GSX-S1000GXが『スズキらしくない』ような?
800ccフルカウルスポーツの『GSX-8R』と同時に昨年2023年のEICMA(ミラノショー)で発表されたGSX-S1000GX。
その登場時は「どえらいカッコいいの出てきたな!?」と衝撃を受けていましたが、そのバイクに乗る機会を得ました!
お値段、実に199万1000円(消費税10%込み)。要するに200万円ですね。高級車やぁ……
しかしながら、その価格にも納得せざるを得ないスタイリング……そして実車は、背が高めでハーフカウルもあるせいか、見た目にけっこうボリューム感もあります。
デカくて見た目がカッコいい。バイクっていうのはもう、それだけで正義です。
だがしかし!
このバイクは『スズキ』ですからね? きっと何かあるに違いない(笑)
ところで、先にお詫びしておかなければならない件がひとつ。
先に公開した『GSX-8R』の記事でも言いましたが、今回は本当に「じっくり乗る時間」が取れず、お届けできる感想も“第一印象のみ”といった感じになります。タネ明かしをしてしまうと、先のGSX-8Rと同日にしか乗る時間が取れませんでした。
2台一緒に乗っていった感じ。各車ともそれぞれ距離にしたら100kmも乗ってないです。
そして困ったことに、これら2024モデルが曲者ぞろいだった……GSX-8Rも記事内で言いましたけど、見事にダマされた感が残っています。
GSX-S1000GXは8R以上に難解でした……
はじめて乗ったこの時点では「スズキ初の電子制御サスペンション搭載車」であることに加えて、エンジンは「GSX-R1000譲りの直列4気筒を搭載」くらいの知識しかなく、とにかく乗ってみないことには何もわからない状態。
ちなみに後日、スズキさんが「商品説明会」なるものを開催してくれたんですが、この日は「自分の感覚」を信じるしかなかった状態です。
そんな感じで何も考えずに走りだすと……
わーお!? さすがの電子制御サスペンション! さすがの高級車!?
整えられたアスファルトから石畳の路面まで試してみましたが、石畳路面での印象が強烈でした。まるで石畳じゃないように快適に走るし、タイヤの接地感も明確にある。
おそるべし最新技術……石畳など「無いも同然」かよ!?
ちなみに、この時はパワーモードセレクターとなるSDMS-αはエンジン出力を抑えたC(コンフォート)モードでした。特に何かを狙った訳じゃないけど、初見なので。
そして予備知識無しではイマイチよくわからないサスペンションのマークのところは「AUTO」で、ADというのはアクティブダンパーってことかな? と思いつつ、Cモードのデフォルトになる「S」という設定。
GSX-S1000GXは前後17インチホイールを履いていますが、ハンドリングはかなり穏やかに感じていました。
その乗り心地はパーフェクトな高級ツアラーそのもの。
電子制御で調教されたエンジンに穏やかなハンドリング、魔法のように快適な乗り心地の三位一体で、街中をちょっと走り出した時点で既に「こりゃロングツーリング、無敵だわ」と感じさせてくれます。
これで200万円ならお買い得じゃないか? なんて考えすら湧いてくるほどに……買えんけど。
ただね……
なんかこう、ピンとこない。
過去に乗ったことがある感じ? ライダーは難しいことを何も考えずにバイクに丸投げでOK! みたいな雰囲気で。
何が言いたいかって言うと……
(下に続きます)
なんだか、あんまりスズキらしくない……気がする。
スズキ車って何だかんだ「普段は優しいけど本気出すとヤバい」みたいな気配を感じたりするんですが、GSX-S1000GXに至っては360度全方位に「快適な高級ツアラー」なんです。電子制御サスペンション搭載の最新ツアラーで言うなら、こういうバイクは他にもある……
いやでも快適なのは間違いないし、その方向でうまいこと話を進めるか。うん、そうしよう。
……なんて思いつつ、早々に街乗りを切り上げて高速道路に乗ってみたのですが!?