レースはここからクライマックスを迎えます

まず18時55分ごろ、ポストにフラッグが提示されます。赤ストライプ付きの黄旗=オイル旗と呼ばれるもので、あ、どこかにオイル漏れた?と思ったら2コーナーを過ぎたところに落下物が発生、の意。ここで、#29ドッグハウスの左村英祐が、この落下物を踏んで転倒! そのドッグハウスのGSX-R1000の横を、あわや接触しそうな距離でレイがパッシングしていきます。うわぁ危なかった!ラインがあと1本イン側に寄っていたらレイがこの落下物の餌食になっていたかもしれない、レイのひとつ前の周のラップタイムがあと1秒遅かったら、この転倒に巻き込まれていたかもしれない、そんなシーンでした。

画像: フリー走行、予選と「レイすげぇ」と思わせる走りを見せなかったレイ。ラスト1時間で震えるほどのスピードを見せました。

フリー走行、予選と「レイすげぇ」と思わせる走りを見せなかったレイ。ラスト1時間で震えるほどのスピードを見せました。

19時を過ぎると、レースアナウンスのピエール北川さんが「スプーンに雨の情報です!」と絶叫。これがトップ3の206周目くらいの頃で、トップを走るレイのペースもガクッと落ちることになります。あたりはもう暗闇、コースも濡れ始めて、2番手の高橋との差は10秒以上、3位ロウズはさらに19秒後方にいます。レイのこのペースダウンは正解でしょう。

しかし、これをチャンスとペースを落とさなかったのがロウズ! ロウズは、レイがペースを落とし始めたあたりからトップ2との差を詰めはじめ、アッという間に高橋との19秒差を短縮。ここも、もう1時間半も走行し、とうとうトップの座をレイに明け渡してしまった高橋と、逆転する気マンマンのロウズでは、走りの勢いも違います。

ロウズと高橋の差は208周目には11秒、それから8秒、3秒、1秒と接近し、ついに211周目に逆転。これでトップ3の順位はレイ→ロウズ→高橋で、ここでロウズからレイまでは約20秒。レースは残り15分、ロウズはその勢いのままトップのレイに迫りますが、いくらレイのタイムを越えても20秒の差はなかなか埋まりません。これで万事休す――このままレイ→ロウズ→高橋の順でレースが終わりそうなムードが漂い始めました。

画像: カワサキレーシングチームは第3の男、トプラック・ラズガトリオグルを温存、2年連続でレイとハスラム2人でレースを走り切りました。

カワサキレーシングチームは第3の男、トプラック・ラズガトリオグルを温存、2年連続でレイとハスラム2人でレースを走り切りました。

しかし、レースはこのままでは終わりません。レースが残り5分を迎える頃、場内のアストロビジョンに盛大にオイルを噴き上げる#2スズキエンデュランス(=S.E.R.T.)のGSX-R1000の姿が映し出されたのです。実はS.E.R.T.のマシンには、その3周ほど前にサイレンサーから生ガスが燃えだしたような炎が確認されていて、いったんピットイン。ピットアウトした時には炎は確認されなくはなっていましたが、サイレンサー内部はまだ赤々と高熱のまま。だ、大丈夫なのかな……と誰もが思いつつも、ビジョンもトップ争いに戻り、誰もがそのシーンを忘れていたのです。

しかし、終了5分前に再び画面に大写しになった、白煙を噴き上げるS.E.R.T.のマシン。「あ、あの時の!」と誰もが思う間、エティエンヌ・マッソンと白煙を上げているマシンは1~2コーナーをスロー走行で通過し、S字をのぼりながら、コースのアウト側からイン側に横切り、グラベルでストップ。コースはすでに暗闇で、走るライダーはヘッドライトとコース照明だより、さらにまだ小雨が落ちていて、路面には盛大にオイルがまかれている、最悪の状況。

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