カタナの意匠を引き継ぎつつ唯一無二のスタイルへと進化した『KATANA』はどんな乗り味のマシンでしょうか? GSX-S1000シリーズを母体にしながらも、スポーツ走行やツーリングなどオールマイティに楽しめるKATANAのツーリング性能を検証します。

文:岩瀬孝昌(編集部)

「よく声を掛けられる」ことがすでにKATANAの存在感を証明している

画像1: 「よく声を掛けられる」ことがすでにKATANAの存在感を証明している

新生「KATANA」に乗っていると、色々なところで本当によく声を掛けられます。

「そのバイク、何シーシー?」とか「どこのバイク?」という抽象的な質問はもちろんあります。

でも、どちらかと言うと「新しいのどう?」とか「やっぱり実車はカッコいいねぇ!」とか、明らかに『カタナ』を知っている人達からの質問が多いです。

それだけでもKATANAオーナーは所有感に満たされるでしょう。

やはり、KATANAだけが持っている特別な存在感は、たくさんの人の注目の的のようです。

また、ライダー本人も「オレはKATANAに乗っているんだ」って胸を張って言える至高感に浸れます。

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街乗りは、最高出力が146馬力もあるマシンとは思えないほど扱いやすいです。

ストップ&ゴーが多いストリートも全く苦になりません。

ホイールベースは母体のGSX-S1000シリーズと同じ1460mmですが、アップライトハンドルとショートテールのポジションのおかげもあり、排気量が1000ccもあるとは思えないほどコンパクトでスムーズに扱えることに驚きます。

発進加速から、一般道の法定速度60km/hまで、まるでモーターで動いているかのようなスムーズさで、2〜3速で2500〜4000回転もあれば、あっという間に交通の流れをリードできます。

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高速道路はさらに快適で、5〜6速、5000回転くらいがとても気持ちよく走れます。

法定速度域まであっという間なんですが、それだけじゃない。

エンジンは4気筒らしくスポーティなのに、のんびり走っても気持ちよくクルージングが楽しめるほど。

それでいて、スロットルをほとんど回していません。

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これは新しく装備された「プログレッシブスロットル」のおかげなんです。

スロットルグリップの引き側のワイヤー箇所だけ真円になっておらず、片側だけ楕円のようになっているので、少し回すだけでスムーズに走れるから、ダイレクトなのに疲れにくい構造。

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おまけに低速時などでは「ローRPMアシスト」も手助けしてくれるので、電子制御スロットルにする必要もないくらい。

特に高速道路を走っている時に有効で、例えるなら、普通のバイクの“パーシャル状態”に近いスロットルの開け具合に感じます。

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これまで乗った、どのワイヤー式のスロットルのバイクよりも操作が疲れません。

クルーズコントロールすら必要ないくらい快適!(笑)

それでいて、いわゆるドン突きになるような出力特性ではないので、スロットル操作で慌てるようなことは皆無です。

しかもこの特殊なスロットルは今のところKATANAだけが装備しているんです!

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そうなると、KATANAはスポーツ志向のマシンよりは、どちらかと言えばツーリング向きのキャラクターなのでしょうか?

しかし、ワインディングに差し掛かると、KATANAはまた別の顔を見せます。

ここで開花するのが「ストリートファイター的」な乗り味。

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アップライトなハンドルとやや前下がりのシートの独特なポジションに慣れてくると、実にコーナリングしやすく感じられるようになるんです。

通常、バイクはハンドルを切って曲がる乗り物ではありませんが、大きくワイドなハンドルで操作できるのと、脚で行うステップ操作のフットワークがとても軽快。

身体を積極的に動かして、エキサイティングに走るようなライディングにも向いているんです。

これはおそらくライディングポジションだけでなく、フレーム剛性やサスペンション、ブレーキ性能の高さなど、様々な要因があるかと思いますが、マシン自体から「スポーツライディングもこんなに楽しいよ!」って感じさせてくれている感じです。

画像9: 「よく声を掛けられる」ことがすでにKATANAの存在感を証明している

KATANAが峠道でもアグレッシブに走れる要因は、タイヤサイズのおかげも大きいと思います。

KATANAのタイヤはフロント&リア共に17インチホイール。

サイズはF:120/70ZR17・R:190/50ZR17で、スポーツライディングをするのにぴったりのサイズです。

特にリアタイヤの幅が190mm、扁平率50%で、やや広く浅いカタチなので、グリップ力と旋回力の両方が高い。

街乗りや高速道路はもちろん、ワインディングのような様々なシチュエーションでタイヤの接地感とトラクションが感じられるようになっています。

スポーツ性能をさらに高める足まわりで安心して走れる

「ブレーキが気持ちいい」ブレンボダブルディスクブレーキ

画像1: 「ブレーキが気持ちいい」ブレンボダブルディスクブレーキ

KATANAのスポーツ性能を更に高めているのは、特にフロントブレーキでしょう!

φ310mmのダブルディスクブレーキに組み合わされているのはラジアルマウントされたブレンボ製の4ポットピストンキャリパーで、どのスピード域からでも気持ちよく効いてくれます。

ブレーキングがちょっと上手くなったんじゃないかって勘違いするほどです。

ABSの介入具合も文句なしで、リッターバイクでも不安なく走れます。

画像2: 「ブレーキが気持ちいい」ブレンボダブルディスクブレーキ

リアタイヤも太めで、冬の冷えた路面でもしっかりとリアのトラクションを感じられるほどでした。

リアサスペンションはフックレンチでプリロードを調整できるようになっています。

出荷時は荷物の積載やタンデムも想定された設定になっているので、体重の軽いライダーや、少し固く感じられる人は1〜2段柔らかめに設定すると良いかもしれません。

KATANAは意外なほど「ツーリング性能」が高い!

画像1: KATANAは意外なほど「ツーリング性能」が高い!

KATANAは特別な所有感を満たしてくれる唯一無二のバイクでありながら、ワインディングなどのスポーツ走行も快適にこなしてくれるキャラクターであることが分かりました。

しかし、バイクを所有している人の多くはツーリングで使うライダーが圧倒的に多いでしょう。

安心してください、KATANAはツーリング性能も高いバイクなんです。

画像2: KATANAは意外なほど「ツーリング性能」が高い!

まずシートが意外なほど快適!

前方に向かってスリムになっていますが、ライダーの着座位置は幅広く、長時間乗っても疲れにくい形状。

若干固めに感じますが、滑りにくいシート素材が使われているので、腰をズラしても脚でしっかりホールドできます。

今回のツーリングで300km以上走りましたが、お尻は全く痛くならず!

画像3: KATANAは意外なほど「ツーリング性能」が高い!

流行のリアがキュッとなったショートテールが実に今風でカッコいいのですが、そうなると荷物の積載がちょっと心配……?

でも大丈夫! シート下に荷物の積載に便利なベルトが格納されているんです!

使わない時はしまっておけるので、実にスタイリッシュですね。

ちなみにスパナと六角レンチの車載工具もシート下にあります。

画像4: KATANAは意外なほど「ツーリング性能」が高い!

また、タンデムステップに荷物の積載も考慮されたフック形状になっているので、ここからドローコードやツーリングネットが引けます。

KATANAは見た目以上に荷物が積載しやすい形状でした!

画像5: KATANAは意外なほど「ツーリング性能」が高い!

今回はトータル317.3kmの距離を走って、合計ガソリン給油量は16.79Lでした。

KATANAの使用燃料はハイオクガソリンです。

満タン法で計測した燃費はガソリン1リットルあたり18.898km。1000ccの4気筒モデルとしては充分で、決して燃費が悪いバイクではありません。

「最新こそ最良」これからの時代のKATANA

画像1: 「最新こそ最良」これからの時代のKATANA

新しくなった「KATANA」は、街乗りから峠道まで使い勝手に優れたオールマイティなバイクでした。

スポーツ性能を追い求めるなら、スズキの1000クラスのスポーツバイクには「GSX-R1000R」や「GSX-S1000/F」シリーズがあります。

(下に続きます)

画像2: 「最新こそ最良」これからの時代のKATANA

でも、カタナは『KATANA』と言う独自のジャンルを貫きました。

スポーツ性能も兼ね備えながら、ツーリングが一番楽しめるように、使い勝手や操る楽しさ、乗っているだけで満たされる所有感をも追求した『ネオレジェンド』と言うべきマシン。

他に類をみない、全く新しいレジェンドバイクの後継車として。

よろしければ【デザイン編】や【性能編】もお読みください!

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