以下、文:ノア セレン/写真:関野 温
カワサキ「メグロ K3」VS ロイヤルエンフィールド「ショットガン650」|深堀りチェック
1. メーター

メグロK3

ショットガン650
メーターの意匠はそのバイクの身体を表すのだ
メグロは伝統的な2眼メーターで、液晶に便利な情報を詰め込んだ正統派メーター。ETCも標準装備で抜かりない。対するショットガンは中央に液晶でそのまわりを針の先端だけが回るという個性的な構成。右側のサブメーターはスマホ接続でナビを使えるなど発展性もあり。モダンだね!
2.フロントまわり

メグロK3(左)|ショットガン650(右)
19インチと18インチ。ショットガンはひと回り小さい
正立フォークに19インチのスポークホイール、チューブタイプタイヤという大昔から変わらない構成のメグロだが、これがクセのないハンドリングを実現していて、荒れた路面も許容する絶妙な設定でブレーキも良く効く。
ショットガンは倒立フォークに18インチのキャストホイール、17インチのリアにはラジアルを履くことからも、もっとモダンでマッスルカー的。三つ又がヘッドライトと一体になっているデザインなども新鮮だ。小径ホイールのおかげで路面が近く、操作感はかつてのV-RODや今のレブル1100的なドラッグイメージもある。フロントブレーキはもう少し効いて欲しかったかも。
3.メグロなのにシート後端とキーのKawasakiの表記が惜しいぜ……

両方のブランドを大切にしたいのはワカル……でもせめて大文字にしてほしかった!
サイドカバーにはしっかりとカタカナで「メグロ」の表記。メーター内にも誇らしげにメグロって書いてあるのに…なぜかシート後端にはKawasakiの文字なのです。コレ実は230ccのメグロS1でも同じだったためカワサキに聞いたんです。そしたら「カワサキが作っていることをアピールするために」というお答え。
いや、まぁ、わかるけれどもさ、銀鏡塗装タンクに専用エンブレムまで奢った、W800よりも16万円ほど高いプレミアムバージョンなんだからここも「メグロ」に、あるいはせめて昔ながらの大文字のKAWASAKIにして欲しかった。ちなみに実際にメグロを購入した知り合いはコレがイヤでわざわざシートを張り替えてました。
そしてキーもね、これまたフツーのKawasakiキーなのよ。オプションでも良いからメグロの専用キーがあったらいいのになあ!


【ノア セレンが選ぶ2台の“極品” ポイント】

メグロK3
圧力鍋をリアシートにくくり付けてキャンプに行った思い出が……
Wがまだ650だったころに、キャンプ企画があってテントや寝袋を満載し、さらにキャンプメシ用に圧力ナベまで持参して出かけたことがあったな。タンデムシート部の座りが良くてかつ荷掛けフック類が充実していたから、ものすごく使いやすかった。
今のメグロも荷掛けフックがあるから同じような使い方ができるはずだ。最近は省略されがちなヘルメットホルダーも装備されている。レトロ系のモデルは趣味性をしっかり確保しながらもこういった使い勝手の部分を犠牲にしないのが大好きだ。

ショットガン650
信頼性は大丈夫なハズ!
メインキーでロックできるショットガンのサイドカバーはなんとスチール製で、しかも蝶番で開くというのが雰囲気満点! 中には今どき珍しい豊富な車載工具がぎっしり詰まっていたほかに、AタイプUSBポートも用意されていた(手に持っているのはそのフタ)。
サイドカバー内に小物入れスペース的なものはないが、USBポートからケーブルを伸ばせばデバイス給電や、あるいは位置的に電熱ウエアなどにも重宝しそう。
カワサキ「メグロ K3」VS ロイヤルエンフィールド「ショットガン650」|総合評価

勢い止まらぬエンフィールド(左)とアガリバイク最右翼のメグロ(右)
2台はかなり違うバイク! でもバリエーションモデルも豊富だからきっとピッタリの一台がある。
ショットガンはわかりやすい! 乗った瞬間に「へへっ! ナニコレ楽しい!」と直感的に思えるし、小柄だから積極的に楽しんじゃおうって気にさせてくれる。値段も良心的でそういう意味でもハードルが低い。
メグロはもうちょっとじっくり付き合ってこそ良さが滲み出てくる感じかな。パッと乗っただけでは「裕福なオジサンの乗り物」って感じるかもしれないけど、色んなシチュエーションで乗れば奥深さに気が付けて、一生を添い遂げたくなると思う。
メグロに気持ちが傾いてる僕はもうオジサン!? 特に今は少数派の360度クランクエンジンは素晴らしい! ちょっと欲しくなっちゃう。でも個人的にはW800の方でもいいかも。

Kawasaki
MEGURO K3
360°クランクのエンジンは味わいもパワーもあって、ツーリングでも最高。このエンジンをZ650RSの車体に積んでもう一歩先のスポーツをしてみたいと思ったほど気持ち良い。ETCとグリップヒーターが純正装備なのも大歓迎。

ROYAL ENFIELD
SHOTGUN650
6速ミッションと作り込まれたFI設定、そしてストロークの短いサスと独特のポジションで意外やスポーティに走らせるのが楽しい。でも長距離では乗り心地が厳しいかな。極端な設定をあえて楽しむのが、このモデルの真意なのでしょう!
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カワサキ「メグロ K3」VS ロイヤルエンフィールド「ショットガン650」|スペック・燃費・製造国・価格
メグロ K3 | ショットガン650 | |
全長×全幅×全高 | 2190×925×1130mm | 2220×820×1105mm |
ホイールベース | 1465mm | 1465mm |
最低地上高 | 125mm | 140mm |
シート高 | 790mm | 795mm |
車両重量 | 227kg | 240kg |
エンジン形式 | 空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒 | 空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 773cc | 648cc |
ボア×ストローク | 77.0×83.0mm | 78×67.8mm |
圧縮比 | 8.4 | 9.5 |
最高出力 | 38kW(52PS)/6500rpm | 34.6kW(47PS)/7250rpm |
最大トルク | 62N・m(6.3kgf・m)/4800rpm | 52.3N・m/5650rpm |
燃料タンク容量 | 15L | 13.8L |
変速機形式 | 5速リターン | 6速リターン |
キャスター角 | 27.0° | 25.3° |
トレール量 | 108mm | 101.4mm |
ブレーキ形式(前・後) | Φ320mmシングルディスク・Φ270mmシングルディスク | Φ320mmシングルディスク・Φ300mmシングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-19M/C 57H・130/80-18M/C 66H | 100/90-18 56H・150/70-R17 69H |
乗車定員 | 2人 | 2人 |
燃料消費率 WMTCモード値 | 20.9km/L(クラス3-2)1名乗車時 | NA |
製造国 | 日本 | インド |
メーカー希望小売価格 | 140万8000円(消費税10%込) | 97万4600円~101万5300円(消費税10%込) |
文:ノア セレン/写真:関野 温