レポート:黒石研仁(スマートモビリティJP編集部)
※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2025年6月6日に公開されたものを一部編集し転載しています。
東海オンエアメンバー運営の人気カフェが東京にやってきた!
チャンネル登録者数 717万人を誇る大人気グループYouTuber「東海オンエア」メンバーのひとり「りょう」さんは、「美味しいコーヒーを知ってもらうきっかけを作りたい」と、2020年7月に地元の愛知県岡崎市でカフェ「R COFFEE STAND」を開業し、オーナーとして運営している。現在では月間1万人が訪れる人気店に成長し、注目を集める観光スポットになっているようだ。

東海オンエアの人気メンバー「りょう」さんは、地元岡崎市にカフェ「R COFFEE STAND」をオープンし、オーナーとしても活躍中。
折しもカフェ開店からもうすぐ5周年という節目のタイミングにあたる2025年5月30日、期間限定出店の2号店「R COFFEE STAND Powered by LUUP」が東京・港区西新橋にある新虎通りにてオープンした。ここは店舗名称にもあるように、電動マイクロモビリティのシェアサービス「LUUP」とのコラボレーションカフェとなっている。
期間限定店舗と聞くと終了日がいつなのか気になるが、広報担当者によると5周年記念でオープンした店舗であるため「1年ほどは展開していきたい」という方針で、厳密に決まっているわけではないようだ。また、店頭で販売される「季節のパウンドケーキ」は、春夏・秋冬で商品が入れ替わることになっている。スイーツ好きな方は商品が切り替わるタイミングで再訪するのも良いかもしれない。

新橋と虎ノ門をつなぐように走る「新虎通り」にオープンした期間限定の2号店「R COFFEE STAND Powered by LUUP」。
なお、今回のR COFFEE STANDとLUUPのコラボカフェ実現の背景には、トップ同士の親交が影響している。
というのも、R COFFEE STANDオーナーのりょうさんとLuup社の岡井大輝CEOは、ともに1993年生まれの同い年でかねてより親交があり、一緒にご飯を食べに行くこともある友人同士。今回の企画も「駅前という立地ではなく、味に対するこだわりがある」というビジネスとしての方向性の一致に加えて、「カフェの5周年を記念し、ぜひコラボ店舗を一緒にやってみたい」という想いが実を結んだ形なのだという。

東海オンエア・りょうさん(左)とLuup社CEO・岡井氏(右)。
なお、同店舗はLUUPとのコラボカフェということもあり、近くに新設されたポートには交通ルールをわかりやすく図解したアートボードが設置されるほか、店頭にて交通ルールのガイドブックも配布されるなど、LUUPによる交通安全の啓発拠点としても活用される。
Luupの狙いは「交通ルール啓蒙」と「街の駅前化」
交通ルールを守らせるための取り組みは年々進化している
LUUPは電動キックボード・電動アシスト自転車のシェアリングサービス。2020年5月のサービス開始以来順調に事業拡大を続け、アプリダウンロード数450万以上、導入台数3万台、全国1万3000カ所(都内は6800カ所)のポートを展開している業界トップクラスのサービスに成長した。
しかし、免許不要で利用できるという気軽さも相まって、利用者の交通マナーの悪さや危険運転などといった課題も出てきており、事業者として交通ルール啓蒙への取り組みが求められているのも事実である。
Luupとしても、こうした現状に対しては危機感を覚えているようで、従来から実施してきた安全講習会の開催や交通ガイドブックの配布、繁華街付近ポートでの警備員配備(深夜帯)などの施策に加え、2025年4月に危険利用者のペナルティを強化、5月に全員強制で交通ルールテストを刷新、さらに6月には誤進入防止サポート機能も導入するなど、少しずつ利用者に交通ルールを守ってもらうための取り組みを進化させている。
今回のコラボカフェにおいても、ドリンクのコップにはすべて交通ルールを啓発するシールが貼られているほか、前述の新交通ルールテストに合格していると店頭での購入時にステッカーがもらえるキャンペーンが実施されるなど、交通ルールを知ってもらうためのちょっとした仕掛けを用意。交通ルールについて考えるきっかけを提供する拠点としての機能も備えているようだ。
Luupには「街じゅうを駅前化するインフラをつくる」という目標がある
駅前ではない地域でも、LUUPを利用すれば駅から数分で行ける距離=駅前という概念が拡張されて、より遠くの場所も「実質的に駅前」として捉えることができるようになる。
とくに東京都内には大手コンビニ3社の合計店舗数よりも多い6800カ所のポートがあり、どのポートからでもLUUPで数分の距離に駅がある。つまり、23区であればどの場所でも「駅前」といえる状況となっているのだという。

LUUPは “駅前” という概念を拡張しようとしている。
今回オープンしたカフェも、これと同様のパターンで店舗がある新虎通りは駅から少し離れているため、「駅前」と言えるほどの距離ではない。しかし、駅前からLUUPのモビリティで移動すれば、店舗そばに新設されたポートまで数分で到着できることになり、「カフェの駅前化」が実現する。
ちなみに同ポートには交通ルールを啓蒙するアートボードが設置され、ポート自体にも交通ルール啓蒙拠点としての機能が付与されている。