ホンダ「ADV160」で6時間ほど高速道路を走ってみた! 150~160ccクラスは高速道路に乗れる最小クラス、「つらいんでしょ?」「怖いでしょ?」と思う方も多いでしょう。ところがどっこい、ADV150からADV160にモデルチェンジし、快適性能が超大幅にアップしていた!
文・写真:西野鉄兵
画像: Honda ADV160 総排気量:156cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 シート高:780mm 車両重量:136kg 税込価格:47万3000円 ※積載しているバッグは筆者の私物、グラブバーには傷つき防止のため養生テープを貼っています。

Honda ADV160

総排気量:156cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:780mm
車両重量:136kg

税込価格:47万3000円

※積載しているバッグは筆者の私物、グラブバーには傷つき防止のため養生テープを貼っています。

【プチ紀行】「ADV160」の快適さにただ驚くだけの巻

つらい旅を覚悟していたけど、ADV160なら無限に走れる!?

深夜3時過ぎ、小雨が降るなか、東京新宿区の自宅を出発した。目的地は知多半島の空港島、400km近い距離がある。正直、気が重い。エディ男くん、一緒に頑張ろう。

首都高も東名高速も交通量が少なくスイスイ進む。あれ、何だか楽だぞ、エディ男さんすごい! そう思っているうちに海老名SA・中井PAをスルー。このまま朝まで走れちゃうかもと思い、雨の夜を走ったという証拠写真を撮るためだけに足柄SA手前の鮎沢PAに入った。

新東名で雨が強くなる。防水グローブの左手に付いているワイパーで数秒に一度シールドの水滴を落とす。あとはヘッドセットでお気に入りの音楽を聴いているうちに、夜が明けた。あっという間に長い静岡県も終盤、新東名のネオパーサ浜松で給油ついでに最初の休憩をとる。ブイ子さんはわずか6.6Lしかガソリンを欲さなかった。

画像1: 【プチ紀行】「ADV160」の快適さにただ驚くだけの巻

夜明けとともに、雨も上がった。朝の陽ざしを受けながら、青空に向かって一直線に進む。伊勢湾岸道の刈谷SAで分岐を確認したのち、知多半島道路へ。9時過ぎ、目的地の中部国際空港セントレアがある空港島に到着。

約380km走って、何のドラマもなく、疲れもない。もっとがむしゃらな感じで、はぁはぁ何とか到着! となることを予想していたのに。エディ男くん→エディ男さん→ブイ子さんと愛称が変わっただけだった。

画像2: 【プチ紀行】「ADV160」の快適さにただ驚くだけの巻

「ADV160」のロングランでの快適性は、まさにクラスを超えたものだった。並みの250ccいや400ccバイクよりも明らかにラクだ!

画像: ▲目的地はAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)。2024年4月5日~7日にここで「第3回 名古屋モーターサイクルショー」が開催!

▲目的地はAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)。2024年4月5日~7日にここで「第3回 名古屋モーターサイクルショー」が開催!

【レビュー】ホンダ「ADV160」の旅性能

画像: 【レビュー】ホンダ「ADV160」の旅性能

ノーマル状態の積載性

今回はキャンプでもないのに大荷物。5泊6日分の着替えとパソコン・一眼レフのカメラ機材を積んでいる。

シート下の収納スペースの容量は約29L。そちらにはカメラ機材・ノートパソコン、それに付随する周辺機器を入れた。リアシートには容量55Lのシートバッグを積載。

「ADV160」にはグラブバーが備わっており、この付け根部分がシートバッグの取付ベルトを装着するのにちょうどいい。またグラブバーの高さがリアシートとほぼフラットなので、今回のような大型バッグも積みやすい。

画像: ▲ヘンリービギンズの「シートバッグPROII LLサイズ」を積載した。拡張時は容量70Lまで大きくなる。写真は未拡張の55L状態。

▲ヘンリービギンズの「シートバッグPROII LLサイズ」を積載した。拡張時は容量70Lまで大きくなる。写真は未拡張の55L状態。

取付ベルトをしっかりしめるには、取り付け時にバッグを前後に動かすなどコツがいるが、さほど悩まないだろう。バッグをダイレクトでグラブバーに載せると、こすれて塗装が傷つきそうだったので、養生テープで執拗にガードした。

今回のパッキングなら、キャンプ道具も一式運べる。シート下に入れたものはバッグを下ろさないと出せないから、目的地まで絶対に取り出さないものを入れるのがいい。

画像: ▲フロントインナーボックスにはぎりぎり600mlサイズのペットボトルが入る。中にはスマートフォンの充電に役立つUSBソケットも標準装備。

▲フロントインナーボックスにはぎりぎり600mlサイズのペットボトルが入る。中にはスマートフォンの充電に役立つUSBソケットも標準装備。


画像: ノーマル状態の積載性

燃費・航続可能距離・燃料計

東京→浜松まで走り、燃料計が残りひと目盛りとなったので、ネオパーサ浜松で給油した。実測燃費は251km÷6.6Lで38.0km/L。メーターで表示される平均燃費は38.9km/Lだった。油種はレギュラー。ちなみに私の体重は68kg。大荷物と装具を合わせると100kg近くなる。

燃料タンク容量は、カタログデータで8.1L。38km/L×8.1L=307km、今回の燃費ならワンタンクで300km超えも可能。250km前後で給油を考えるのが現実的かな。その点、燃料系が残り1目盛りになるタイミングは抜群によかった。ちなみに燃料計は満タンだと8目盛り。細かく残量が把握できるから個人的には好み。

画像1: 燃費・航続可能距離・燃料計

WMTCモード値の燃費は42.5km/Lなので、走り方によってはもっと伸びる可能性がある。

それにしても東京から浜松まで走って、ガソリン代が1267円とは。しかもサービスエリア内のお高めのスタンドで給油したのに。大荷物も積載していたのに。「ADV160」は旅バイクとしてもコスパが高い!

画像: ▲給油キャップを置くスペースを完備。この給油口は中が見えづらく、満タン状態が初見だと分かりにくいので、セルフのスタンドで給油するのがおすすめ。

▲給油キャップを置くスペースを完備。この給油口は中が見えづらく、満タン状態が初見だと分かりにくいので、セルフのスタンドで給油するのがおすすめ。

画像: ▲キーは、スマートキーシステム。日常から便利だけど、雨のツーリングでは本当に助かる。

▲キーは、スマートキーシステム。日常から便利だけど、雨のツーリングでは本当に助かる。


画像2: 燃費・航続可能距離・燃料計

快適な巡航速度と最高速について

「ADV160」は2023年1月にデビュー。従来の「ADV150」から名称も変わり、フルモデルチェンジを受けた。

「ADV150」でも過去に新東名高速を走ったことがあるのだが、完全に別物といえるほど快適性が向上していて驚いた。

「ADV150」では105km/hを超えたあたりから、エンジンがうなりだして加速も鈍り、じわじわとしか速度が上がらなかった。横風を受けないトンネルで最高速115km/hが限界だった。

画像1: 快適な巡航速度と最高速について

「ADV160」では、気づくと110km/hを超えていた。ずっと追い風を受けているかのような軽やかな加速が心地いい。メーターを見ないと、いま何キロで走っているのか分からない……そんな大型バイクでよくあるような感覚だった。

実際80km/hで走っていても110km/hで巡航していても、体感がほとんど変わらない。排気量が149ccから156ccにアップしているが、その数値で受けるイメージの何倍も4バルブの新エンジン「eSP+」はすごい。全面的に進化している。

画像2: 快適な巡航速度と最高速について

どの速度域でも手に振動がほとんど伝わってこない。エンジン回転数がレッドゾーンに入っているのもメーターを見ないと分からないほど、なめらかに走れる。限界付近では、お尻のあたりの振動が少し強くなったか、と思う程度。なので意識しなければレッドゾーンに突っ込みぱなしになってしまう。

メーターで確認できた最高速は117km/hだった。ADV150とは明らかに異なり、労せずしてこの速度に達する。やや上っている道でも下り坂でも118km/h以上は出せなかったので、リミッターが働いているのだろう。

画像3: 快適な巡航速度と最高速について

ホイール径は前14インチ・後13インチと小径ながら、それを感じさせないほどサスペンションが細かく動き、ショックを吸収してくれていた。高速道路上の小さな段差はまるで気にならない。夜間は路面をあまり見てもいかなかった。

瞬間的な加速力はどうしてもそれなりで、合流時は不安を抱くことがあった。しかしスピードの上がり方は分かりやすい。110km/hまで加速したらあとは手を置いているだけ。スロットルがいい意味で柔らかくて、握力をほとんど使わなくて済む。これはかなり嬉しかったポイント。クルーズコントロール搭載車を運転している感覚に近かった。

画像4: 快適な巡航速度と最高速について

下半身に雨風は当たらないし、スクリーンの効果を大きい。高い方に設定にしておけば、高速道路では胸にもほとんど風を受けなかった。

お盆があれば、ハンバーガーとポテトとコーラを飲食しながら走れちゃうんじゃないか……現実的にはありえないことだが、走行風の圧の少なさ、ハンドルのブレの少なさから、まるで新幹線の座席のようだなと思った。

画像: ▲スクリーンは手動で高さを変えられる。低い方と高い方の2段階。

▲スクリーンは手動で高さを変えられる。低い方と高い方の2段階。


画像5: 快適な巡航速度と最高速について

ライディングポジション・シートの座り心地

ライダー部分とパッセンジャー部分が完全に分かれたシートは、荷物を積んだときにも、座るスペースを奪われることがないのでありがたい。

シートは座った瞬間、「硬っ!」と思った。クッションの沈み込みが少ない超高反発タイプだ。ただこれがロングランのときはすごくいい。不思議と長時間座っていることでの疲れや痛みが出にくいのだ。「ADV150」の時代からそういうシートだった。

画像: ライディングポジション・シートの座り心地

フットボードは身長175cmの私の場合、窮屈ではないものの、あと5cm長かったら完全に足を伸ばせそうだと感じた。基本的に前方部分に足を置いていたが、ときどき位置をずらしてリフレッシュできるのがスクーターのいいところ。

バーハンドルの幅や遠さは絶妙で、シート・フットボードと合わせてポジションの自由度が高い。意識せずともお尻を少し動かしたり、足の位置を変えたり、上体の姿勢を変えて、終始リラックスしながら走ることができた。

画像: ▲このバーハンドルが「ADV150」時代から好き。ふとスクーターだということを忘れて、シフトチェンジをしたくなるときがある。ハンドル越しの景色は完全にアドベンチャーバイクのそれだ。

▲このバーハンドルが「ADV150」時代から好き。ふとスクーターだということを忘れて、シフトチェンジをしたくなるときがある。ハンドル越しの景色は完全にアドベンチャーバイクのそれだ。


まとめ

初めて乗るバイクでは、静岡県を東西に一気に走ることができるかが、私の中で快適性能を計るひとつの目安となっている。

今回は真夜中に出発し雨も降っているという、なかなかの悪条件だったが、「ADV160」は“頑張れば走れる”ではなく、自然と浜松まで走り切れてしまった。燃料が持てば、浜松も突っ切っていたはずだ。

画像: まとめ

ロングツーリングを楽しむために、あえて「160」を選ぶ。そんな選択はこのバイクに関して、充分にありだと感じた。見た目の排気量に騙されてはいけない。

「ADV160」は、れっきとした快適ロングツアラーだった。自信をもってそうお伝えしたい。

文・写真:西野鉄兵

※2024年4月9日 追記

画像3: ホンダ「ADV160」高速道路ツーリング・インプレ(2024年)|最高速は? 燃費は? 380km走って分かったことをレビュー

実測燃費45km/Lを達成!

帰り道は名古屋~神奈川県藤沢間を無給油で走破! 走行距離は309km、実測燃費は45.6km/L。メーターで表示された平均燃費は47.2km/h。

大まかに名古屋ICから東名→新東名→東名→圏央道→新湘南バイパスの藤沢ICまで。新東名区間の横風がきつく、80~100km/h程度の巡航だった。それが燃費の伸びた要因だ。

横風が吹くと、耐え方が難しい。これはスクーターでしかも軽量のADV160の宿命か。燃費が伸びたのは喜ばしいことだけど、弱点も発見してしまった。

【諸元】ホンダ「ADV160」の主なスペック・製造国・価格

全長×全幅×全高1950×760×1195mm
ホイールベース1325mm
最低地上高165mm
シート高780mm
車両重量136kg
エンジン形式水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
総排気量156cc
ボア×ストローク60.0×55.5mm
圧縮比12.0
最高出力12kW(16PS)/8500rpm
最大トルク15N・m(1.5kgf・m)/6500rpm
変速機形式無段変速式(Vマチック)
燃料タンク容量8.1L
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク(ABS)・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)110/80-14M/C 53P・130/70-13M/C 57P
乗車定員2人
燃料消費率 WMTCモード値42.5km/L(クラス2-1)1名乗車時
製造国タイ
メーカー希望小売価格47万3000円(消費税10%込)

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