そこに砂丘があった。
はるかに広がる砂丘があった。
砂に深いワダチの跡をしるして、海への道を妬く90トレールは頼もしい。
砂丘のオアシスは青く静かだ。
水面をふるわすエンジンノイズをぬって、波の音が寄せてくる。
ヤングマンの眼がいっせいにそそぐモデル、それは90トレールだ。
まさしくヤングガイのハートをとらえた90トレール、その流麗なスタイリング、ビートを呼ぶマシンの魅力は計り知れない。
だから、ひと呼んでの90トレールは、小粒ながらニクイ奴だ──無限の可能性を求めたくなる車といわしめるわけだ。
いわばトレールは若者の夢と憧れを結集したモデルだ。
さあ、草原が砂地が、秋が待っている。
乗ろう、行こう、エキゾーストノイズの尾を引いて、大地のあるかぎり、われらの世界を切りひらこう。
やわらかな秋の陽ざしを浴びて、砂とたわむれるわれ一人、どんなライディングも意のままに、思いっきり砂と遊んでみた。(浜松市外の中田島砂丘にて)
空高い秋の空、激浪さか巻く海の音──人っ子一人いない遠州灘の砂の上、思う存分走りまわった航跡は、90トレールだけが知る力強い証しの跡だ。
大地はひろい──果てしない草原は90トレールにとって絶好の相手だ。
レッゴー!!の声、若者の意志に応える90トレールは、一斉に道なき道をつくって突っ走る。
からみついた草は、誇り高きトレール走行の戦果だ。
石をける、車輪は踊る‥‥‥‥一気にアクセル開けて駆け上がろう、それ行け、90トレールの本領発揮だ。
うってかわった良い道‥‥‥‥ここはスズキ自動車の竜洋テストコース(静岡県磐田郡竜洋町)。
すべるような直線の高速フィーリングの味はまた格別だ。
急な野を超え山を越え、行く手に新しい道があるような、そんな期待がいつもあるものだ。
逆光きらめく川の中、砂利の続く原、ハンドリングも軽活に、どこまでも行こう。
急げトレール、日が暮れる。それいけ、水への挑戦だ。やったぜ、ベイビー!!白いしぶきの花が散る。
流木のオブジェを舞台に、聞こえるは海鳴りの海、天をふるわすエキゾーストノイズ、男のさけび──それは自然と人間がおりなす厳しゅくなドラマだ。(竜洋町駒場にて)