2023年4月16日、2023 MotoGP世界選手権第3戦アメリカズGPが行われた。Moto3クラスでは予選3番手スタートのイヴァン・オルトラ(Angeluss MTA Team)が激しいトップ争いを制し、同クラス初優勝を達成した。

J.マシアが今季初のポールポジションを獲得

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前戦アルゼンチンGPでは鈴木竜生(Leopard Racing)が久しぶりの優勝を達成したが、第3戦アメリカズGPの予選では、鈴木のチームメイトであるジャウマ・マシア(Leopard Racing)がポールポジションを獲得した。

上位4名がQ2に進出できるQ1。日本人ライダーでは山中琉聖(Valresa GASGAS Aspar M3)と古里太陽(Honda Team Asia)がQ1から出走。両者ともタイム更新に苦戦するも、山中がラストアタックで4番手に食い込み、Q2進出を決めた。古里はQ1を5番手で終え、惜しくもQ2進出を逃している。

Q2では山中を加えた4名が出走。開幕からポールポジションを獲得し続けている佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が3戦連続でポールポジション獲得を目指す。2番手タイムをマークした佐々木はポールポジション獲得を狙いラストアタックを敢行するも、タイムを更新することができず予選は2番手で終えることになった。

佐々木の3戦連続ポールポジションを阻止したのはマシア。今季初のポールポジションを獲得している。2位に佐々木、3位にはオルトラが入っている。

Q1から上がってきた山中が7番グリッドを獲得。前戦ウィナーの鈴木は10位、鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)はセッション終盤にハイサイドを喫し15位で予選を終えている。

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Moto3クラス2年目のI.オルトラがGP初表彰台&初優勝

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決勝日は晴天に恵まれ、気温18度、路面温度32度のコンディションの中、全14周でレースが行われた。

予選4位のディオゴ・モレイラ(MT Helmets - MSI)がホールショットを奪いトップに浮上。しかし2周目に佐々木がモレイラをパスしトップに立つ。ペースの速い佐々木が先頭に立ったことにより、先頭集団は早くも5台に絞られることとなる。

前戦優勝で勢いに乗りたい鈴木だったが、5周目のターン5でハイサイドを喫し転倒。悔しいリタイアとなった。

佐々木が引っ張る先頭集団は大きく順位が変動することなくラップを消化していく。動きがあったのは残り4周、佐々木の背後につき、様子を伺っていたマシアがターン12で仕掛けトップに浮上。トップの座を奪われた佐々木は残り3周のバックストレートでマシアを抜きかえしトップに返り咲く。しかし続くターン13で痛恨のハイサイドを喫してしまいまさかのリタイア。アルゼンチンGPに続き無念の転倒リタイアとなってしまった。

転倒した佐々木を避けたマシアが5番手に後退するも、すぐにトップ争いに復帰。代わりにトップに立ったオルトラは、ラストラップでザビエル・アルティガス(CFMOTO Racing PruestelGP)と優勝争いを展開。一度アルティガスに抜かれるも、バックストレートエンドでトップを奪い返し、残りのコーナーでも首位を開け渡さずトップでチェッカーを受けた。オルトラにとって初の表彰台獲得が初優勝となった。

2位は最終コーナーでアルティガスからポジションを奪い取ったマシア、3位は惜しくも2位のポジションを明け渡してしまったアルティガスとなった。日本勢の最上位は山中の9位。鳥羽が11位、古里は20位でレースを終えている。

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2023 Moto3 第3戦 決勝結果

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ヨーロッパラウンド突入! 第4戦の舞台はヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエト

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アルゼンチン、そして今回のアメリカでの戦いを終えたグランプリは、次戦からヨーロッパに戦いの場を移すことになる。ヨーロッパラウンド開幕戦の舞台は、スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトだ。

Moto3クラスにも数多くのスペイン人ライダーが参戦しており、目の肥えたファンが見守るヘレスでの優勝は、彼らにとって是が非でも獲得したい特別な1戦と言える。

昨年はスペイン人ライダーで、今回のアメリカズGPで復調してきたマシアがヘレスで3位表彰台を果たしている。日本人では鈴木がヘレスでMoto3クラス最多のポールポジション獲得回数を誇る。今回優勝した流れを止めてしまった鈴木だけに、得意なヘレスで復調のきっかけを掴んで欲しいところだ。

また、鈴木以外の日本人ライダーもヘレスでは上位でフィニッシュしており相性が良いサーキットなのかもしれない。母国レースに燃えるスペイン人ライダーを相手に、日本人ライダーの逆襲は見られるのであろうか。第2の開幕である第4戦も目が離せない。

レポート:河村大志

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