実用的かつ遊べる原付二種として人気の「クロスカブ110」は、2022年に大幅なモデルチェンジを敢行。足まわりを強化し、乗り味も大きく変わっている。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

ホンダ「クロスカブ110」インプレ(太田安治)

画像: Honda CROSS CUB 110 総排気量:109cc エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒 シート高:784mm 車両重量:107kg 税込価格:36万3000円(くまモン バージョンは37万4000円)

Honda CROSS CUB 110

総排気量:109cc
エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒
シート高:784mm
車両重量:107kg

税込価格:36万3000円(くまモン バージョンは37万4000円)

タフギアイメージに合う足回りと新エンジン

クロスカブ110はアウトドアテイストが魅力のクロスオーバーモデル。そのクロスカブが今回大きく進化した。

大きな変更点のひとつが、ロングストローク化された新エンジン。ボアを47mm、ストロークを63.1mmとした109ccエンジンはパワーが同じで、トルクが若干増している。パワーフィールに劇的な変化はないが、低中回転での力強さ、というか蹴り出し感が増し、トップエンドまでの回転上昇が軽やか。振動も全回転域でマイルドになり、力強さと穏やかさを併せ持つキャラクターになった。

最も違いを体感するのは足回り。今回から前後キャストホイール+前輪ディスクブレーキとなり、フロントにABSを装備。この効果は絶大で、制動力がこれまでとは比べ物にならないほど向上し、タッチも安定していて扱いやすい。ABSの介入タイミングも早過ぎず、頻繁な介入もない。

キャストホイール化でホイール剛性が増し、段差乗り越え時の突き上げ感は若干硬くなったが、チューブレスタイヤが装着できるようになり、急激なパンクのリスクが減ったことをユーザーは喜ぶべきだろう。ハンドリングは軽快なままで、動きのいい前後サスと速度域に合った車体剛性で乗り心地もいい。

今回のエンジン、足回りの改良はクロスカブのキャラクターにマッチしたもの。価格はアップしたが、内容を考えれば非常にお得。CT125ハンターカブのライバルとなり得る一台だ。 

ホンダ「クロスカブ110」ライディングポジション・足つき性

シート高:784mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像: ホンダ「クロスカブ110」ライディングポジション・足つき性

高い位置にセットされたハンドルで肘の曲がりに余裕があり、悪路で車体が暴れても抑え込みやすい。最低地上高の確保と肉厚シートの採用でシート高は784mmになっているが、腰を前側にずらせば足着きで困ることはないだろう。

ホンダ「クロスカブ110」注目ポイント

画像: ブラックを基調とした文字盤のメーターは、下部に液晶モニターを採用した新タイプ。ギアポジション表示など機能も多彩だ。

ブラックを基調とした文字盤のメーターは、下部に液晶モニターを採用した新タイプ。ギアポジション表示など機能も多彩だ。

画像: クロスカブ110独自の装備が、2ポットキャリパーとブラック仕上げの前後キャストホイール。よりタフな使用環境にも耐える仕様だ。

クロスカブ110独自の装備が、2ポットキャリパーとブラック仕上げの前後キャストホイール。よりタフな使用環境にも耐える仕様だ。

画像: ブラック仕上げのスプリングを持つサスや、放熱スリットの入った遮熱板つきのマフラーなどでスポーティイメージも演出。

ブラック仕上げのスプリングを持つサスや、放熱スリットの入った遮熱板つきのマフラーなどでスポーティイメージも演出。

ホンダ「クロスカブ110」主なスペック・価格

全長×全幅×全高1935×795×1110mm
ホイールベース1230mm
最低地上高163mm
シート高784mm
車両重量107kg
エンジン形式空冷4ストSOHC単気筒
総排気量109cc
ボア×ストローク47.0×63.1mm
圧縮比10.0
最高出力5.9kW(8.0PS)/7500rpm
最大トルク8.8N・m(0.90kgf・m)/5500rpm
燃料タンク容量4.1L
変速機形式4速リターン
キャスター角27゜00′
トレール量78mm
タイヤサイズ(前・後)80/90-17M/C 44P・80/90-17M/C 44P
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・ドラム
乗車定員2人
燃料消費率 WMTCモード値67.9km/L(クラス1)1人乗車時
メーカー希望小売価格36万3500円(消費税10%込)
くまモン バージョンは37万4000円(消費税10%込)

文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

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