、シフトの入りは問題無し。

シフトペダルはZETAのリボルバーシフト(F6755)にしてる。軽くて操作感も良くてお気に入り。
シフトアップもシフトダウンも問題なかったので、次は軽く試運転。
周辺を走ってみたけど、オイルの硬さはほとんど気にならなかった。パワーを食われたり、伸びが悪くなるかもって思ったけど、意外なほどそんなことなかった。
逆に、ほんとはそこまで固くないのかなって心配になった。
お次は未舗装路。
自分の経験上、ハンターカブが一番オーバーヒートしやすいのは林道の登り。空冷なので、低速で負担がかかると油温が上がりやすいっぽい。
割とトコトコスムーズに林道走ってても、油温が一気に上がって止まらなくなるのよ。
というわけで近所の酷道に行ってみることにするよ。
当日の外気温は26度。林道に向かう道中の油温は信号待ちで最大77度くらい。やっぱ10W-60の粘度が効いてるのか、油温は抑えめ。
そしていよいよ目的地である林道。
登ってると予想通り油温が上昇。やっぱり林道は舗装路より負荷が大きいのね。

で、走っていくうちに100度を突破。
これまで使ってた他社の10W-40だと90度くらいから油温の上昇速度がかなり早くなって、一気に110度近くまで上昇したんだけど、10W-60 RACINGだと100度前後でも油温上昇が急に早くなったりはしなかった。これは凄いかも。
油温上昇が早くなると、心臓に悪いのよね。

最終的に林道を走破した時点で109度くらいになったけど、油温の上昇速度が安定してるので全然怖さがなかった。
まとめ
印象としては、油温が低い状態では10W-40とかのオイルに近い動きで、油温が高くなった時にも安定してエンジンを守ってくれてるという印象。10W-60というスペック通りではあるんだけど、こんなにデメリットのないオイルだとは正直予想してなかった。ほんと素晴らしい。
ユニルオパールは、完全合成油なのに比較的リーズナブルだし、夏場のOHに悩む人には本当にオススメよ。
レポート:若林浩志
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