ホンダの新機構「Eクラッチ」がいま話題となっている。ホンダは過去にも様々な独自の変速機を開発してきたメーカーだ。この記事では、「より利便性に優れ、より簡単な操作で取り扱える二輪車」を実現するために開発された、歴代モデルを紹介しよう。
文:オートバイ編集部

「利便性」と「操る楽しさ」を追求した歴代モデル

時代、ユーザーのニーズに合わせて開発された様々な技術

ホンダが創設期より掲げる「より利便性に優れ、より簡単な操作で取り扱える二輪車」を目指して開発された様々な技術を搭載した代表的モデル達を紹介していく。

当時のオートバイ市場の盛り上がり、拡大していくスピードは今とは比べものにならないぐらい早く、その規模も大きかった。各時代のユーザーニーズに合わせて様々な技術が開発され、搭載したオートバイはその時代を代表するモデルとなっていった。1954年に登場したジュノオKは当時盛り上がりを見せていた小型車、スクーター市場にあわせホンダ初となるスクーターモデルとして登場。

1958年には66年経つ今も愛されるロングセラーモデルとなったスーパーカブに搭載される自動遠心クラッチや、現在でも多くのスクーターに採用されるVマチック、進化をし続けるDCTなど、多様化する市場、ユーザー、ライダーの感覚に合わせて様々な技術、モデルが開発されていった。

ホンダの新世代トランスミッションと言われる「E-クラッチ」も時にはゆったり、時にはスポーツ走行を楽しみたいという現代のユーザー、思考に合わせて「操る楽しさ」を楽しんでもらうために開発された新技術となっている。

コミューター・モデル

JUNO K(1954年)

画像: JUNO K(1954年)

ホンダ第一号となるスクーターモデル

当時、拡大傾向にあったスクーター市場に参入したホンダが開発したホンダ第一号スクーター・ジュノオK。ドリームE型で採用された空冷4ストOHV189ccエンジンと3段変速機を搭載。その他にもホンダの二輪車初となるセルモーター始動方式も採用されていた。ボディには最先端の強化プラスチックが使用された。


Super Cub C100(1958年)

画像: Super Cub C100(1958年)

初心者でも安心して操作できる自動遠心クラッチ

2ストローク全盛期の当時に、耐久性や静寂性、燃費に優れた空冷4ストロークOHC単気筒49ccエンジンを開発し、より多くの人が気軽に乗れるようにとクラッチ操作なしで発進、変速を可能とした自動遠心クラッチを搭載して登場したスーパーカブC100。この遠心クラッチは現在も受け継がれ、世界各地で様々なモデルにも採用されている。


JUNO M85(1962年)

画像: JUNO M85(1962年)

ホンダ初のオートマチックスクーター

より取り扱いが簡単で、快適なスクーターをコンセプトに登場したホンダ初のオートマチックスクーター・ジュノオM85。空冷水平対向4スト2気筒OHV169ccエンジンには、動力の伝達を油圧トルクと機械トルクに分割し、油圧伝達部の分担を減らし、高い伝達効率を得るバダリーニ式油圧式無段変速機を採用。手動変速も併用された。


ROADPAL NC50(1976年)

画像: ROADPAL NC50(1976年)

「ラッ、タッ、ター」の愛称で親しまれたロードパル

当時のファミリーバイク市場にホンダが投入し大ヒットモデルとなったロードパル。女性ユーザーを意識した自転車のような車体は低床バックボーン式フレームを採用し、自動遠心クラッチを採用した2スト単気筒49ccエンジンを搭載。1979年には遊星ギア式二速ATを採用したロードパルSを発売した。


TACT DX Self Start(1980年)

画像: TACT DX Self Start(1980年)

ブームに合わせて開発された初の50ccスクーター

さらに拡大するファミリーバイク市場に向けて投入されたホンダ初の50ccスクーター・タクト。軽量・コンパクトな空冷2スト49ccエンジンには新設計の無段変速機Vマチックを採用。エンジン回転数と負荷によってベルト駆動で自動的に無段階で変速。この機構は最新モデルに至るまでほとんどのスクータータイプに採用されている。


FORZA Z(2004年)

画像: FORZA Z(2004年)

進化したVマチックHonda Sマチック

オートマチックモードと6速マニュアルモードの選択を可能としたHonda Sマチックを搭載して発売されたフォルツァZ。Vマチックの長所を活かし、よりスポーティな走りを実現するためシフトタイミングを電子制御化し、モーター駆動で変速比を変化させる先進機能。その他、量産二輪初となるスマートカードキーシステムも搭載。

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