文:オートバイ編集部/写真:ホンダ、オートバイ編集部
年間2000万台、生産76年目の通過点

ホンダは1948年の創業以来、「技術で多くの人々の生活をより便利にしたい」という創業者の想いのもと、各国のニーズに合った製品とサービスを提供してきた。1963年にはベルギーで初の海外生産をスタート。需要のあるところで生産する」という理念に基づきグローバルに事業を展開。
1997年に累計1億台を達成し、2008年に2億台、2014年に3億台、2019年には4億台を達成し、着実に生産台数を伸ばしてきた。コロナ禍による一時的な生産減少があったものの需要は回復。内燃機関(ICE)搭載車に加え、2024年を「グローバル展開元年」と位置づけて電動二輪車の本格的な市場投入も開始している。
そして、2025年5月初旬、ホンダのバイク史に新たな金字塔が打ち立てられた。ホンダの二輪車が、世界生産累計で5億台という大記録を達成。1949年に本格的な二輪車の第一号モデル「ドリームD型」の量産を開始して以来、76年目での到達となった。この偉業はホンダが「自由な移動の喜び」を追求し世界中の人々に届け続けてきた証に他ならない。
現在、ホンダは世界23の国と地域に37もの生産拠点を構え、年間2000万台を超える生産能力を誇る。そして、世界中にある3万店以上のホンダの販売店を通じて、我々ライダーに魅力的な製品やサービスを提供し続けている。
\ホンダ製オートバイの第一号/
ホンダドリームD型(1949年)

エンジン形式:空冷2スト・ロータリーバルブ単気筒
排気量:98cc
最高出力:3PS/5000rpm
車輌重量:80kg
最高速度:50km/h
車体、エンジンともに自社開発となるホンダ製オートバイの第1号は、本田宗一郎の「夢がひとつ実現した」の言葉からドリーム号と名付けられた。当時のスチールパイプは良質のものが少なかったため、鋼板を溶接したプレスチャンネルフレームを採用している。
シェアナンバー1を視野にインドの生産ラインを増設
今回、5億台達成を記念し、2025年5月22日にはホンダのインド二輪車生産・販売現地法人であるHMSIの第四工場にて記念式典が開催された。

式典には、本田技研工業株式会社 執行役二輪・パワープロダクツ事業本部長 加藤稔氏、熊本製作所所長 島添正規氏、アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド取締役社長 桑原敏雄氏、HMSI社長・大谷包氏が登壇。
感謝を伝えると共に、多くの現地スタッフと節目の5億台到達の喜びを共有した。

HSMIは現在、インド国内に4カ所の生産工場を有し、合計年間生産能力は614万台 。今年4月には、2001年の生産開始から25年目で累計生産台数7000万台を達成している。


そして、今回、HSMIは新たな第四ラインを新設すると発表。約92億ルピー(約161億円)の投資に
より、125ccクラスの二輪車を年間65万台生産を可能とし、1800人の新規雇用が創出される。
これにより、第四工場全体の年間生産能力は261万台に達し、ホンダにとって世界最大の二輪完成車組み立て工場となる見込み。新しい生産ラインは2027年に稼働開始予定だ。

インドで最も愛されているスクーター「Activa」。HMSIの第四工場にある生産ラインでは1日辺り2600台を生産。これは20秒に1台に生産される計算になる。

インドで最も愛されているスクーター「Activa」。HMSIの第四工場にある生産ラインでは1日辺り2600台を生産。これは20秒に1台に生産される計算になる。

女性従業員の雇用増加に対し積極的に取り組んでいるHMSIでは、生産ラインで働くスタッフのうち女性従業員は30%を占めるという高い割合。

女性従業員の雇用増加に対し積極的に取り組んでいるHMSIでは、生産ラインで働くスタッフのうち女性従業員は30%を占めるという高い割合。

女性従業員の雇用増加に対し積極的に取り組んでいるHMSIでは、生産ラインで働くスタッフのうち女性従業員は30%を占めるという高い割合。
ディーラーも規模が桁違い!
326人の従業員が働く販売店

「ユニバーサル ホンダ」は2001年に開業した歴史のあるホンダ販売店。現在7店舗を展開。HMSI第四工場のお膝元であるアーメダバードの有力ショップだ。
インド国内だけで二輪車販売台数は42万台/月を超えているホンダ。日本国内と比較すると全メーカーの年間販売台数を1カ月で超えてしまうほど。それだけにディーラーでの販売台数もスタッフの数も日本とは桁違い。
ユニバーサル ホンダは7店舗で326名のスタッフが働いており、年間新車販売台数は約1.9万台と、インドパワーを感じさせてくれる値だ。

ショールームとサービスが分かれている作りで、巨大なピットにはバイクとスタッフがたくさん!

たまたま通りがかった地元ライダーもホンダ乗りばかりだった。
ホンダ二輪車の世界生産累計5億台の歩み
節目の年 | 主な出来事 | |
1948 | 本田技研工業株式会社 設立 | |
1949 | 本格的な二輪車の第一号モデル「ドリームD型」を発売 | |
1958 | スーパーカブの初代モデル「スーパーカブ C100」を発売 | |
1963 | ベルギーで二輪車生産を開始(初の海外生産拠点) | |
1964 | パキスタンで二輪車生産を開始 | |
1967 | タイで二輪車生産を開始 | |
1968 | 世界生産累計 1000万台を達成 | |
1969 | マレーシアで二輪車生産を開始 | |
1971 | インドネシアで二輪車生産を開始 | |
1973 | フィリピンで二輪車生産を開始 | |
1976 | ブラジルで二輪車生産を開始・イタリアで二輪車生産を開始 | |
1979 | 米国で二輪車生産を開始 | |
1980 | ナイジェリアで二輪車生産を開始 | |
1984 | 世界生産累計 5000万台を達成 | |
1985 | インドで二輪車生産を開始 | |
1988 | メキシコで二輪車生産を開始 | |
1992 | 中国で二輪車生産を開始 | |
1997 | ベトナムで二輪車生産を開始・世界生産累計1億台を達成(48年で達成) | |
2004 | 初めて年間生産台数 1000万台を突破 | |
2006 | アルゼンチンで二輪車生産を開始 | |
2007 | ペルーで二輪車生産を開始 | |
2008 | 世界生産累計2億台を達成(1億台から11年で達成) | |
2013 | バングラデシュで二輪車生産を開始・ケニアで二輪車生産を開始 | |
2014 | 世界生産累計3億台を達成(2億台から6年で達成) | |
2018 | 初めて年間生産台数2000万台を突破 | |
2019 | 世界生産累計4億台を達成(3億台から 5年で達成) | |
2025 | 世界生産累計 5億台を達成(4億台から6年で達成) |
文:オートバイ編集部/写真:ホンダ、オートバイ編集部