電動車による選手権「トライアルE」最後の年の2021年、王者となったEM=エレクトリックモーションのガエル・シャタヌと、EMのU.K.インポーターであるマシュー・アルプの2名が、1909年からの歴史を持つSSDT=スコティッシュ6日間トライアルに参戦することになりました。これは電動車によるSSDT初挑戦になりますが、5月2日〜7日に彼らがどのような成績を残すことになるのか・・・注目しましょう!
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年3月31日に公開されたものを転載しています。

2020年に果たせなかったEMのSSDT参戦が、ついに実現するか!?

世界最古のトライアルイベントであるSSDTは、2輪史のパイオニア期である20世紀初頭・・・1909年に始まりました。記念すべき最初の大会は、エジンバラ・モーターサイクル・クラブのC.マクレガーが考案したもので、この年だけ6日間ではなく5日間で行われました(翌1910年から6日間という競技期間が定着)。

1911年にはエジンバラ&ディストリクト・モーター・クラブが設立され、初めて公式なSSDTとして大会が開催されることに・・・。以来、同クラブの主催によりSSDTは開催され続け、これまで2度の世界大戦、2001年の口蹄疫、そして2020〜2021年のCOVID-19パンデミックによる中断・中止はありましたが、1世紀を超える歴史を積み重ねてきたわけです。

画像: 1964年のSSDTで優勝した、トライアル界の伝説のコンビネーションであるサミー・ミラーとアリエルHT5 "GOV132"。SSDTに個人賞が導入されたのは1932年より。また初期のSSDTはエジンバラからスタートし、スコットランド各地をめぐってエジンバラに戻る設定でしたが、1977年からはフォートウィリアムを拠点に開催されるようになって現在に至っています。 www.trialscentral.com

1964年のSSDTで優勝した、トライアル界の伝説のコンビネーションであるサミー・ミラーとアリエルHT5 "GOV132"。SSDTに個人賞が導入されたのは1932年より。また初期のSSDTはエジンバラからスタートし、スコットランド各地をめぐってエジンバラに戻る設定でしたが、1977年からはフォートウィリアムを拠点に開催されるようになって現在に至っています。

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画像: The Scottish Six Day Trial 2019 - SSDT 2019 Highlights from Inch Perfect Trials www.youtube.com

The Scottish Six Day Trial 2019 - SSDT 2019 Highlights from Inch Perfect Trials

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実はEM=エレクトリックモーションは2000年SSDT大会に、元トライアル世界選手権王者(1996年)のマルク・コロメと、EMの英国インポーターであるインチ・パーフェクト・トライアルズのマシュー・アルプの両名が参加する予定でした。しかし上述のとおりCOVID-19パンデミックで大会が中止になったため、電動トライアル車によるSSDT初挑戦は幻に終わったのです・・・。

電動車世界王者の活躍に期待しましょう!

去る3月18日に公表されたSSDTの2022年参加者リストには、165番にEMファクトリーライダーで2021年度のトライアルE王者のG.シャタヌ、そして166番にM.アルプの名が記載されていました。そして3月30日、EMのFacebookページにもEMがSSDTに参戦する旨が正式に公表されたのです!

画像: 2台のEピュアレースと、2022年SSDTに参加するEMライダー2名。向かって右がフランス人ライダーで2021年トライアルE王者のガエル・シャタヌ、左がEMインポーター「インチ・パーフェクト・トライアルズ」のマシュー・アルプです。 www.facebook.com

2台のEピュアレースと、2022年SSDTに参加するEMライダー2名。向かって右がフランス人ライダーで2021年トライアルE王者のガエル・シャタヌ、左がEMインポーター「インチ・パーフェクト・トライアルズ」のマシュー・アルプです。

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マシュー・アルプ(インチ・パーフェクト・トライアルズ)
「SSDTには過去に7回、従来(※内燃機関搭載)のトライアルバイクで出場し、常にイベントを楽しんできました。今日、EMチームの一員となることは特権であり名誉であり、言うまでもなく私とEMブランドにとって、最もエキサイティングでチャレンジングなSSDTです」

ガエル・シャタヌ(2021年トライアルE王者)
「スコティッシュは私にとっても、EMチームにとってもとてもエキサイティングなものになると思います。なぜなら、今までに行われなかったことをするのですから。Eピュアレースは(※セクションの)小川でとても良いフィーリングで、このようなハードなコンディションで、自分を追い込む準備はできています」

すでにEMのSSDTチームは、大自然の地形を活かしたSSDTコースを想定した準備を進めており、G.シャタヌのInstagramにはインチ・パーフェクト・トライアルズの協力の下、電動車のEM Eピュアレースで英国でのトレーニングに励む様子をおさめた動画や写真が投稿されています。

Instagram

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最近は英国も、COVID-19の変異種による感染再拡大が懸念されていますが、なんとか被害が広がることなく、5月開催予定のSSDTが無事に行われることを祈りたいですね。電動トライアル車のEM Eピュアレースが、初挑戦でどのような成績を残すのか・・・? 期待しつつ5月の訪れを待ちたいです!

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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