オートバイ杯、秋の連戦がスタート
オートバイ杯ジムカーナは7月の第3戦から夏のインターバルを挟んで、いよいよ秋の終盤戦がスタート。その皮切りとなる第4戦は9月15日、茨城県下妻市の筑波サーキット・ジムカーナ場に170台を超える今シーズン最高のエントリーを集めて開催された。前日までは秋らしい気候だったものが、当日は朝から強烈な残暑に見舞われるという厳しいコンディションとなったが、それでも最高峰のA級以下、各クラスで熱戦が繰り広げられた。
A級1位・冨永 崇選手&NSR250R
ディフェンディングチャンピオンの冨永選手は第3戦、ランキングトップ争いで最大のライバルの池田選手に敗れて優勝を逃したばかりか、9位に沈んでしまいポイントを稼げなかった。そのために2勝目を挙げた池田選手に対してポイント差が開き、チャンピオンの座を守るため残り3戦全勝が必要という厳しい状況に追い込まれた。
しかし、こうなったことで「必死でしたね。今まではそんな気持ちで走ったことなかった」と語っていた冨永選手は、第1ヒートでしっかり池田選手のタイムを超える1分28秒712をマークして暫定トップに。第2ヒートでもそのタイムは池田選手にも超えられず、タイムアタックを前に優勝は確定。しかし最後も全開で走り抜けて1分28秒283までタイムを削りとって、いつもの速さを見せつけた。「今までかなりグリップのマージンを取って走ってたんですけど、今回はそれどころじゃなくてそこも削ってます。とりあえず、次の大会に繋げられてよかった」とコメントしていた。
A級2位・作田隆義選手&ニンジャ400
今シーズンからニューマシン、ニンジャ400を投入した作田選手、軽量でバランスの良いニンジャだが手探りでの開発が続いた。それでも第1戦の14位から、第2戦7位、第3戦5位と順位を上げ、時に速さを見せることもあったが、転倒などもあってトップ争いには加われなかった。そして迎えた第4戦、第1ヒートでは冨永・池田・廣瀬のNSR勢、そして辻家選手&GSX-R1000に続き、キレのある走りで1分29秒636をマーク、暫定5位と好位置につける。第2ヒートはさらに研ぎ澄まされたライン取りでコースを駆け抜け、冨永選手には及ばないが1分28秒758を叩き出してその座に肉薄、最終結果は2位。「今日はNSRと互角に走れたでしょ? ファイナルを今までよりかなり低くしたのが良かったね。だからずっとレブってたよ」と速さの秘密を明かしてくれた。
A級3位・池田秀一選手&NSR250R
開幕戦と第3戦で勝利して、冨永選手に大差をつけてポイントランキング首位となっていた池田選手。第1ヒートでは冨永選手に逆転されたが、僅差の1分28秒935で暫定2位。第2ヒートでは、もちろん逆転を狙ってアタックをスタート。ゴールしてコールされたタイムは1分28秒625! これで逆転かと思われたが、ペナルティがあったためタイムは1秒加算となってしまう。そのため最終結果は第1ヒートのタイムで3位。それでもポイントランキングトップの座はキープ。
A級4位・矢嶋 尊選手&GPMR250
A級5位・廣瀬 章選手&NSR250R
A級6位・辻家治彦選手&GSX-R1000
4位〜6位は超接近戦となった。超軽量マシン・GPMR250を駆るベテラン、矢嶋選手。第1ヒート1分29秒782、第2ヒート1分29秒015と着実にタイムを短縮して4位。第3戦で2位となった廣瀬選手は、第2ヒートで1分28秒955を記録したが惜しくもペナルティで1秒加算を受けてしまい、第1ヒートの1分29秒102で5位となった。辻家選手はリッターマシンのGSX-R1000を豪快に、そして軽々と走らせて1分29秒187をマーク、6位に入賞して見せた。
A級表彰台&トップ10リザルト
なお、オートバイ杯ジムカーナ第3戦でのA級トップ10は以下の通り。
1位 冨永崇史 NSR250R 1'28.283
2位 作田隆義 ニンジャ400 1'28.758
3位 池田秀一 NSR250R 1'28.935
4位 矢嶋 尊 GPMR250X 1'29.015
5位 廣瀬 章 NSR250R 1'29.102
6位 辻家治彦 GSX-R1000 1'29.187
7位 中嶋秀和 TZR250R 1'29.346
8位 松本 崇 MT-03 1'29.688
9位 菊谷宏威 ZX-10R 1'29.932
10位 吉野 昇 CRF450X 1'30.056
オートバイ杯第4戦のレポートは、月刊オートバイ誌上にも掲載の予定。過去の大会のリザルトや、各地で行われるジムカーナ大会・練習会の日程など、二輪ジムカーナに関連する各種情報は、オートバイ杯の運営を担当しているJAGE(二輪ジムカーナ主催者団体協議会)のホームページから確認できる。