東京発・京都着。なるべく林道を多く走る1人ツーリングラリー「1週間林道ツーリング」にCRF1100Lアフリカツインで旅だった三橋淳さん。これまでに東京都→埼玉県→群馬県→長野県→岐阜県→福井県と抜けてきました。東京を出て7日目、いよいよ京都府へ突入!
以下レポート:三橋 淳

福井県から京都府へ

日本海を見渡す絶景林道・広域基幹林道若狭幹線を走破して、さらに西へ。

オバマ大統領就任時には一躍ブームになった小浜市を抜け、しばらく海沿いを走った後、小浜綾部線に出た。福井側では県道1号で、途中から京都市になるのだが、そこから府道1号となる。どちらも1号線のままなのが面白い。

最後のエリアに突入だ。この旅ももうすぐ終わりなんだな、と思いつつも、日が暮れる前に走り抜けたい! という危機感が強い。

というのも、これから向かう林道は約10kmのロングダートだというし、災害の影響などで走り抜けられなければ、また時間を食うからだ。

時間はすでに15時35分。17時には日が沈んでしまうことを考えると、ノントラブルで抜けたい。そう思いつつ府道487号へと右折する。

細い道を走ると集落があるが、林道の手前は大抵こういう道が多いので、爆音のバイクで走ったり集団で抜けるようなことをしたくない。住んでいる人からすれば、普段は人通りの少ない道に、バイクがいきなり大人数や爆音でやってきたらびっくりするだろう。

この道を地気あたりまで進むと、そこが林道の入り口。といってもまっすぐ行っても林道らしいが、こっちは抜けられないそうで、ピストン林道が嫌いな私は迷わず左側の泉富林道・君尾林道を選ぶ。

画像1: 福井県から京都府へ

ところが、曲がってびっくり。なんか大きな看板がある!

画像2: 福井県から京都府へ

違法車両 通行できません
この林道は公道です。ナンバーの無い競技車両等は通行できません。林業用車両・地元車両・登山者等不特定多数の方が利用する道です。節度を持って安全に走行してください。

なんと、今の時代にナンバーなしで林道を走っている輩がいるのか! 第二次林道ブームといわれた30年くらい前に、こういう輩が林道を荒らし回って各地の林道を通行止めにした歴史が、まだここで繰り返されているのか。

幸いこの林道はまだ節度を持って走ってくださいと書いてある。走ること自体は問題ないようなので、安全運転で走行させていただきます。

雨上がりの泉富林道・君尾林道

さて、道は一般車両も多く入るようなので、すこぶるフラット。しかし、前日の雨のせいで水溜りがすごい。はじめのうちは避けていたのだが、だんだん面倒になってくる。

画像1: 雨上がりの泉富林道・君尾林道

うっそうとした林の感じが里山の林道なんだなぁと思わせる。

道は本当にフラットで走りやすい。よく整備されている。途中腰掛け椅子があったりして、こりゃいろんな人に愛されている道なんだなというのがわかる。

画像2: 雨上がりの泉富林道・君尾林道

こんなフラットで走りやすく、他のクルマの出入りのある林道を競技車両で走って何が楽しいんだろう? まったく理解できない。これ、アフリカツインにこそふさわしい道じゃないか。すごく整備されているから、路面が濡れていてもへっちゃら。楽しい!

徐々に上がるにつれて山深さが増してくる。さっきの里山感はどこに行った? というくらい山の中に入ってきちゃったぞ。ゾクゾクする。

画像3: 雨上がりの泉富林道・君尾林道

この谷間はどこまで続くんだろう? 道なんかなさそうだよ? 京都の山恐るべし! という感じ。

そして山の中だから日が沈むの早い。雲は多めながらも夕焼けが美しい。これで完抜けしてくれれば言うことなしだ!

画像4: 雨上がりの泉富林道・君尾林道

さてこの林道、泉富林道・君尾林道とあるが、北側が泉富林道で、途中から君尾林道と変わる。2つの林道がつながってできた林道だ。

で、どこから林道が切り替わるのだろうと思って走っていたのだが、あまりの気持ちよさに気がつけば君尾林道になっていた。

画像5: 雨上がりの泉富林道・君尾林道

そのぐらい気持ちよくて走りに夢中になってしまった。この林道、最高! 雨上がりの林道でこれだけ気持ちよく走れればいうことないよ。

でも深い水溜りはぬかるんでいる可能性もあるから注意がいるけどね。汚れることも忘れて気持ちよく水しぶき上げてしまった。

画像6: 雨上がりの泉富林道・君尾林道

ダート総距離は12km! 気持ちよかった。

この旅の恒例、当日夕方の宿探し

そんなこんなでダートを抜けたいま、時刻は17時だ。

今夜のお宿はどうしよう? 綾部市まで行けばビジネスホテルはあるかな? と思って細いワインディングロードを降りていると、あやべ温泉の看板を発見! これはもしかして温泉宿だったりするんじゃないの? もしかして泊まれちゃう? でもこの時間からの宿泊だと夕飯無理だよなぁ。でもビジネスホテルで泊まるんだったら、温泉だけでもここで入って行こうか。林道出口にある山間の温泉、いい感じの雰囲気なんじゃないの? 期待して進む。

到着すると、予想していたのとちょっと違った。

画像1: この旅の恒例、当日夕方の宿探し

スーパー銭湯っぽい? 入ってみるとスーパー銭湯というかなんというか……。宿泊もできるのか聞いてみる。

「あの、本日部屋空いてますか」
「空いてますよ」
「ちなみに、夕飯なんて今からでもお願いできたりしますか?」
「できますよ。レストランだから18時半ラストオーダーです」

ご飯食べられる~! 泊まりまーす! 頭の中でパンパカパーンのファンファーレ。林道でてすぐで温泉宿で飯食べられるって最高じゃないですか!

さっそく部屋に入って店を広げて温泉へ。カメラ類の充電をしっかりやらないとね。

画像2: この旅の恒例、当日夕方の宿探し

18時半ラストオーダーだというので18時25分にレストランへ。松茸ご飯などもあったけど、これなら絶対に外さないだろう一品をチョイス。カレーと唐揚げ!

画像3: この旅の恒例、当日夕方の宿探し

大正解、美味しかった!

少し残念だったのはいくつか種類があったであろうデザートたち。レストランに着いた時にはほとんど完売御礼。なぜかプリンだけが残っていた。甘いものが食べたかったのだが、プリンの気分じゃなかった。残念。

画像4: この旅の恒例、当日夕方の宿探し

しかし、海沿い走って海見える林道走って、山深いフラット林道を満喫して、そのまま温泉旅館にゴール。なんていい1日だったんだ。満足満足。

明日はいよいよ最終日。目指すは京の都だ!

〈続く〉

レポート:三橋 淳

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