「EV Project」とだけ銘打たれたEVスポーツ。その中身に迫る!

画像: 「EV Project」とだけ銘打たれたEVスポーツ。その中身に迫る!

ミラノショーでカワサキが行ったプレスカンファレンス。そこでどんなモデルが発表されたのかはこの後ご紹介して行きます。まずお見せするのは「EV Project」という名前の1台のスポーツバイク。

カンファレンス当日までその存在が知られていなかった隠し球ですが、実は月刊『オートバイ』はカワサキのEVスポーツ開発の噂を随分前にヨーロッパの情報筋から聞いたことがあったのです…。

スタートは2代目ニンジャ250がベース。一時は市販化が近いとも噂された。

画像1: スタートは2代目ニンジャ250がベース。一時は市販化が近いとも噂された。
画像2: スタートは2代目ニンジャ250がベース。一時は市販化が近いとも噂された。

その頃本誌が聞いた欧州からの情報によれば(当時2代目の)ニンジャ250をベースとしたEVスポーツバイクをカワサキが開発している、市販化の可能性もあり「ニンジャE2」となるのでは、という話でした。

当時すでにカワサキによる特許出願が欧州で行われていて、これは市販化も!と本誌でも色めき立って、欧州のスクープ情報を当時掲載したのを覚えています。結局その後追加情報はなく、噂はフェードアウトしていったのですが、カンファレンス会場で流されたこのスライドを見ると、その話が本当だったのだと改めて分かります。

テストを重ねて熟成度を高めたレイアウト。発表ということは将来…?

では改めて、このマシンの各部をじっくり見て行きましょう。

画像1: テストを重ねて熟成度を高めたレイアウト。発表ということは将来…?
画像2: テストを重ねて熟成度を高めたレイアウト。発表ということは将来…?

一番下にある丸い部分はモーター。その上がバッテリーと思われます。駆動はミッションを介してチェーンで後輪を駆動するオーソドックスな方式。この方法であれば、既存のモーターサイクルのパーツを流用した生産が可能で、コスト面でも大きなメリットがあります。

画像3: テストを重ねて熟成度を高めたレイアウト。発表ということは将来…?

バッテリーの安定した性能発揮には冷却が必要。バイク同様、空冷、水冷、油冷などさまざまな方法がありますが、小型ラジエター風の形状から見るに、これは水冷式を採用しているのではないでしょうか?

4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!

画像1: 4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!
画像2: 4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!

ミッションを見てみましょう。組み合わされるのは4速リターン式のミッション。通常のスポーツバイクであれば6速なのでしょうが、発進時から大きなトルクを発生するモーターの特性に合わせ、ワイドレシオの4速としたのかもしれません。

画像3: 4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!
画像4: 4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!

一見するとエアクリーナーボックスのようにも見えますが、中身はインバーターなどの制御系ユニットが入っているものと思われます。既存のモーターサイクルのパーツを巧みに活用しながら、サイズをコンパクトに抑えています。

フレームは鋼管トレリス。レイアウトの自由度が高く、剛性バランスが取りやすいというメリットがあります。

画像5: 4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!

スロットルユニットはステアリングポストのすぐ横に配置されています。スロットルカムとワイヤーが見えますが、これはアクセル開度を機械的に検知するユニットのようです。やはり電子制御スロットル採用ということのようですね。

画像6: 4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!
画像7: 4速ミッションにユニトラックサス、タイヤはラジアル!

リアサスはリンク式のユニトラックサスペンション。タイヤサイズは前が110/70ZR17、後が150/60ZR17で、ピレリのラジアルタイヤです。上の写真にあった、2代目ニンジャ250がベースだと考えると、リアタイヤのサイズが1サイズ太いようです。進化していると捉えるべきか、ベースが変わったと見るべきか。興味は尽きません。

いずれにしても、カワサキがこれを発表した、ということは「開発が進んでいますよ」というアナウンスだということ。ビモータとの合弁、テージH2の登場など、このところ攻めているカワサキなので、今後に期待しながら、進展を見守りたいですね!

レポート:月刊オートバイ副編集長 松本正雅

EICMA2019(ミラノショー)の速報を現地から更新中!

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