予報通り、冷たい雨に見舞われたツインリンクもてぎ。10/17土曜には、JSB1000のレース1とJP250の決勝レースが行なわれました。
この週末、本来ならMotoGP日本グランプリが行なわれていたはずだったんですね。でも、コロナウィルス感染拡大なんて事情があって、日本グランプリはキャンセル。そのかわりといっては何ですが、全日本ロードレースがこの日程で開催されることになったのです。

画像: スタートは一度、転倒者が出て仕切り直し スタートもリスタートも、3野左根が好スタート!

スタートは一度、転倒者が出て仕切り直し スタートもリスタートも、3野左根が好スタート!

もちろん、ウィルス感染拡大防止のためモビリティランドも万全な予防策を実施。お客さんも(もちろん僕ら取材陣も)入場時に体温チェックがあり、グランドスランドは前後左右の間隔を空けて全席指定で販売、パドックパスの販売は停止、ピット&グリッドウォークは実施されず、ドライバーズサロンも営業なし――ちなみに僕らの仕事場メディアセンターも、席数が制限されてお弁当なし、いつもは用意してもらう、お茶とコーヒーのセルフサービスもありません。うー、辛抱辛抱。

画像: 乗りに乗っています野左根 WSBK参戦も発表されモチベーションもアガりまくりでしょう!

乗りに乗っています野左根 WSBK参戦も発表されモチベーションもアガりまくりでしょう!

全日本ロードレースはここまで、開幕戦・菅生大会を消化、第2戦に予定されていた岡山大会は台風接近のために中止となり、第3戦オートポリス大会も終了。1戦2レースで行なわれるJSB1000クラスは4レース、他クラスは2レースのみを終了しています。
そのJSB1000クラスは、つい先日に2021年からのWSBK参戦が発表された野左根航汰(ヤマハファクトリー)が絶好調! レース前に行われた2日間の特別スポーツ走行で両日ともトップタイムをマークし、土曜の公式予選では、セッション最後の最後に清成龍一(ケーヒンHondaDreamSIR)を逆転してポールポジションを獲得。チームメイトの中須賀克行をして「勢いあるねぇ」と言わしめる快走です。

画像: 序盤から1中須賀を抑えて周回する3野左根 この差がなかなか縮まらない

序盤から1中須賀を抑えて周回する3野左根 この差がなかなか縮まらない

決勝レースでは、ポールシッター野左根が好スタート。ホールショットを獲得し、2番手に中須賀、3番手にはウェットコンディションを苦にしない鉄人・加賀山就臣(TeamKAGAYAMA)が4番グリッドから好ダッシュ! この後方に岩田悟(TeamATJ)、清成、濱原颯道(HondaDreamRT桜井ホンダ)がつけるスタートとなりました。

画像: 「ペースを上げても離れない」と中須賀も懸命の追走

「ペースを上げても離れない」と中須賀も懸命の追走

トップのヤマハYZF-R1デュオ2台はテールtoノーズで3番手以下をやや引き離しての走行。中須賀は、抜けないのか抜かないのか、野左根の後方にピタリとつけて周回を重ねます。2人の間隔は数回ごとに縮まったり離れたりで、それでも野左根はトップの位置を譲りません。
昨年までの「中須賀絶対王者」時代ならば、ここで中須賀が野左根のタイヤ消耗を見届けてからパッシング、そのまま逃げ切り--ってレースが多かったんですが、やはり今シーズンは違います。そういえば、雨の開幕戦・菅生で「雨のレースでは無理やりにでも早めに前に出て逃げるのがセオリー」と中須賀は言っていましたから、これは抜かないのではなく、抜けない!?

画像: レース中、トップの座を譲らなかった3野左根

レース中、トップの座を譲らなかった3野左根

レースは野左根→中須賀の順のまま終盤へ。野左根を前で泳がせていた中須賀が勝負をかけるタイミングですが、ここで転倒車があってマシンがコース上に取り残されるアクシデントがあり、レースはここで赤旗中断。周回数が15周を超えていたため、規定によりレースは成立。野左根が中須賀を抑え、開幕からの5連勝を達成しました。

画像: 終盤の3番手争い。71加賀山が5番手から36岩田、17清成をパスして3番手へ

終盤の3番手争い。71加賀山が5番手から36岩田、17清成をパスして3番手へ

3番手争いは、清成vs岩田vs加賀山の集団で主導権を握っていた清成が、レース中盤ごろに岩田をかわして4番手に上がっていた加賀山の先行を許したところでレース成立となり、加賀山が2014年の最終戦・鈴鹿大会レース2の優勝以来の全日本ロードレース表彰台を獲得。表彰台だけでいえば2017年にアジア選手権・日本大会でSS600クラス初乗り即表彰台!ってこともありましたね。それくらい久々の表彰台です。

画像: 開幕から5連勝を飾った野左根

開幕から5連勝を飾った野左根

野左根航汰
「中須賀さんがずっと後にいて、ペースを上げても離れないって展開のなかで、雨の量も増えてどんどん難しくなって、どこで中須賀さんが来るかな、って思いながら準備していたんですが、そこで赤旗で終わりになって……。明日は天気が回復しそうなんで、ドライで最後まで走り切って勝ちたいですね」
そうそう、野左根のWSBK参戦へ向けてのインタビューも取れましたので、それも後ほど公開します。

画像: 今シーズン、いまだチェッカーフラッグを受けていない中須賀 ん?今年の4レースは…①転倒②欠場③赤旗終了④野左根と接触転倒 ホントだ…

今シーズン、いまだチェッカーフラッグを受けていない中須賀 ん?今年の4レースは…①転倒②欠場③赤旗終了④野左根と接触転倒 ホントだ…

中須賀克行
「予選より速いタイムでコータに引っ張られながら走っていた感じ。そのうちにだんだん走りのリズムがつかめてきて、最後に仕掛けられるかな、と思っていたんですがね。コータもいい走りしてたし、そこに負けないぺースで走れたし、赤旗はしょうがないです。あしたはドライで、もう一回!」

画像: 本人は「4年?」といっていたけど、全日本の表彰台は約6年ぶりでした

本人は「4年?」といっていたけど、全日本の表彰台は約6年ぶりでした

加賀山就臣
「表彰台は4年くらいぶり? うちのチームは応援してくれる人がたくさんいて、そのみんなにやっといい報告ができます! 雨はもともと嫌いじゃないけど、今年のマシンはなかなか雨セットが決まらなくて、それがやっと決まってきた感じです。序盤、すこし様子見している間にトップ2人に差を付けられてしまった。ヤマハの2人と一緒に表彰台に立てたこと、僕も認めるあの清成より前でフィニッシュできたこと、すこし胸張っていいかな」

画像: 野左根も中須賀も加賀山も、それぞれの理由でみんなうれしかった表彰台

野左根も中須賀も加賀山も、それぞれの理由でみんなうれしかった表彰台

そして、そのあとの質疑応答でこんなシーンが。
「ユキオさんが3位でオレもうれしいですよ」と中須賀。レース終了後にも、加賀山のところへ走って行って祝福していましたもんね。
「06年かな? ワールドスーパーバイクから帰ってきて鈴鹿でスポット参戦してスパッと勝っちゃったことあったでしょう? あの時、オレも同じタイヤを履いていて苦労してて、文句ばっかり。でも、それでユキオさんが勝って、そこからオレの意識も変わったんです。たくさんセンパイはいるけど、ユキオさんは尊敬してる、認めてるセンパイだし、レースのこと盛り上げてくれようとしてくれている。プライベーターだし、もちろん負けたくないけど、ユキオさんと表彰台に上がってうれしくて」
このへんで加賀山が「ちょっとちょっと!はずかしいわ!」って中須賀のコメントは終わったんですが、プライベーターでも、46歳でも表彰台に立てるんだ、ってことを加賀山が証明してくれたレースとなりました! さぁ明日はレース2! 予報では雨が上がるみたいです! 

■全日本ロードレース 第4戦レース1結果■
1 野左根航汰 ヤマハファクトリーレーシング
2 中須賀克行 ヤマハファクトリーレーシング +0.895s
3 加賀山就臣 TeamKAGAYAMA       +30.705s
4 清成龍一  ケーヒンHondaDreamSIR    +0.952s
5 岩田 悟  TeamATJ           +1.626s
6 濱原颯道  HondaDreamRT桜井ホンダ   +4.800s
7 亀井雄大  Honda鈴鹿レーシング     +4.522s
8 渡辺一馬  ケーヒンHondaDreamSIR    +1.698s
9 前田恵助  YAMALUBEレーシング     +0.874s
10 柳川 明  will-raiseレーシングRS-ITOH  +13.620s

写真/木立 治 柴田直行 後藤 純 中村浩史 文責/中村浩史

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