エンジン型式も価格もまったく異なる2台の250ネイキッドスポーツだが、それぞれのメーカーで250ccギア付きバイクのエントリーモデルという位置付けは共通している。似ても似つかぬ2台のバイクを、これまた身長も体型も異なるふたりのテスターが比較!
文:横田和彦、ノア セレン/写真:関野 温
画像: 横田和彦(左) 16歳で原付免許を取得後、さまざまな排気量のバイクを乗り継ぐ。プライベートもバイク漬けで、日常の足からイベントレース参加まで幅広く活動中。身長165cm。 ノア セレン(右) 大排気量のスズキ バンディット1200とアプリリア トゥオーノ1000、そして普段使いにはヤマハ トリッカーを所有するヒョロ長の185cm。

横田和彦(左)

16歳で原付免許を取得後、さまざまな排気量のバイクを乗り継ぐ。プライベートもバイク漬けで、日常の足からイベントレース参加まで幅広く活動中。身長165cm。

ノア セレン(右)

大排気量のスズキ バンディット1200とアプリリア トゥオーノ1000、そして普段使いにはヤマハ トリッカーを所有するヒョロ長の185cm。

250ccネイキッドスポーツバイクの特徴・魅力とは?

軽量・スポーティ・個性豊かで・日常にもフィットする気軽さがあって・しかも車検も無い。250ネイキッドスポーツはいつだって良きエントリーモデルであると同時にアガリバイクとしての素質も持つカテゴリー。色んな要求に応える懐の深さがあるのだ!

画像: ヤマハ「MT-25」税込価格:53万2500円|スズキ「ジクサー250」税込価格:48万1800円

ヤマハ「MT-25」税込価格:53万2500円|スズキ「ジクサー250」税込価格:48万1800円

250ccネイキッドスポーツは各社から販売されている人気のカテゴリー

ホンダ「CB250R」

税込価格:56万4300円


KTM「250DUKE」

税込価格:66万5000円

カワサキ「Z250」

税込価格:63万8000円


ベネリ「TNT 249S」

税込価格:74万8000円 / 特別色グリーン75万9000円

ネイキッドならより気軽にスポーティ感を味わうことができる!(横田和彦)

250ccスポーツのメリットは、大排気量スポーツよりも車体サイズがコンパクトで車重も軽いため、「気軽に乗り出せる」こと。またエンジンパワーが強大すぎないので、一般公道レベルの速度域であってもスポーティな走りが十二分に堪能できる。そしてそれがアップハンドル&カウルレスのネイキッドであれば、街乗りやツーリングがしやすくなるというオールラウンド性が高まるのだ。普段は通勤・通学の足としてカジュアルに使い、週末はちょっと足を伸ばして郊外までツーリング。そしてイザとなればフルカウルスポーツに引けを取らないパフォーマンスで、スポーツライディングに対する欲求を満たしてくれる。そんな魅力が詰まったカテゴリーだ!

よりたくさん乗る機会があるからなるべく「使える」のがスキ!(ノア セレン)

スタンダードなスーパーカブのような本当の「実用車」だって、趣味心を持って接すればけっこうアクティブに楽しく乗れちゃうもの。だからこそ250ccクラスのように気軽に付き合える排気量帯は、妙に趣味性をアピールして個性が強いモデルよりも、実用車に近い「使える性能」があると良いなと思っている。無理のない乗車姿勢と素直かつ常用域で元気なエンジン、燃費が良くて尻が痛くならない。取り回しがしやすくて荷物も積載しやすい、みたいな高い総合性能が大切だ。特化した性能や奇抜なルックスよりも、日常的に長く付き合えるようなそんなヤツ。ワインディングも楽しいとなお良し。うわぁ、こう書くとかなり欲張り。あれ? もしかしてジクサー、ピッタリじゃない?

MT-25 VS ジクサー250|スペック・カラー・ライディングポジション 比較

スペック比較

MT-25ジクサー250
税込価格63万2500円48万1800円
全長×全幅×全高2090mm×755mm×1070mm2010mm×805mm×1035mm
軸間距離1380mm1345mm
シート高780mm800mm
車両重量167kg154kg
エンジン形式・排気量水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒油冷4ストSOHC4バルブ単気筒
排気量249cc249cc
最高出力35PS/12000rpm26PS/9000rpm
最大トルク2.3kg-m/10000rpm2.2kg-m/7300rpm
燃料タンク容量14L12L
変速機形式6速リターン6速リターン
タイヤサイズ前・後110/70-17・140/70-17110/70R17・150/60R17
ブレーキ前・後ディスク・ディスクディスク・ディスク
メーター表示速度計、回転計、瞬間/平均燃費計
水温計、ギアポジション、デュアルトリップ
シフトタイミングインジケーター、時計
オイルチェンジインジケーター
速度計、回転計、インジケーター
デュアルトリップ、ギアポジション
燃料計、時計
オイルチェンジインジケーター

MT-25 カラーバリエーション

ジクサー250 カラーバリエーション

シート高&タンデム比較

ジクサー250 シート高:800mm

画像1: 【比較】ヤマハ「MT-25」VS スズキ「ジクサー250」|スポーツ走行・街乗り・ツーリング性能・装備類まで徹底チェック

ライダーが腰高な位置に座っていることもあって、パッセンジャーとの一体感は高い。車両重量が軽いこともあって長距離は厳しいか?

画像2: 【比較】ヤマハ「MT-25」VS スズキ「ジクサー250」|スポーツ走行・街乗り・ツーリング性能・装備類まで徹底チェック

MT-25 シート高:780mm

画像3: 【比較】ヤマハ「MT-25」VS スズキ「ジクサー250」|スポーツ走行・街乗り・ツーリング性能・装備類まで徹底チェック

シートが低く着座位置も低いのだが、パッセンジャー位置は高めで運転者との一体感は希薄。パッセンジャーの見晴らしはグッド!

画像4: 【比較】ヤマハ「MT-25」VS スズキ「ジクサー250」|スポーツ走行・街乗り・ツーリング性能・装備類まで徹底チェック

ハンドル・シート・ステップとライディングポジションの関係

同じ250ccスポーツでもライディングポジションがあまりに違ったため、参考値として腰の位置・ハンドル・ステップの3角形を実測してみたところ、写真下のような結果に。ここで示される3角形は、まさに乗車感覚を表していて、ジクサーの方が腰高でアグレッシブな姿勢、スポーティかと思ったMTの方はリラックスしたものだった。どちらが良いということはなく、MTが伝統的でジクサーがモダンという印象か。一般的な日本人体形の横田さんはMTの方がしっくりきたが、長身のノアは膝の曲りに余裕のあるジクサーも魅力的だ。

MT-25

画像1: ハンドル・シート・ステップとライディングポジションの関係

ジクサー250

画像2: ハンドル・シート・ステップとライディングポジションの関係

エンジン比較

気筒数も冷却方式も違う

それぞれのキャラクターを決める大きな要素がエンジンの違い。MT-25の水冷・並列2気筒エンジンはYZF-R25と共通のもの。振動が少なく中~高回転域で高いポテンシャルを発揮する。ジクサー250は油冷・単気筒。低~中回転域のレスポンスに優れ、鼓動感が伝わってくる。得意とする回転域が異なるのだ。またエンジンの重さがハンドリングに影響している。軽い単気筒エンジンを搭載するジクサー250はライダーの入力に敏感に反応するのに対し、MT-25は挙動にやや手応えを感じる。軽快感としっとり感の違いが生まれる要因のひとつなのだ。

MT-25

画像1: エンジン比較

ジクサー250

画像2: エンジン比較

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