プライベート製作車両にワンモアポイントを追加

CB-F/R各車に性能アップや高耐久化などさまざまなチューニングを施してきたタジマエンジニアリング。生産40年を経る中で、今までの整備内容が通用しないというケースへの配慮や、今までより1段上の整備も提案してくれる。

さらに現代表となった村嶋さんは、同店創設者である故・田島さんとともに築いたCB-Fノウハウで、オーナー個々にフィットする仕様のことも重視している。このCB1100Rは、その好例と言える1台だ。

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「オーナーさんは女性なんです。身長が145cmくらいの小柄な方。それでこのCB1100Rに乗るに当たって、ストリートで無理がないように、足着き性を良くするような加工を施しています。とは言っても当店での作業はそれと、あとスイングアームへのスタビライザー追加くらいで、他のパートはオーナーさんとパートナーさんがプライベートで作り込んだものです」

そう言われて車両全体を見ても、いわゆる足着き良化策でよく聞かれる、ローダウンされたような箇所はまったく分からない。スイングアームも普通の角度だし、リヤショックの長さや角度も普通だ。どのような加工をしたのだろう。

「フレームを加工しました。燃料タンクの後ろ、シートレールの始まるところでいったんフレーム(シートレール)をカットします。それでシートレールを下げて、再溶接。これでシートが下がります。その後ろのリヤフェンダー部分では再度上げて、テールランプ位置は元と変わっていません。シートカウルは車外品を元にオーナーのパートナーさんがきれいに成形して、このように自然に見えます」

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タンク位置も維持され、シートの前両サイドもスムーズ化する。乗り味に関しても見た目同様に自然で問題もなく、ストリートでとくに気になる足着きに対しては、安心感は大きく高められた。

「ライダーに優しいライダーフィットの見本と取ってもらえるといいですね。カスタムということでは過激なこともやれますけど、それだけでも面白くない。せっかくですから、思うように乗れるようになればいいかなと」

エンジン仕様や各部パーツのセレクトもその範疇。車両各部にホンダ現代車の純正パーツを使うのも、全体に純正らしい雰囲気が作れるように。もちろんスペシャルパーツを使っても、きっちりパッケージングできる。どう乗りたいか。そして、どんな希望や不安があるかも伝えれば、さまざまな手法で応えてくれるタジマエンジニアリング。この車両の場合は、CB1100Rというモデルに無理なく乗れることがベースにあった。乗れれば、さらにどうするかの想像も膨らむし、それはいずれ同じように具体化していける。その好例と言っていいだろう。

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ステアリングステムはCB1300SF(SC54)で、フォークオフセットは純正45mmから35mmとして前後17インチホイール仕様に合わせる。メーターは樹脂製の純正に換えてカーボンのマウントパネルを作製した上で純正メーターを同様に配置している。フロントマスターはホンダ純正流用で、クラッチレバーはアルミ削り出しのアントライオンをセットしている。

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シートカウルはCB1100R純正同形状の社外品を元に、フレーム加工に合わせた加工が施され、車両全体の雰囲気を維持する。純正パターンの赤/白/青トリコロールカラーはラッピング塗装され、タンクの赤やシートカウルの青の中にもグラフィックが見える。テール両サイドの#74は加藤大治郎選手リスペクト。

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シートカウルを外した状態。フレームのシートレール開始部(写真右端)でいったんフレームを切り離し、シートレールを必要な部分まで下げて再溶接。燃料タンク後ろマウントにはアダプターを介してタンクの高さを維持、シートレール後半部は純正位置まで上げて、テールランプは元の高さに収められる。足着きは良化し、ディメンション面の変化やネガはない。中央の白いパーツはシートカウル支持用パッドだ。

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シートカウル部を横から見た状態。タンク位置やテールランプ位置はそのままでシート自体は下がっているのに、見た目の違和感はない。

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エンジンはCB1100Rで、ジェネレーターをタジマオリジナルに変更。またキャブレターはTMR-MJNのデュアルスタックファンネル仕様を装着する。なお、この車両はフレーム加工以外の作業は基本的にオーナーが行っている。

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フロントフォークは、CB1300SFのφ43mmインナーチューブ/カートリッジインナーにCB1000SFのクイックリリースタイプボトムケースを組み合わせたハイブリッド。ボトムケースはCB1100Rの純正に合わせて赤仕上げした。CB1000RC/RDのφ39mmから大径化し、機能も高めている。フロントブレーキキャリパーはブレンボ・アキシャル4ピストンを使う。

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リヤブレーキキャリパーはAPレーシングCP3696で、前後ホイールはCB1100Rのブーメランコムスターに合わせたゴールドカラーのMAGTAN JB1、2.75-18/4.50-18サイズを選択して軽量化等にも配慮する。

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リヤショックはオーリンズをウイリースイングアームに組み合わせている。スタビ追加はタジマでの作業。ドライブチェーンにはRKの530サイズをチョイスした。

取材協力:タジマエンジニアリング

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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