今回はKTM ニューRC390がちょっと目立ってました

毎度おなじみ、Webオートバイで熱烈肩入れ応援しているJP250です。ご存じのように、市販250ccスポーツバイクをベースとした車両(こーゆーのをプロダクションクラス、って言います)で行なわれるJP250クラス。現在はホンダCBR250RR&CBR300R/ヤマハYZF-R25/カワサキNinja250&NinjaZX-25Rに加え、22年シーズンからYZF-R3、それにBMW G310RとKTM RC390がエントリー可能になって、最強マシン・CBR250RRに立ち向かっている、そんなシーズンです。
その新勢力は、第2戦・菅生大会にYZF-R3がエントリー。ここでは、全日本ロードレースのベテラン、元GP250&ST600チャンピオンの横江竜司が参戦し、ブッチギリでポールtoウィン! このレースに関しては、いくら横江がYZF-R3にほとんど乗ったことなくたってズルいよ、横江はやすぎるもん、って声が大きかったですね。
っていうのも、見ていたらトップスピードはまだCBR250RRのほうが速いし、横江はコーナーの脱出が上手いんです! これ、STの頃から言われてましたもんね、同じマシンに乗ってても竜ちゃんだけ速い、って。特に横江、菅生が地元ですからね、R3がそんなにすぐに速いんじゃない、とも言われたんですけどね。
↓菅生大会の模様はコチラをどーぞ

続く第3戦・筑波大会にもYZFーR3が登場。今度もR3がポールポジションを獲りますが、ライダーは全日本ST600ライダーの井手翔太。これもライダーが速いでしょーに!と思われたんですが、井手は決勝レース開始早々にマシントラブルでリタイヤ。やっぱりCBR250RRが勝ったんですが、実はこのレースの国内ライセンス3位に入った久川鉄平(125TEAM KYOEI with ARATA)がYZF-R3だったんですね。しかも久川、まだ中学3年生で、この筑波戦がYZF-R3の初レースだったんです!
菅生みたいにメインストレートがのぼり坂で、バックストレートも長いコースは、さすがに320ccのR3が速いよねぇ、って言う人はいたんですが、筑波はそれと正反対のレイアウトですからね。登場間もないマシンなのに、もう強みを出してくるなんてスゴい、ってのがCBRユーザーチームの思いだったでしょうね。
↓筑波大会の模様はコチラをドーゾ

そういう流れで迎えた第3戦オートポリス大会。このコースも、コース後半が上り坂でメインストレートも長いパワーサーキット。てことはR3また強いだろうなぁ、なんて思ってウィークに入ったら、残念ながらR3のエントリーは久川の1台だけ。もうちょっと台数が出揃えば面白いんだけどなぁ、って思いは2023年に取っておく方がいいのかな^^

画像: カワサキプラザ福岡東の太田達也 マシンどんどん仕上がってきてZX-25Rは岡山の地方選で優勝してます!

カワサキプラザ福岡東の太田達也 マシンどんどん仕上がってきてZX-25Rは岡山の地方選で優勝してます!

その代わり、このレースにはカワサキの4気筒マシンNinja ZX-25Rが3台と、KTMのRC390が2台エントリー。ZX-25Rが3台も揃うの、初めてじゃない? まだまだCBR250RRに対して強みを見せられていないZX-25Rですが、集団の中に1台でも入っていると、すぐわかりますね。官能の4気筒サウンド、JP250でももっとおなじみになってほしいねー。

画像: 色見がMotoGPマシンっぽい!(笑) KTM福岡の黒田、地方選でマシン育てて、また来年ここで会いましょう!

色見がMotoGPマシンっぽい!(笑) KTM福岡の黒田、地方選でマシン育てて、また来年ここで会いましょう!

サウンドといえば、KTMのRC390。こちらは390ccの単気筒なので、これも2気筒勢とは明らかに違うズドドドドな音で、おぉ単気筒エンジンきたー!って思うんですが、今回のRC390は今シーズン3度目のJP250になる佐久間咲斗(KENZ with Sunny moto Plannning)ともう一台、KTM Fukuoka Racingからも黒田幸利がエントリー。ん?ちょっとカウル違うな、と思ったら、黒田のRC390は日本入荷したての22年モデル、つまり新型RCだったんです! 前に佐久間のチームのアドバイザー(?)としてチームに入っている小室旭に聞いたんですが、小室がいうには
「RC390、すごいポテンシャルあるけど、新型待ちかなー。22年モデル、海外では発表されてるんだけど、日本にまだ入ってこないんですよー」ってことだったので、いよいよですね、これからRC390が出てくるかもしれません。

画像: サニーモトプランニングの佐久間 ちょっとずつマシン仕上がってきて、今回はストレート速かった!

サニーモトプランニングの佐久間 ちょっとずつマシン仕上がってきて、今回はストレート速かった!

その黒田は、ニューマシンのデビュー戦ってことで予選通過ならずだったんですが、このレースは佐久間のRCが速かった! それも、やっぱりオートポリスのレイアウトの肝である、コース後半の登坂とかメインストレートが速い! 250ccの2気筒に対抗して390ccの単気筒、それで単気筒ならではのアクセル開け時のトルクを生かして、メインストレートは結構ファイナルがロングだたんじゃないかなぁ、って伸びでしたね。CBRで近くのポジションを走っていたライダーは、KTMがストレートでどんどん遠ざかっていく--ってぼやいてましたからね。RC390もCBRとは違う武器もってて今後が面白そう!

画像: 2周目の1コーナー #26ニトロが前、#73中村が外からかぶせます!

2周目の1コーナー #26ニトロが前、#73中村が外からかぶせます!

そしてレースは、珍しく金曜から好天に恵まれたオートポリスで、今年のJPの顔が上位陣に出揃いました。予選ポールポジションは中村龍之介(ENDLESS TEAM SHANTI JP)がコースレコードをマークしてゲッツ、2番手に筑波大会のウィナー石井千優(SDG N-PLAN Racing)、3番手にここまでナショナルライセンス負けなしの山根昇馬(KIJMA KISS RACING TEAM 。)4番手以下に桐石世奈(Challenge Fox Racing)、つい先日に菅生で行なわれたアジア選手権のAP250を勝ったニトロタナカこと田中敬秀(7C M'sHome NTR YUE GOSHI)が5番手、6番手に岡山を地元とする野村唯人(SHIN RIDING SERVICE)とここまでが2列目です。注目のR3久川は11番手、RC390の佐久間は14番手です。

画像: こういう大接戦がJPの楽しさ! これはレース中の2番手争いですが、周ごとに先頭が変わるんです

こういう大接戦がJPの楽しさ! これはレース中の2番手争いですが、周ごとに先頭が変わるんです

決勝レースは山根がホールショットを獲り、ニトロタナカ、野村がダンゴで1コーナーに進入していきます。2周目の1コーナーではニトロがトップ、スタートでちょっと下がった中村、山根が続きます。中村、予選からすんごい乗れてましたからね。中村によると「ちょっとセッティングがビタ決まりしなくてもあとはライダーでなんとかする」走法をアジア選手権で見出したそうです。どんな走法だそれ(笑)。

画像: 予選も決勝もすごい乗れてました、という中村 筑波で石井に負けた悔しさ、返しました!

予選も決勝もすごい乗れてました、という中村 筑波で石井に負けた悔しさ、返しました!

しかし、3周目にはその中村がトップへ。ニトロ、石井、野村が続いて、山根が少し遅れました。こういうパワーのない250ccでオートポリスなんてデカいコースを走ると、一瞬のミスの失速で取り返しのつきにくい差がついちゃいますからね、それだけ気が抜けないレースなんです。
レースはここで中村が逃げ始めます。ニトロ、山根、石井、野村が続いて2番手争いがスタート。レースは10周って短期決戦で、このまま中村が逃げ、フィニッシュ時にはJPには珍しい6秒近くの差をつけてのゴール! 2番手争いは、山根、石井、野村が周回ごとにポジションを入れ替えて、ニトロが下がる代わりに桐石が浮上。山根、野村、石井の2番手争いは山根→石井→野村→桐石→ニトロの順でフィニッシュ。国際ライセンスクラスは中村が、総合2位に入った山根が国内ライセンスクラス負けなしの3勝目を上げました。

画像: #8野村が先頭集団を走るようになってきました! JPトップライダーに割って入ってます

#8野村が先頭集団を走るようになってきました! JPトップライダーに割って入ってます 

20年までの笠井、そして21年の篠崎という絶対王者がいないぶん、より接戦で、しかもレベルもどんどん上がっているJP250クラス。今は、CBR250RRのスピードを封じるように、まずはレギュレーションでR3やRC390、それにZX-25Rの性能調整しなきゃだめだなー、と思います。このままCBRが独走を続けたら、CBR以外のエントラントはヤル気なくなっちゃうから、クルマのGTのレースみたいに、勝ったマシンにはウェイトハンデとかつけるの、近道なんじゃなかな、ってずっとつぶやいてるんですけどねー。R3が320ccならZX-25Rも300cc(そんなキットないけど・笑)にできたり、最低重量を下げてあげたり、エアダクトとかファンネルで優遇するとかね。
それもプロダクションマシンレースの避けられない道、あるあるだと思うんですよ!

画像: JPには珍しいぶっちぎりのレースを勝った中村 この男、勝つと↓こうなります

JPには珍しいぶっちぎりのレースを勝った中村 この男、勝つと↓こうなります

画像: 表彰台からどーん! 右の桐石は笑ってますが、左の石井は「なにやってんのアンタ」って顔。このふたり、仲いいからね(笑)

表彰台からどーん! 右の桐石は笑ってますが、左の石井は「なにやってんのアンタ」って顔。このふたり、仲いいからね(笑)

画像: 笑わない男、山根の精一杯の笑顔 これで山根、ナショナルクラス負けなしの3連勝!

笑わない男、山根の精一杯の笑顔 これで山根、ナショナルクラス負けなしの3連勝!

画像: 今回はKTM ニューRC390がちょっと目立ってました
画像: 表彰台のお祝いに写真撮ってください~ってかわいいこと言うので、ヨシヨシおじさんが撮ってあげる、って桐石のサービスカットです

表彰台のお祝いに写真撮ってください~ってかわいいこと言うので、ヨシヨシおじさんが撮ってあげる、って桐石のサービスカットです

写真・文責/中村浩史

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