スポーティなコーナーワークとセダンのような快適さが同居!
何とも不思議な乗り物だ。後ろ2輪リジットのトライクのように、路面の傾きや凸凹でハンドルが取られることは無い。
かといって、前2輪ごとリーンするスクーターたちのようにバイクらしい操縦感覚ではない…。
たとえば、真っ直ぐ走っていてハンドルを少し当てると、車体がわずかにロールし、アウト側の車輪が強烈に踏ん張って向きを変えようとする。
するとさらにアウト側に荷重が乗って、もっと曲がろうとする。
![画像: ●最高出力:115PS/7250rpm ●最大トルク:13.26kg-m/5000rpm ■価格:290万8500円(税込)※発売当時価格](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/22218fedde38af033a5165c4da42136120960a1e_xlarge.jpg)
●最高出力:115PS/7250rpm
●最大トルク:13.26kg-m/5000rpm
■価格:290万8500円(税込)※発売当時価格
旋回中はタックインが強力にかかるスポーツカートにでも乗っているような反応だが、それを穏やかに、かつ派手にやる。なかなか個性的だ。
だからコーナリング操作なら、乗り手がイン側に身体を入れ、スロットルを丁寧に操作して旋回状態に持ち込むのが良さそうだ。この感覚はバイク的でもある。
だが、高速道路で車線変更するような操作の時は、しっかりとニーグリップしフートボードを踏み替えるだけでサッと車線を変える。このあたりの特性はカート的。
![画像1: スポーティなコーナーワークとセダンのような快適さが同居!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/f4f278be1c902ad735a411199f2b057cb582d319_xlarge.jpg)
そして、コーナーからスポーティなペースで立ち上がる時は、思いっきりイン側に身体を入れて、ハンドルをしっかり握り、とにかくインリフトを抑える。
まるでスノーモービルのような操縦感覚だ。
つまり、このスパイダーは独特の操縦特性を持った、非常に個性的な乗り物なのだ。
![画像2: スポーティなコーナーワークとセダンのような快適さが同居!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/a2a40a627251870adfd341040508054271b594fb_xlarge.jpg)
実際に乗る際はいろいろと慣れがいる。でも、その感覚がわかってしまえば、なかなか面白い。
しかも快適だしラクなのだ。
ソファーのようなシートと減衰を手元で可変できるエアサスのおかげで、乗り心地は高級な4輪セダンのようだ。
ロータックス製3気筒エンジンは滑らかで、ドライバビリティはやはり乗用車的。
![画像3: スポーティなコーナーワークとセダンのような快適さが同居!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/a2426f7f136c65249c0da90e07d8a5fd2cf461c7_xlarge.jpg)
ボタンシフトのセミオートマはDCTのような鋭敏なレスポンスではないが、繋がりよく、確実にシフトできる。なかなか使いやすい。それに3輪だ。
2輪のツアラーに比べるとラゲッジスペースが多いのも魅力。タンデムで3〜4泊分の荷物くらいなら余裕で収納できる。
![画像4: スポーティなコーナーワークとセダンのような快適さが同居!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/9b7ebcbfa436f50d954890e44c9d822c6401648c_xlarge.jpg)
それにトラクションコントロールが、インリフトや過度のロールにも反応してパワー制御を掛けるので、多少乱暴な乗り方や、滑りやすいコースでの加速でも安心だ。
こういったライディングアシストがすばらしく充実している。
そのルックスを含め、カンナムスパイダーは非常に個性的だが、その分、4輪やバイクでは味わえない独特の機動力を楽しめるツーリングアイテムだと言えよう。
主要諸元
全長×全幅×全高 2667×1572×1510㎜
ホイールベース 1714㎜
シート高 772㎜
車両重量 459kg
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
総排気量 1330cc
ボア×ストローク 84×80㎜
圧縮比 NA
最高出力 115PS/7250rpm
最大トルク 13.26kg-m/5000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 26ℓ
変速機形式 セミAT(前進6速+後進1速)
ブレーキ形式 前・後 φ270㎜ダブルディスク・φ270㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 165/55R15・225/50R15
RIDING POSITION
●身長:176㎝ ●体重:68kg
![画像: RIDING POSITION ●身長:176㎝ ●体重:68kg](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/fcbcf3df421466283c48dccef85fb5e688ecb444_xlarge.jpg)
ソファーのようなシートで乗り心地がいい。
上体が起きたポジションだが、電動スクリーンを動かせば、60〜150km/hオーバーあたりまでなら、余裕でライダーを直撃風から護る。
タンデムシートも非常にホールドがよく、思わず眠ってしまいそうな快適ぶりだ。
DETAILS
![画像1: DETAILS](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/1ceb7034aa961e575e21e7b472a1983a2bd4159a_xlarge.jpg)
最上級グレードのリミテッドには、各収納スペースにぴったり収まるバッグも用意。
フロント用は便利なトロリーケースだ。
![画像2: DETAILS](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/fabf41adae92f03e18a5bf02d5742da8540ef34c_xlarge.jpg)
左右のパニア、トップボックスに加え、フロントにも大容量のトランクを設定。
合計容量は155リットルで、長期ツーリングも余裕だ。
![画像3: DETAILS](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/827a9f5e65901c2b459253aa65a65661b326b9e3_xlarge.jpg)
ミッションは6速のセミAT。操作は左スイッチボックス下の「+」「−」ボタンで行なう。
上部にはリバースギア用の「R」ボタンも。
![画像4: DETAILS](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/26/e260ef9f8934864524e0117268a8a1536e4e6fbe_xlarge.jpg)
4輪で言うダブルウィッシュボーン式のサスを採用。
ショックユニットはザックス製、ブレーキはブレンボのモノブロックを採用する。
●PHOTO:赤松 孝/南 孝幸 ●TEXT:宮崎敬一郎