いまだに語り継がれるレーサーレプリカの雄

「まるで、レーシングマシンに保安部品を付けたかのよう」という例えは、レーサーレプリカではよく使われる文言だが、その言葉は歴代NSRで最強と呼び声高い88年式にこそ相応しい。

「もう2度とつくることができない過激さ」とまで言われる所以は、開発目標をプロダクションレースでの世界チャンピオン獲得に定めているところにあって、もはやレプリカなんかじゃない!

絞り込まれたハンドル、スクリーンも小さく低くセットされ、アクセルをワイドオープンしなければ許されないような佇まいとライディングポジションで、実際に走らせると「45馬力どころじゃないでしょ!!」という驚異的な加速を味合わせてくれた。

画像: いまだに語り継がれるレーサーレプリカの雄

初代デビューが86年10月だから、その僅か1年あまりのちの88年1月には、エンジンからフレームまで全面改良し2代目となったNSR250Rは、市販レーサーRS250Rと基本的に同じ5角断面のアルミツインチューブフレームを採用。口径を4㎜拡大し、32㎜とした2基のフラットバルブキャブレターには世界初の電子制御PGMが導入されている。

フロントはバイアス、リアはラジアルタイヤを履いていたが、アルミ製ホイールはワイドリムで、レーシングタイヤにも対応した。

とにかく速く走る事しか考えていないかのような実力の高さとその戦闘的な佇まいは衝撃的で、そのオーラは今も陰りを感じない。

1988年NSR250R12

画像1: 1988年NSR250R12
画像2: 1988年NSR250R12
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画像5: 1988年NSR250R12

NSR250R(1988)Detail

画像: 後ろからでも2代目NSR(MC18)だと認識できる印象的な丸2灯式テールランプ。シートカウル上に一応ついているタンデムシートに女の子を乗せ「もう二度と御免」と嫌われた男子も少なくなった。

後ろからでも2代目NSR(MC18)だと認識できる印象的な丸2灯式テールランプ。シートカウル上に一応ついているタンデムシートに女の子を乗せ「もう二度と御免」と嫌われた男子も少なくなった。

画像: 6本スポークデザインのアルミキャストホイールはワイドリム(300-17/400−18)とし、レース用タイヤに対応。リアの標準は140/60R18のラジアルタイヤを履いていた。

6本スポークデザインのアルミキャストホイールはワイドリム(300-17/400−18)とし、レース用タイヤに対応。リアの標準は140/60R18のラジアルタイヤを履いていた。

画像: 左から速度、エンジン回転、水温計で、いずれもアナログ式。タコメーターはレーサーのようにピークパワーが真上。サーキット走行を考慮し、速度計とインジケーターは外しやすい。

左から速度、エンジン回転、水温計で、いずれもアナログ式。タコメーターはレーサーのようにピークパワーが真上。サーキット走行を考慮し、速度計とインジケーターは外しやすい。

画像: φ41㎜正立フォークに、異径4ピストンキャリパーとφ276㎜フローティングディスクをセット。ホイールは17インチでアルミ製、SPではマグネシウム製が用いられた。

φ41㎜正立フォークに、異径4ピストンキャリパーとφ276㎜フローティングディスクをセット。ホイールは17インチでアルミ製、SPではマグネシウム製が用いられた。

画像: ライバルと言われていたTZR250がマイナーチェンジに留まっていたところ、前モデルからなんと1年3ヶ月でフルモデルチェンジをしたNSR250R。世界初のコンピューター制御によるPGMキャブレターを採用している。

ライバルと言われていたTZR250がマイナーチェンジに留まっていたところ、前モデルからなんと1年3ヶ月でフルモデルチェンジをしたNSR250R。世界初のコンピューター制御によるPGMキャブレターを採用している。

画像: NSR250R(1988)Detail
画像: 世界初のマグネシウム製ホイールを標準装備(前後で1.5kg軽量)して登場したSPモデル。カラーリングは当時のスポンサードカラーの「ロスマンズ・ホンダ」仕様でNSRでは初採用。気分はワイン・ガードナー!

世界初のマグネシウム製ホイールを標準装備(前後で1.5kg軽量)して登場したSPモデル。カラーリングは当時のスポンサードカラーの「ロスマンズ・ホンダ」仕様でNSRでは初採用。気分はワイン・ガードナー!

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