コースを作る。親父とケンカする

藤原 まずラフ描きをするんですね。ラフ描きをしていく時にも、自由な発想ではあかんくて。たとえばそれこそコンクリート製品をわんさか使ってとかでやっちゃうと、運搬費めっちゃ掛かるやん。なもんで軽量物で、セクションにもちろんなるようにと計算した後に、ラフ画を描くわけですね。

画像1: コースを作る。親父とケンカする

頭んなかでイメージするんです。小川選手がこう越えた、こう行った、黒山選手はこう行って落ちるかなとか、はたまたもうちょっとゼッケンが8番、9番ぐらいの選手になったら、ここはほぼ上がれないだろうなとか、っていう絶妙な計算を立てて、ラフ画に落としこむ。それを図面を造ってくれる、3Dに書き換えてくれるチームがおるんで、そこにお願いする。

画像2: コースを作る。親父とケンカする

で、次は部材集めから入らなあかんと。部材もそんじょそこらに転がっているもんやないから。パレットのセクションも1パレット14センチの高さがあるんやけど、その14センチを足すか減らすかで、もう全員行けないか、全員行けちゃうかまで変わってしまう。原木も直径90センチ、100センチないとインパクトも少ない。ライダーとしては別に50センチ、100センチでもそんなに変わらへんのやけど、ただやっぱり見た目のインパクトは全然細いのと太いのとでは違うからね。
ただもちろんね、実際僕は画を描いて、切るのは親父なんで、やっぱり親父との衝突がありますよね。

画像3: コースを作る。親父とケンカする

通天閣の時はすごくやりやすかったんですよ。なんでかっていうと、直線的に、本当の直線でしかコース置けなかったからいいんやけど、今回万博になるとすごい屈折したセクション構成になっているんで、その屈折具合が難しい。なんぼ口で言っても伝わりにくいところはあるし、実際にモノを置いてみないとわからないところもある。実際モノを置いて距離を測って、って試行錯誤する手間が無茶苦茶大変で。藤原家には、場所も、フォークリフトも割とあるんで、それができるんですけどね。図面を見て親父が造って、僕が実際できたでーって見に行ったら全然ちゃう、僕の理想と違う角度のモノができてて、「はいやり直しや」って言うたらもう親子喧嘩が始まって。「お前ここ、ゆうたやないか、ゆうたやないかー。お前それなおすのどんだけ大変か分かっとんか」みたいなやり取りが、ほんと毎日のようにありました。

画像: 原木の太さ、ハンパなし。

原木の太さ、ハンパなし。

でもね走るのがライダーなんで、やっぱ僕がそこで「じゃあもうそれでええわ」って言ってしまったら、困るんはライダーのみんなやからね。

折口 いやー素晴らしいですね。個人的にコースを造るというところだけでもなんか、それなりのページを書けそうやな、というぐらいのドラマがあったんやなと。

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