整備工具大手メーカーのSTRAIGHT(ストレート)から登場したラチェットレンチ組み立てキット。工具の組み立てキットって凄く珍しい気がするし、バイクのメンテにも最適な9.5mmサイズ。なんといっても自分で作ったラチェットで整備できるって凄く良い。さくっと衝動買いしてきたので詳細を見ていくよ。あと、せっかくなのでラチェットレンチの構造を、このキットを使って解説してみるよ。

ストレート ラチェットレンチ組み立てキット

というわけで今回はコレ。
車やバイクだとキットカーとかそういうジャンルもあるけど、工具の組み立てキットというのは自分的に初めてのアイテム。
作るだけじゃなく、実際にメンテナンスやカスタムでも活用できるなんて最高じゃないですか。

自分はストレートの店舗で購入したけど、amazonでも売ってた。でも送料かかるので、店舗が近くにあればそっちがオススメ。

(STRAIGHT/ストレート) ラチェットレンチ組み立てキット 差込角3/8"(9.5mm) 10-9310

amzn.to

あと、ストレートの公式サイトでも購入可能だよ。
それにしても今どきの物価高騰の中、非常にお求めやすいお値段。

実際に組み立ててみる

パッケージはこんな感じ。

画像1: 工具の王道ラチェットレンチを組み立てることのできるキットが登場。ラチェットレンチの機構もチェックしてみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.330〉
画像2: 工具の王道ラチェットレンチを組み立てることのできるキットが登場。ラチェットレンチの機構もチェックしてみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.330〉

開封するとこんな感じ。あと、説明書もついてるよ。

画像1: 実際に組み立ててみる

説明書を見つつ、さっそく組み立てていくよ。最初は切り替えレバー

実はストレートさんに材質についても問い合わせたので、材質も解説していくよ。
ハンドル部分、つまり一番でっかい本体のパーツは鍛造。工具といえば鍛造ですよね。
素材はクロムバナジウム鋼製。衝撃や曲げに強くて折れにくい。
さらにクロームメッキで所有感あふれる仕上がり。

爪部分は粉末冶金(ふんまつやきん)という製法。
金属素材に無駄がなく、複雑な形状を大量生産しやすく、さらに後処理で強度のコントロールもしやすいらしい。

画像2: 実際に組み立ててみる

ここはとりあえず差し込むだけ。

画像3: 実際に組み立ててみる

涙滴型の細い方がギア側に向くのね。この涙滴型部分を左右に動かすことで正転、逆転が切り替わるって塩梅。

画像4: 実際に組み立ててみる

次は
爪も切り替えレバーと同じく粉末冶金。見た目の質感がだいぶ違うけど、原料である金属粉末を混合・成形・焼成する工法なので、原材料によって用途にあった部品に仕上げられるっぽい。

爪を丸いくぼみにはめていくよ。

画像5: 実際に組み立ててみる

八の字になるように、2個ともはめよう。

画像6: 実際に組み立ててみる

そしたら爪とケースの間にスプリングをはめ込むよ。

スプリングは円錐型になってて、径の大きい方がケース側、径の小さい方が爪側ね。3個のスプリングが付属するけど、1個は予備。

画像7: 実際に組み立ててみる

はめる時に切り替えレバーを動かすことで、スプリングの入る隙間が作れるよ。

画像8: 実際に組み立ててみる

お次はギア。ソケットがついてクルクル回る部分ね。これも凄く大事な部分。
クロムモリブデン鋼の鍛造、やっぱり工具といえば鍛造ですね。

ギア円周のギザギザと爪のギザギザがかみ合うってわけですよ。

画像9: 実際に組み立ててみる

これで機構は完成。

バイクのメンテナンスをしてる感覚だと機構部分に注油したくなるじゃん。でもオイルは非推奨。
というのもギアが非常に細かいため、潤滑油によってギアと爪の貼り付きが起こったり、最悪固着する可能性が生じるとのこと。

画像10: 実際に組み立ててみる

ギア部分にスペーサー

画像11: 実際に組み立ててみる

スペーサーとはいうものの、非常に薄く精密な作りなのでバイク的にはシムみたいな感じ。そもそもシムとスペーサーって何が違うんだろ。設計意図とかかな。

画像12: 実際に組み立ててみる

最後にプレートを取り付ければ完成。プレートは表裏があるので注意してね。
中央の穴にくぼみがあるのが表側。

画像13: 実際に組み立ててみる

こんな感じね。

画像14: 実際に組み立ててみる

あとは付属の棒レンチとボルトで締結。最初に短いボルトで切り替えレバーを締結するよ。
よく見るとあらかじめネジロックも塗布されてる親切設計。

画像15: 実際に組み立ててみる

切り替えレバーが動いちゃうので、レバーを押さえつつ締めこむと楽よ。

画像16: 実際に組み立ててみる

ラストは長いボルト2本でプレートを締結。

画像17: 実際に組み立ててみる

自分だけかもだけど、トルクスって舐めやすい気がするので丁寧に締めこんでね。

画像18: 実際に組み立ててみる

これで完成。簡単よ。

仕様をチェック

このラチェットレンチ、組み立てキットなのも魅力的なんだけど、形状が凄く良いんですよ。

画像1: 仕様をチェック

滑らかで美しいハンドル形状とクロームメッキの組み合わせが素晴らしい。

画像2: 仕様をチェック

側面も非常に美しい。グリップエンドのでっぱりが使いやすそう。

画像3: 仕様をチェック

グリップ部にはストレートのロゴ。

画像4: 仕様をチェック

ギア部のトップにはリリースボタン。

画像5: 仕様をチェック

押すと側面のボールが引っ込みやすくなって、さらに先端のロッドでソケットを押し出して外すのね。

画像6: 仕様をチェック

ラチェットレンチのラチェット構造を確認できるよ

せっかくの組み立てキットなので、外してラチェットレンチの構造を確認してみるよ。
プレートを外して、わかりやすいようにギアを逆付けしておこう。

さて動作確認。

切り替えレバーの先端が向かって左に向いてる状態。
ギアを時計回りに回すと、爪が押し出されてギアの動きを邪魔しない。
で、スプリングによって爪が戻ってくるので、その繰り返しでカチカチと音が鳴るのね。

画像1: ラチェットレンチのラチェット構造を確認できるよ

逆に、半時計回りにギアを動かそうとすると、左の爪が右方向に押される。
すると爪が切り替えレバーに面接触してそれ以上動けない。
なのでギアが半時計方向に対して固定されてるってわけ。

ちなみにこのラチェットレンチの耐トルクは202Nm。つまり、このギアと爪のかみ合い、爪と切り替えレバーの面接触で202Nmという大トルクまで耐えることができるってワケ。こんな小さな部品なのに、構造って凄い。

画像2: ラチェットレンチのラチェット構造を確認できるよ

動画も撮ってみたので参考になれば幸い。

画像: ラチェットハンドルのラチェット動作 www.youtube.com

ラチェットハンドルのラチェット動作

www.youtube.com

まとめ

美しい形状と組み立ての面白さ、しかもメンテナンスやカスタムで使いやすい9.5mmというサイズ。せっかくなので、これを使って色々カスタムを進めていきたいな。

レポート:若林浩志

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