きのう土曜日に続き、全日本ロードレース開幕戦が行われているツインリンクもてぎ。きょう日曜はJSB1000クラスのレース2、そして昨日は行なわれなかったJ-GP3、J-GP2、ST600の全クラスの決勝レースが行なわれました。
でも、やっぱりメインレースのJSB! レース1の模様はコチラ<https://www.autoby.jp/_ct/17263728>にアップしましたが、中須賀克行(ヤマハファクトリー)の連勝なるか、それとも高橋巧(Team HRC)のリベンジか、それとも表彰台に上がりながらトップ2に引き離されて終わった野佐根航汰(ヤマハファクトリー)の巻き返しはあるのか、そんなレースになりました。
決勝レースは、リベンジに燃える高橋の好スタートで始まりました。ホールショットを獲得するや、2番手に中須賀を従えてトップでレースを引っ張ります。これは、昨シーズンに何度も見た、中須賀vs高橋の対決の図式。その通り、ふたりは3番手以下をみるみる引き離しながらマッチレースを展開します。
3番手には得意のロケットスタートを見せた加賀山就臣(ヨシムラスズキ)がつけるものの、野佐根が3番手に浮上、その後方には渡辺一馬(カワサキチームグリーン)、渡辺一樹(ヨシムラスズキ)、加賀山、秋吉耕佑(MotoUPレーシング)といったメンバーで固定され始めます。
トップ争いは高橋vs中須賀。ここで中須賀は、レース中盤以前に高橋をかわしてトップ浮上。これも昨シーズン、よく見た光景ですが、今シーズンはここから先がちょっと違う。中須賀に先行された高橋が、昨年よりも接近して中須賀を逃がさないんです。
中須賀先行、高橋が背後に、というオーダーがレースの大半を占め、終盤ジリジリと中須賀の背後に迫る高橋。ラスト3周くらいには明らかに中須賀をつつき始め、背後にピタリというよりは、区間ごとにマシンを振ってパッシングポイントを探っているようでした。
しかし、抜けない! 1コーナーで、3コーナーで、5コーナーで、S字でV字でヘアピンで、そしてダウンヒルストレート、90度コーナー、そしてビクトリーと、中須賀のスキを探る高橋ですが、そこは絶対王者がスキを見せずに高橋を完封。もちろん、露骨なブロックラインもなく、クリーンなトップ争いが最終ラップで見られたものの、あと一歩、本当にあと一歩だけ届かず! 抜けそうで抜けない、ツインリンクもてぎ場内には何度も悲鳴と歓声が沸き上がっていました。
中須賀2連勝、高橋が2レース連続2位、ふたりから11秒遅れて野佐根が3位フィニッシュ。表彰台の顔ぶれはきのうのレース1と同じですが、また違う見ごたえのある好レースでした。
上位陣のタイム差は1→2位が、レース1の0秒829からさらに接近して0秒113! 2→3位はレース1の15秒383からさらに接近して11秒454となりました。きのうの息詰まるトップ争いが、さらに超接近戦となったレース2となりました。
結果だけ見れば中須賀、高橋、野佐根という、昨シーズンに何度もみた顔ぶれでしたが、その戦いぶりはまるで違う開幕戦。特に、高橋が中須賀の背中をとらえつつある……そんなレースが2つ続きました。
「また負けちゃいました。きのうより接近したとはいえ、負けは負け。悔しいし、こんなに悔しいのは久しぶりです」と高橋。いつもは感情を表に出すことの少ないライダーですが、充実した表情に、いつも以上の悔しさをにじませての開幕戦となりました。
以下はレース2の正式結果ですが、昨日のレース1とほとんど同じ! 7位加賀山と8位秋吉が入れ替わっただけで、トップ10のメンバーは全く同じ顔ぶれです。開幕早々、早くもシーズン終盤のようなハイレベルなレースになった、ってわけですね。
■全日本ロードレース 開幕戦レース2結果■
1 中須賀克行 ヤマハファクトリー 41分36秒963
2 高橋 巧 Team HRC +0.113s
3 野佐根航汰 ヤマハファクトリー +11.567s
4 渡辺一樹 ヨシムラスズキMOTUL +30.040s
5 渡辺一馬 カワサキTeamグリーン +32.035s
6 水野 涼 MuSASHi RT ハルクプロホンダ +38.515s
7 加賀山就臣 ヨシムラスズキMOTUL +38.814s
8 秋吉耕佑 au・テルルMotoUPレーシング +52.235s
9 ザクワン・ザイディ ホンダアジアドリーム +1’04.167s
10 岩戸亮介 カワサキTeamグリーン +1’11.673s
では、現地よりこれでお別れします。他クラスの模様は、のちほど^^
写真・文責/中村浩史