談:伊藤真一/写真:南 孝幸、関野 温/まとめ:オートバイ編集部/協力:ホンダモーターサイクルジャパン
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伊藤真一(いとうしんいち)
1966年、宮城県生まれ。1988年、国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降世界ロードレースGP(MotoGP)、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。2025年は「Astemo Pro Honda SI Racing」を率いて、全日本ロードレース選手権や鈴鹿8耐などに参戦中。
ホンダ「CB1000ホーネット/SP」「CB750ホーネット」インプレ(伊藤真一)

Honda
CB750 HORNET
2025年モデル
総排気量:754cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:795mm
車両重量:192kg
発売日:2025年2月13日
税込価格:103万9500円
新型ホーネットの魅力はよく出来たエンジンにある
29歳のころ、前世代ホーネット(250)のプロモーションビデオに出演しました。撮影のためにテストコースを、何度も走ったのを覚えています。かつてのホーネットは極太タイヤを装着するのが特徴でしたが、現代のホーネットはサイズ的に細めのタイヤを履いてますね。
ただ走りの個性が光るネイキッドスポーツという点は、新旧ホーネットどちらも同じと言えるのではないでしょうか。
CB750ホーネットは、とにかくエンジンの良さが魅力ですね。100馬力以上あるのでは? と錯覚するくらいパワフルで、低中速には十分なトルクがあります。

750も1000も、最新のホーネットはリアタイヤサイズが細め。その設定が効いて、コーナリング時の軽快感を生み出している。上写真はCB750ホーネット。
そして高回転域までスムーズに吹け上がり、エンジンのフリクション感がとても少ないのも好印象でした。燃料がレギュラー仕様で、ここまで燃え方が良いエンジンはあまりないとも思いました。
車体はこの出来の良いエンジンにぴったり合っている感じで、プロリンク式のリアサスの作動感やレート感も非常に自然に思え、何の違和感も覚えることがありませんでした。またスペックシートに記されている車両重量よりも、取りまわしていて軽く感じましたね。
前後サスペンション、前後ブレーキの使用感も不満はありませんでした。ライディングポジションは、実用車っぽく思えるくらい身体が楽で、これもCB750ホーネットの乗りやすさの秘訣なのでしょう。

Honda
CB1000 HORNET|CB1000 HORNET SP
2025年モデル
総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:809mm
車両重量:211kg(SPは212kg)
発売日:2025年1月23日
税込価格:134万2000円(SPは158万4000円)
※写真は左がSP、右がスタンダード
CB1000ホーネットも750同様、エンジンがとても良く出来ています。ベースはCBR1000RR(SC77)ですが、スーパースポーツのSC77から最高出力を40馬力くらい落としていることになります。ただ、何よりスロットルのツキが超リニアで、パーシャル領域も、そこからの加速も操作していてとても気持ち良く、乗り手の意識どおりに走れるのが素晴らしいです。

CB1000ホーネット
ミッションはSC77から5、6速のレシオが変更されて、2次減速比がかなりショートになっています。ストリートファイターらしく、街中や峠道を楽しめる設定だと思います。
車体はやはり750同様、エンジンに合ったものが用意された印象です。SPのオーリンズ製リアサスペンションはちょっと入りが硬く感じましたが、柔らかすぎるとSPのエンジンではピッチングが強く出るでしょうから、それを抑えるための設定になっているのだと思います。その他にSPは可変排気バルブ採用が特徴ですが、そのためスタンダードと排気音が異なって聞こえますね。

CB1000ホーネットSP
あと低速トルクはスタンダードの方があるように感じましたが、その差はそんなに大きいものではないです。ブレンボ製フロントブレーキキャリパーもSPの特徴で、初期のタッチの良さはブレンボならではのものがありました。ただ絶対的な制動力に関しては、スタンダードと大きな差はないです。
ホーネットは750も1000も、走りを楽しみたい人には最適な、好バランスなモデルと言えるでしょう。
ホンダ「CB1000ホーネット/SP」主なスペック・燃費・製造国・価格
全長×全幅×全高 | 2140×790×1085mm |
ホイールベース | 1455mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 809mm |
車両重量 | 211kg《212kg》 |
エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 999cc |
ボア×ストローク | 76.0×55.1mm |
圧縮比 | 11.7 |
最高出力 | 112kW(152PS)/11000rpm《116kW(158PS)/11000rpm 》 |
最大トルク | 104N・m(10.6kgf・m)/9000rpm《107N・m(10.9kgf・m)/9000rpm》 |
燃料タンク容量 | 17L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール量 | 98mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W) |
燃料消費率 WMTCモード値 | 17.7km/L(クラス3-2)1名乗車時 |
製造国 | 日本 |
メーカー希望小売価格 | 134万2000円《158万4000円》(消費税10%込) |
ホンダ「CB750ホーネット」主なスペック・燃費・製造国・価格
全長×全幅×全高 | 2090×780×1085mm |
ホイールベース | 1420mm |
最低地上高 | 140mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 192kg |
エンジン形式 | 水冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 754cc |
ボア×ストローク | 87.0×63.5mm |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 67kW(91PS)/9500rpm |
最大トルク | 75N・m(7.6kgf・m)/7250rpm |
変速機形式 | 6速リターン |
燃料タンク容量 | 15L |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール量 | 99mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17M/C(58W)・160/60ZR17M/C(69W) |
乗車定員 | 2人 |
燃料消費率 WMTCモード値 | 23.1km/L(クラス3-2)1名乗車時 |
製造国 | 日本 |
メーカー希望小売価格 | 103万9500円(消費税10%込) |
談:伊藤真一/写真:南 孝幸、関野 温/まとめ:オートバイ編集部/協力:ホンダモーターサイクルジャパン