2019年のミラノショーで世界中にセンセーションを巻き起こしたマシン、ビモータ・テージH2。世界をアッと言わせたセンターハブステアの「革命児」が、カワサキとの業務提携でスーパーチャージャー付きエンジンを得て、どんなモンスターが誕生したのだろうか!?
文:八代俊二、オートバイ編集部/写真:柴田直行 /取材協力:モトコルセ、スティーブモーターサイクルサプライ

ビモータ「テージH2」インプレ&解説(八代俊二)

画像: BIMOTA TESI H2 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC16バルブ並列4気筒 シート高:840mm 車両重量:207kg 税込価格:886万8000円

BIMOTA TESI H2

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC16バルブ並列4気筒
シート高:840mm
車両重量:207kg

税込価格:886万8000円

独特の操作フィールはまさに異次元

テージH2が公開されたのは2019年11月のミラノショー。その独創的なフォルムと圧倒的な存在感に目を奪われた私は、いつか試乗してみたい! と強く願っていたが、今回大分県のSPA直入で試乗できることになった。

SPA直入は1周1.43kmのコンパクトなサーキットだが、その昔リッタースーパースポーツの比較試乗で走り込んでいる。最高速は低く抑えられるものの、低中速をメインにアップダウンも加わったコースレイアウトは、マシンの基本特性を理解するには十分だ。

画像1: ビモータ「テージH2」インプレ&解説(八代俊二)

走り始めから感じたことだが、アベレージスピードを上げて改めて実感したのは、テージH2の軽さ。

まるでジェット戦闘機の主翼のように鋭く左右に張り出したウイングとボリューミーなフロント周り、車体右後方に大きく張り出したマフラーなどの影響で大柄に見えるが、実際に跨ってみるとハンドル高は低く幅も広いものの、ハンドルバーからシート後端までのスパンが短いせいか上半身の圧迫感は薄く、逆にハンドルをしっかり押さえ込める分、マシンとの一体感は高い。

ただ、それを差し引いても、マシンを倒し込む時の抵抗の無さは驚くべきもので、他のバイクに比べ明らかにバンキングの初動が軽い。そして一旦バンキングを始めると、車体の中心部が沈み込むような安心感を与えながらコーナリングを続ける。

画像2: ビモータ「テージH2」インプレ&解説(八代俊二)

定常旋回中の安定感の高さとしなやかさは、他では味わうことが出来ない、テージH2特有のものだ。

雨上がりで路面状態が微妙だったので1コーナーでのフルブレーキングは控えたが、それでも通常のフルブレーキング時に感じられるマシンの姿勢変化や、自分が前に飛ばされてしまうような荷重移動は感じられず、身体の負担は極端に少ない。むしろ平穏なままブレーキングが完了してしまうので、フロントタイヤの限界が分からないくらいだ。

ただ、倒し込みが軽く、コーナリング中も操舵はしやすいが、オーバースピードでコーナーに進入したり、コーナリング中にアクセルを開閉する走り方は適していない。

画像3: ビモータ「テージH2」インプレ&解説(八代俊二)

ニンジャH2譲りのエンジンはレスポンスが鋭い分、パワーの立ち上がりも急激で、せっかくのしなやかな乗り心地に水を差してしまうからだ。

コーナーで突っ込みすぎることなく、しなやかなハンドリングを楽しむ。テージH2には、このバイクでしか味わえない特別なライディングワールドがあるのだ。

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