ラリーマシン風の「張り出し」アンダーガードを目指す!
ラリースタイルのアンダーガードでアフリカツインを守る!
ということで、前回長々と講釈をたれたラリーバイクにおけるタンク形状の歴史と変遷の話なのだが、実際、既存のバイクをカスタムするとなると、タンクを作り直すのはさすがに大変。
というわけで、現代のラリーバイクのような形になるアンダーガードを作ることにした。まずは、そのイメージとなるスケッチを描いてみた。
![画像1: 作:三橋 淳画伯](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/f729c1695ed99a65512dfc1f03637d55c73971ef_xlarge.jpg)
作:三橋 淳画伯
![画像2: 作:三橋 淳画伯](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/635ff2e511cca2d2ee0c79c3fdae22e49bc3820c_xlarge.jpg)
作:三橋 淳画伯
これじゃわかんねーっつうの!
子供の落書きみたいなスケッチになってしまったが、こんなわがままなオーダーを引き受けてくれたのが、前回のカスタム・左手ブレーキレバーでお世話になった46ワークスの中嶋志朗さん。「いいよー」という返事をいただいたので、早速アフリカツインを搬入する。
![画像: 早速下回りを眺める志朗さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/2bf17919c6f530720ea9c87a80245792b78df90e_xlarge.jpg)
早速下回りを眺める志朗さん
私からの要望は「ラリーバイクっぽく、アンダーガードが一番飛び出るようにしたい」ということと「どうせならラリーマシンのタンクっぽく、エンジンも隠したい」ということ。
頭を抱える志朗さんと、モニター見ながら打ち合わせ。
![画像1: これじゃわかんねーっつうの!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/21455f211639c0d3633e6e3b69442ad7e81a3c53_xlarge.jpg)
私の希望を図にするとこんな感じ。アンダーガードがタンクよりも張り出ていることが重要!
![画像2: これじゃわかんねーっつうの!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/af4f83dd8840b8a4b3f196aa139d50414f33455f_xlarge.jpg)
大体のイメージを伝えたら、あとは形ができるのを待つのみ。
あざやかな手際で制作開始!
![画像1: あざやかな手際で制作開始!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/615c8ba783d4fb55ad15246deacb2596da152a26_xlarge.jpg)
まずはカナメとなるパーツのアンダーガードの製作。アフリカツインの下回りをすっぽり包み込む形状にする。
![画像2: あざやかな手際で制作開始!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/2e9b092c161bf90cc1b14951bc2af643abca980a_xlarge.jpg)
アフリカツインの場合、エキパイ直後に大きなキャタライザー(排ガス浄化装置)があるのだが、それごと包み込む感じ。
![画像3: あざやかな手際で制作開始!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/d9569252c8d15f4cb05fb99366b2fbd80aad435c_xlarge.jpg)
それに合わせて今度はサイド。型紙でなんとなく形を作るところからスタート。
![画像4: あざやかな手際で制作開始!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/d8ba57d2042459205606955b579bcbc136b60d11_xlarge.jpg)
![画像5: あざやかな手際で制作開始!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/63088baf5f7328f6d64354c79a51b463b9d582e7_xlarge.jpg)
その型紙をベースにアルミを曲げていき、さらにそれを叩いて曲げて仕上げていく。まさに手作り!
![画像6: あざやかな手際で制作開始!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/160aa70c4307ba3084853f837a76ade0d3e75178_xlarge.jpg)
![画像7: あざやかな手際で制作開始!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/3db253ba4610a7cffe34fca2b7bcd7da2a36e519_xlarge.jpg)
取り付けたときのイメージはこんな感じ。ちなみにアンダーガードの装着方法は純正とまったく同じとなっている。
ということで出来上がったのがコチラ!
![画像1: ということで出来上がったのがコチラ!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/1e65fe115abd1fa601d1d0b8d6f9801bdec83477_xlarge.jpg)
なんかゴツい……。
![画像2: ということで出来上がったのがコチラ!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/508e79c4aee2baf065d1aa4d336c7017cde30c5d_xlarge.jpg)
![画像3: ということで出来上がったのがコチラ!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/87a40fc66e61362d1080f61ad5c9a47b3ebd41bc_xlarge.jpg)
さすが46ワークス、仕上げは最高に美しい! アルミの良さがすごく出てる。
でも、イメージしたものとなんか違う…。
せっかくだからこだわりたい。ということでとことん改良!
![画像1: せっかくだからこだわりたい。ということでとことん改良!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/7056f9b89711d875bd4abda8fe199d24ccefd42b_xlarge.jpg)
なんか違う、と思ったのは「タンクっぽいイメージ」というのが出ていないから。それと、写真ではわかりにくいが、ガードの上の方がエラのように飛び出していて、ライディングの邪魔になる。
実際ちょっと走ってみたけれど、アルミ板の鋭い断面が足を攻撃してきそうで怖い…。
それに前方がぱっかり空いている構造なので、オフロードを走ると、石やら枝やら全部すくい上げてしまうので、これもいただけない。さらに、エンジンを囲っているアルミパネルが薄すぎて、これでは転んだら1発でガードが壊れてしまう。
「上のアルミパネルですが、こいつが壊れることで中を守るコンセプトなんです」とは志朗さんの弁。
転びにくいオンロードモデルならそれでもいいんだけれど、オフロードは転ぶことが前提。転ぶたびにガードが壊れて交換してたんじゃ、財布がもたないよー。
![画像2: せっかくだからこだわりたい。ということでとことん改良!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/12/16/63f3a51e662faad0d9d0c3d25fa63cc88e8bde23_xlarge.jpg)
というわけで、その辺りの強度も上げて改良してもらうために、再度ドック入り。さらに手直しをしてもらうことにした。
協力:ホンダモーターサイクルジャパン、野口装美、ダートフリーク、サイン・ハウス
写真:三橋 淳
【次回予告】カタチになり始めた理想のアンダーガード。でも、どうせイチから作るならこだわり抜きたい。ということで、次回、このアンダーガードをさらにヘビーデューティー仕様に仕上げていきます。次回「シン・ダルマ大作戦」をお楽しみに!