MotoGP開幕を3月8日に控えて、3日間のカタールテストが終わりました。これで2018→2019年のウィンターテスト、プレシーズンテストは終了。18年の最終戦直後にバレンシア、その後にヘレスでテストがあって、年明けにセパン、そしてこのカタールでテストは終了。4回しかないんですね。これで19年シーズンに使うエンジン決めなきゃいけないんですから、大変な作業です。

カタールテストの最終日、風が出て砂埃が舞い、路面温度も上がらなかったようですが、それでもトップタイムは1分54秒208。昨日のアレックス・リンス(スズキ)のトップタイムから0秒38も短縮。コンディションが昨日どおりならば、最終日はもう少し行くのが恒例ですから、54秒フラットとか、53秒台に入った可能性もあったのでしょう。

画像: 好調のままテストを終了したビニャーレス お、2019年型のウィングになってる?

好調のままテストを終了したビニャーレス お、2019年型のウィングになってる?

その最終日、トップタイムをマークしたのはマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)でした。これでビニャーレスはセパン3日間の2日目、そしてカタール3日間の初日と3日目をトップタイムで締めたことになります。18年はシーズン1勝のみ、ランキングも4位に終わったビニャーレスですが、納得いくシーズンでなかったのは明らか。今年こそ、いいマシンを作っていい成績を出して、チャンピオンを獲りたい、に違いありません。
「すごくうまくいったテストでした。でも、まだまだ改善しなきゃいけないことはあります。特にエッジグリップについては作業を続けていかないと。加速という点ではセパンからすごく良くなっているし、ブレーキングも問題ない。レースペースは悪くないし、レースペースを10周続けてみたけど、ミディアムタイヤにはちょっと路面温度が足りなかったかな。それでも、いいリズムで上手く走れたと思うし、もうすこし攻められたとも思う。でも、レースに向けてまだまだ改善していかないと。準備はできているけど、マシンにはいい点も悪い点もまだまだある。どこでどう改善できるか、見極めていかないとね!」(マーベリック・ビニャーレス)
特にヤマハは、この最終日に来て、ビニャーレスだけじゃなく、下に挙げるファビオ・クアルタラロ、バレンティーノ・ロッシ、フランコ・モルビデリもいて、4人もヤマハライダーがトップ6に入ってますからね。これはいよいよYZR-M1が不調を脱したと見てもいいかもしれませんね。

画像: 2日目に続いてトップグループにステイしたクアルタラロ MotoGPルーキーなのにねー!

2日目に続いてトップグループにステイしたクアルタラロ MotoGPルーキーなのにねー!

最終日の2番手タイムをマークしたのは、なんとMotoGPルーキーのクアルタラロ。クアルタラロは、昨年までMoto2に出場していたライダーで、19年からヤマハのサテライトチーム「ペトロナスYAMAHAセパンレーシングチーム」に昇格してMotoGPクラスにデビューします。Moto2では、18年のカタルニアで優勝、2位に1回入賞してランキング10位に終わりましたが、この4月にやっと20歳になる逸材! 15年にMoto3にデビューする前は、スペイン選手権で「神の子」と呼ばれるほど連戦連勝を挙げていたライダーです。Moto3とMoto2は意外とパッとしなかったんですよね。それがとうとう大排気量で花開いたかもしれないです。
「すごくポジティブなテストができました。最終日、午前中は寒かったし、路面に砂が出ていたからあんまりいいコンディションではなかったんですが、終盤には風もやんで、コースインするたびにいい感じで走れました。今年に入って、まだ6日間しかマシンに乗っていないんだけど、すごくイイ感じで乗れています。このカタールでは何度か速いラップタイムが出せたけど、それがセパンテストに足りなかったことでもありました。ここではすぐにペースをつかんで、苦労せずにいいタイムが出せましたね。セパンでやったのよりも、レースシミュレーションができたのもよかったけれど、単独で走っていたので、まだまだ難しい面はある。それでも、ずっと進化できていると思います!」(クアルタラロ)

画像: いよいよ上がってまいりました、マルケス ここも19年型ウィングかな RC213Vもいろいろ変わってる!

いよいよ上がってまいりました、マルケス ここも19年型ウィングかな RC213Vもいろいろ変わってる!

3番手にはマルク・マルケス(ホンダ)。ワールドチャンピオンは、クセになっていた左肩の脱臼を手術してからのシーズンイン。セパンの頃には本調子でもなく、テスト周回数も少なかったマルケスですが、ここへきて復調。タイムも周回数も、ほぼ従来どおりに戻って来ているみたいです。
「シーズンインの準備できた感じがしましたね。昨日も今日もたくさん周回して、もう1ステップ進化できたのがわかるね。まだ100%じゃないけれど、フィーリングはいいよ。カタールって、いつもはホンダが苦手にするところなんだけれど、今回のテストはそうでもなかったね。今日はちょっと風が出ていて、路面温度も低かったけれど、やるべきことはやれたと思う」(マルケス)

これでプシーズンテストは終了。いよいよ3月第2週の週末には開幕です。最終日になって、各社ともマシンにいろいろ細かい仕様が見られますが、これがそのまま開幕でも見られるか、注目ですね。
ここまでのテストを見ていて、やっぱりビニャーレスの好調っぷりが目立ちます。それにリンスに、やっぱりマルケス。ここまでタイムシートの上位には上がってきていませんが、やっぱりカタールでのドゥカティの強さは外せませんから、ドビツィオーゾもペトルッチも、うーん、結局ファクトリー勢ほとんどが優勝候補になっちゃう。

■■■MotoGPプレシーズンテスト最終日結果
①マーベリック・ビニャーレス ヤマハ   1分54秒208
②ファビオ・クアルタラロ   ヤマハ   +0.233s
③マルク・マルケス      ホンダ   +0.405s
④バレンティーノ・ロッシ   ヤマハ   +0.443s
⑤ホルヘ・ロレンソ      ホンダ +0.445s
⑥フランコ・モルビデリ    ヤマハ   +0.452s
⑦ポル・エスパルガロ     KTM    +0.562s
⑧中上貴晶         ホンダ    +0.581s
⑨ダニロ・ペトルッチ     ドゥカティ +0.610s
⑩ジャック・ミラー      ドゥカティ +0.643s

そのほかにも、ポル・エスパルガロ(KTM)が上位に上がって来ていたり、我らが中上貴晶もきちんと8番手にいたりと、見所だくさんありますね! 
ではあえて言おう。ビニャーレスが開幕戦を優勝するんじゃないかと! さらに対抗はドビツィオーゾ、大穴はリンスであると!

写真/YAMAHA Honda DUCATI 文責/中村浩史

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