東京発・京都着。なるべく林道を多く走る1人ツーリングラリー「1週間林道ツーリング」にCRF1100Lアフリカツインで旅だった三橋淳さん。いよいよ最終日、京都の街を目指せば旅は終わる……のだが、ゴールを目前にこの旅でもっともハードな林道に突入。無転倒で切り抜けられるか!?
以下レポート:三橋 淳

心配になる京都の林道事情

最終日の朝を迎えた。長かったようなあっという間だったような、夢のような1週間林道ツーリングは今日で終わる。窓を開けると霧に包まれて辺りは真っ白。天気予報は晴れマークになっているので、このモヤはじきに晴れていくのだろう。

画像1: 心配になる京都の林道事情

手早く荷物をバッグに押し込み、出発だ。

この辺りにもたくさんの林道があるという。宿を出て少し登ると、だんだんと空が晴れてきて、幻想的な雲が山間に漂う。朝にしか見られない景色だ。

画像2: 心配になる京都の林道事情

さて、近くのガソリンスタンドで燃料を満タンにする。

「この辺の林道走りに来たのかい?」
「そうなんですよ。どこかご存知ですか?」
「いやぁ詳しくはねーけど、あんたみたいなバイクでよくあの辺の林道走りにくるのはいるよ。抜けられない行き止まりなんだけど、楽しいんだろうねぇ」

行き止まりかぁ、残念。で、きっとよく来るバイクの人たちはもっと軽いオフロードバイクなのだと思う。バイクに乗らない人からすると、オフロードスタイルのバイクはみんな同じに見えるのだろう。

ピストン林道は「抜けられない道は選ばない」という私のポリシーに反するのでパス。予定通り地図上で見つけた林道を目指す。

が、しかし、だ。

画像3: 心配になる京都の林道事情

ゲートが閉められ、赤い文字で「林業施設として開設したものであり、目的外のための通行を禁止します」と書かれている。

ところが、これだけ立派なゲートがあるのに鍵がない。鍵がないゲートは獣よけ以外では珍しい。入ろうと思えば入れてしまう。でもゲートの感じからすると入ってきて欲しくない雰囲気ありありである。

あ、そうだ。京都によくお世話になっている四駆ショップがあるので、そこで事情を聞いてみようと電話をかける。

「今林道の入り口にいるんですけどね、ゲートはあるけど鍵かかってないんですよ。これってどうなんですか?」
「おお、今な、ちょうどその辺の林業に詳しい人がいるから代わるわ」
なんという偶然!
「あどうも、三橋さん。あのね、その辺の林道は鍵かけても壊して入りよるんですよ。だからいたちごっこで鍵かけるのやめたんですわ」

鍵壊して入っていくの!? 昨日の競技車両侵入禁止の看板といい、どうなってるんですか京都は!

あまりのことにショックを受けたが、もしかして今日用意している他の林道もダメなのか? と思って聞いてみた。

「他の地域は詳しくないですけど、その辺の林道は大丈夫なはずですよ。変な話聞きませんし」

とりあえずは大丈夫そうだ。しかし現場に行ってみなければわからない。大丈夫であってくれと祈る気持ちで次の林道へと向かう。

約3km、大型アドベンチャーバイクでも楽しめる日置林道

画像1: 約3km、大型アドベンチャーバイクでも楽しめる日置林道

日吉ダムのある天若湖の南側へと伸びる日置林道は、無事通行可能のようだ。何の看板もない。

しかも綺麗に砂利が敷かれていて、フラットでいい道じゃないか!

谷間を抜けていく感じで見晴らしがいいわけではないが、路面が綺麗だ。こちら側からだと緩やかに登っているため、走りやすくて気持ちがいい。

画像2: 約3km、大型アドベンチャーバイクでも楽しめる日置林道

ちょっとジメジメしているものの、光が差し込めば森の美しさが分かる。

わずか3km程度の林道だったが、つなぎの林道としては申し分なし。気分をよくして今回の旅、最後の林道へと向かう。

画像3: 約3km、大型アドベンチャーバイクでも楽しめる日置林道

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