2022年に開催された同イベント内で開催されたフリー走行時に転倒してしまったのをきっかけに、1年掛けてリメイクされたマシン。オーナーは茨城県で長年4MINIを楽しんでいる老舗チーム「Z改」の中心メンバーの息子さんで、小さい頃からモンキー、ゴリラをベースとしたカスタムバイクが身近にあり、ここ数年はチームでレース参戦など、長年親子で、チームでカスタムを楽しんでいる。
今回のリメイクに至ってもフレームの加工から、車体の組み込み、外装のペイントなど、ショップにお願いすることなくチーム内で完結(チーム内に各スペシャリストがいる)。もちろん他のチーム員のマシンも超がつくスペシャルなカスタムが施されている。
今回の車体は、元々は10インチホイールを履いたモンキーだった車体をベースに、ワンオフ製作したセブンスター仕様の12インチホイールを投入し、外装をゴリラすることでガラッとイメチェン。インチアップに合わせフレームはタンク下で4.8cm延長加工を施しロング化。フレームの延長に合わせてタンクやシートのマウント位置も前方に変更されているので、違和感のない仕上がりとなっている。
このセンスは長年カスタムを楽しむお父さん、チームメンバーならではと言える。ここからは気になるマシンの細部を紹介していこう。
エンジンはキタコ製DOHCボアアップキットで124cc化。ジェネレーターのカバーはモンキーR用を流用しメッキ加工。ダウンチューブを装着することでより車体の剛性アップはもちろん、バイクらしい見た目となってる。排気量アップに合わせてクラッチはデイトナから発売される2次側湿式クラッチキットの油圧式モデル、ハイドロリッククラッチキットが組み込まれた。削り出しのクラッチレリーズボディがカスタム感をUPしてくれる。
フレームとギリギリのクリアランスで装着されるキャブレターはTMRのダウンドラフトタイプ、TDMRΦ32。車体が小さく限られたスペースに装着できる人気のレーシングキャブレター。
フロントフォークはNSR50から流用。専用のステムなども用意されているので、ボルトオンで取り付け可能となっており、インチアップする際の必須カスタムパーツとなっている。ビキニカウルの下にはオイルクーラーも装備され、走行風を利用してボアアップしたエンジンの熱を効果的に冷やせるようになっている。
トップブリッジ下に入る削り出しのアイテムは、ステムシャフトを延長できるカラーとなっており、フォークの突き出し量を減らし、トップブリッジを上方に寄られるGクラフトならではのアイデア商品。GクラフトではNSRやKSRフォークに合わせたステムキットや、ワイドホイール用など様々なパーツが用意される。
ホイールはワンオフで製作された12インチで、デザインは往年のセブンスター仕様。タイヤには静岡にあるカスタムショップ「Falcon」オリジナルの扁平タイヤFMRを合わせた。
Gクラフトのアルミスロングイングアームにはデイトナから発売されていたアルミビレットアジャスタブルリアショックを合わせるなど、玄人ならではのパーツ選びもポイント。
マフラーは三重県にあるウィリーキッズでワンオフしたフルチタン。チタンならではの焼け色が外装やブレーキなどの小物と相まってマシンの完成度を更に高める。同社はミニバイクだけでなく、ビッグバイクにおいてもワンオフのチタンパーツを製作しており、オンリーワンなパーツをお探しの方は注目してほしい。
サイド、テールカウルは永遠の人気アイテムZ2仕様。今では減ってきてしまったが、こういったレプリカ外装が多くリリースされており、手軽にカスタムを楽しめるのもモン・ゴリ系カスタムが人気の理由の1つ。ナンバーはイベントに合わせて製作された化粧プレートを装着。多くの4MINIユーザーがこういったプレートを製作し、カスタムをイベントを楽しんでいる。
Z改では年に数回「茨城4ミニラウンドラリーミーティング」というツーリングイベントを開催中。拠点である茨城県内を「走り」を通じて、ユーザー同士の親睦を深めようと開催されるイベントは参加無料な上、途中参加、途中離脱もOK。走ったことがない場所でもチームのメンバーが曲がり角やわかりづらいポイントで待機・誘導してくれるので、安心して走ることができる。ミニバイクユーザーであれば参加してみてはいかがだろうか? イベントの告知や詳細などはチームHPに記載があるのでご確認を。
文・写真:山ノ井敦司