今週末の開幕を控え、ワールドスーパーバイク(=WSBK)の最終オフィシャルテストが終了しました。開幕戦は今週末ですからね、ホント直前テスト! あと数日後には、同じ場所で本番を迎えるわけですから、プレーシーズンテストとはいっても、その本気度はケタ違いでしょう。「テストなんだもん、順位とかタイムは参考位程度に」って常套句が、なかなか通じないテストなんであります。

画像: さすがバウ! さすがパニ! どっち??

さすがバウ! さすがパニ! どっち??

2日間4セッションで行なわれたテストで、総合トップタイムを奪ったのは、今シーズンからWSBKにスイッチするアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)。2番手になんとトム・サイクス(BMW)が入りました。4連覇チャンピオンのジョナサン・レイ(カワサキ)は4番手。この辺も、特に焦ることなく進んでる、って感じなのかなー。
2日間のタイムシートは以下のとおり。

初日(2/18)
1 アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)1分30秒743
2 アレックス・ロウズ(ヤマハ)1分31秒146
3 ジョナサン・レイ(カワサキ)1分31秒189
4 トム・サイクス(BMW)1分31秒300
5 レオン・ハスラム(カワサキ)1分31秒399

2日目(2/19)
1 アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)1分30秒303
2 トム・サイクス(BMW)1分30秒35
3 レオン・ハスラム(カワサキ)1分30秒668
4 ジョナサン・レイ(カワサキ)1分30秒722
5 マルコ・メランドリ(ヤマハ)1分30秒76

画像: 復活参戦のBMWとシルバーコレクターのサイクス 今年楽しみな組み合わせです

復活参戦のBMWとシルバーコレクターのサイクス 今年楽しみな組み合わせです

画像: ルーキー感ゼロ(笑)のハスラム ワークス入りで気合入ってます!

ルーキー感ゼロ(笑)のハスラム ワークス入りで気合入ってます!

2日目のタイムが初日を軒並み上回っていることで、2日目のTOP5タイムがそのまま総合順位。バウティスタ、2日連続のトップタイム、前評判通りの速さですね。
もちろん、このテストの結果がそのまま今週末のレースにつながるわけはありせんが、パニガーレV4R、さすがにスゴい! バウティスタもMotoGPライダーの実力を見せつけています。そういえばアルバロ、去年のMotoGPオーストラリアでも、欠場したホルヘ・ロレンソの代役でドゥカティワークスチームから参戦していきなり4位入賞しましたよね。4か月ぶりの同じサーキットでの実戦、まだいいフィーリングの記憶が残ってるギリギリかも。
しかもバウティスタ、テストにありがちな「1周だけ速い」って走行ではなくて、30秒台でばんばん周回しています。ちなみにレイのベストタイムより速いタイムが7周ありました。
でも、気になるのは、バウティスタのチームメイトであるチャズ・デイビス。バウティスタから初日は1秒9、2日目も1秒7遅れと今イチ。今シーズン、パニガーレV4はバウティスタ&デイビスのワークスチームと、ユージン・ラバティ、マイケル・リナルディのサテライトチームがあるんだけど、バウティスタだけ飛びぬけていますね。パニガーレが速いのか、バウティスタが速いのかは、今週末にはっきりしそうです。

総合2番手につけたサイクスも、今年の移籍組。カワサキからWSBK復活のBMWに移ってきたわけですが、BMWのニューマシン、NewS1000RRもよさそうですね。チームメイトのマーカス・レイテルバーガーも確実にTOP10に入っているし、トップとの差いつも1秒圏内にいます。このふたり、今年おもしろいかも。

画像: あわてず騒がず黙々と走るレイ PIはあんまり得意じゃないイメージですね

あわてず騒がず黙々と走るレイ PIはあんまり得意じゃないイメージですね

チャンピオンチーム、カワサキレーシングは着実、って印象。初日に珍しく転倒しちゃったレイですが(転んでごめんなー、ってマシン修復するスタッフの回りを掃除してた動画が上がってましたね・笑)、WSBKのフィリップアイランドの基準タイムというか、ここまで走れていれば好調、って証の1分30秒台に入れてきましたから、ここは心配なさそう。この人の場合、1周より1レース、1レースよりシーズン全レース、って考え方をする人ですから、テストのタイムなんかまるで心配していないでしょう。テスト項目をキッチリ昇華していればいいんだよ、って。
レイよりむしろハスラムが張り切ってます。出戻りとはいえ、ルーキーらしさはゼロだけどね(笑)。

ドゥカティ、カワサキと3強をなすヤマハ勢も、着実にテストを消化しました。初日2番手につけた後にがっつり転んじゃってたロウズが総合9番手に沈んじゃったけど、日本にもファンの多いマイケル・vd・マークが7番手にいて、さらに今シーズンからヤマハに乗るマルコ・メランドリが、このトップチームのふたりより上、5番手にいます。
メランドリ、8年ぶりのヤマハYZF-R1ですが、さすがの実力者ですね。しかしメランドリも長いなぁ、今年36歳ですから、まだMotoGPにいたらバレンティーノ・ロッシの次に年長者ですね。メランドリは2011年からWSBKに参戦していますが、15年に1回MotoGPに戻りつつ、WSBKではヤマハ→BMW→アプリリア→ドゥカティとワークスチームを渡り歩いての、今シーズンはインディペンデントチーム。トップインディライダーとして、ちょいちょいワークス勢を食ってくるはずです。

画像: 10年ぶりのWSBK参戦の清成 熱烈えこひいき応援します!

10年ぶりのWSBK参戦の清成 熱烈えこひいき応援します!

画像: 去年もCBR+ピレリだったとはいえ、今年の組み合わせは新マシン+新タイヤです

去年もCBR+ピレリだったとはいえ、今年の組み合わせは新マシン+新タイヤです

注目のモリワキアルティアホンダの清成龍一とレオン・キャミアですが、この最終テストが2019年初めての公式テストとあって、ちょっと出遅れ感は否めないですね。キャミアがいつもトップ10あたりにいて、清成がその0秒5遅れとか、そんなイメージです。それでも、10年ぶりのWSBK、しかも初テストの清成が、WSBKではもはやベテランのキャミアにそれだけしか遅れてないって、ある意味スゴいですね。清成ももうベテラン、1発のタイムよりレース距離を考えたシミュレーションテストをしているでしょうから、ここはテストより本番に期待!

画像: 清成龍一36歳 マルコ・メランドリと同い年です 03年のGPデビューから15年が経ちました

清成龍一36歳 マルコ・メランドリと同い年です 03年のGPデビューから15年が経ちました

「初日よりずいぶんよくなりました。特にサスペンションと電子制御のセッティングをしていたんですが、効果もありましたね。まだトップ勢とは差があるけれど、うまくテストは進められました。たくさんチームとやりとりして、チームもそこに応えてくれました。開幕戦、がんばってきます」と清成。総合15位から、開幕戦でどこまで上昇するのか、注目したいです。

開幕戦はFP1が金曜日スタート。土曜に1レース、日曜に2レース(うち1レースは超スプリント)と、1戦が3レースありますから、混戦必至! いや、それこそが楽しいチャンピオンシップになるんです!

写真/worldsbk.com Honda 文責/中村浩史

This article is a sponsored article by
''.